長崎県西海市で2011年、ストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた筒井郷太被告(31)を死刑とした一、二審判決が確定する。最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)は21日、被告の上告を棄却する判決を言い渡した。 判決によると、筒井被告は千葉県習志野市で同居していた女性が長崎県西海市の実家に連れ戻されたと思い込み、女性を取り戻そうとして、11年12月に同市内の女性の母(当時56)や祖母(当時77)の自宅に侵入。2人を出刃包丁で複数回刺して殺害した。 弁護側は「自白を強要するなどの不当な取り調べで、警察が被告を犯人に仕立て上げた」と無罪を主張したが、第一小法廷は「被告が犯人と認めた一、二審の判断は相当」とした。 その上で、量刑について「女性を取り戻すことに一方的かつ極端に執着し、家族を殺害してでもその障害を排除しようとした動機に酌量の余地は全くない」と指摘。