ドイツの先史時代の遺跡から出土した哺乳瓶は、古代の人々が乳児をどのように世話していたかを教えてくれる。(ILLUSTRATION BY CHRISTIAN BISIG, ARCHÄOLOGIE DER SCHWEIZ) 世界で最初に哺乳瓶を使い始めたのは、約7000年前のヨーロッパに住む人々だったとされている。新石器時代が始まり、狩猟採集社会から定住生活をする農耕社会へと移り変わる時期のことだ。(参考記事:「新石器時代に人工島、定説覆す発見、目的は不明」) これまでに発見されたそうした小さな土器は、細い飲み口と、ときに動物に似た楽しい形をもち、乳幼児の手に収まっている様子を容易に想像できる。では、子どもたちはそのような容器から一体何を飲んでいたのだろうか? このほど、先史時代の哺乳瓶に付着した物質をはじめて特定した研究結果が、9月25日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。論文によると、