東京都西東京市の市立小学校に配属された新人の女性教諭(当時25)が10年前、うつ病にかかり、自殺した。その死が、教師としての仕事に起因する「公務災害」として認められなかったのは不当だとして、遺族が地方公務員災害補償基金を相手取って、処分の取り消しを求めていた訴訟の判決が2月29日、東京地裁であった。吉田徹裁判長は「自殺は公務が原因だった」と認定し、同基金に処分の取り消しを命じる判決を下した。 判決などによると、女性教諭は2006年4月、西東京市の市立小学校に新任教員として配属された。直後から、担任をつとめる学級で、児童による万引き事件や、児童の上履きや体操服が隠されるトラブルが相次いだ。さらに、保護者からのクレームなどがあり、精神的な負担が重なった。 こうした状況に加え、初任研修の課題などによるプレッシャーがあり、さらに自宅へ持ち帰る作業など時間外勤務が増えた。女性教諭は同年6月にうつ病を
いじめに絡む事件で、警察が昨年中に摘発・補導をした小中高生は331人で、前年より125人(27・4%)少なかった。6割が中学生だった。警察庁が25日に発表した。担当者は「犯罪行為があれば学校や保護者の意向を確認して適切に対応する」と話している。 事件の数は200件で、前年より65件(24・5%)減った。2013年にいじめの定義を変えたことで、摘発・補導の人数も事件数も大幅に増えたが、翌年から2年連続で減った。 ただ、いじめ自体が減ったわけではない。文部科学省によると、学校が認知しただけで14年度は前年度より約2千件多い約18万8千件あった。一方、警察への相談・通報は約200件少ない744件だった。警察庁は、表面化したものに限れば違法行為を伴う悪質なケースが減ったとみている。 摘発・補導された331人のうち206人(前年比95人減)は中学生で、高校生は77人(同9人減)、小学生は48人(同2
岩手県矢巾町の中学2年村松亮さん(当時13)がいじめを受けて昨年7月に自殺した問題で、岩手県警は26日、14歳の少年を暴行と強要の疑いで盛岡地検に書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。 14歳の少年の書類は今後、家庭裁判所に送られ、家裁が調査した上で審判開始の可否を判断する。審判では、保護観察などの処分が決まる。 父親側は同級生4人を告訴していたが、14歳の少年以外の3人は当時13歳で、1人は児童相談所に通告し、2人は容疑にあたる事実がなかったとする捜査結果を地検に送った。 村松さんは昨年7月5日夜、矢巾町のJR矢幅駅で電車にはねられ死亡。県警は飛び込み自殺と断定。学校は昨年7月、生徒や教員から聞き取った調査報告書で6件のいじめを認定。「いじめが自殺の一因と考えられる」との結論を出している。(松本龍三郎)
青森県弘前市の男子生徒(16)が現金を要求されるいじめを受け、適応障害で不登校になったとして、小中学校の同級生10人と保護者に計約4150万円の損害賠償を両親とともに求めた訴訟の判決で、青森地裁弘前支部は24日、同級生1人とその保護者に慰謝料など180万円の支払いを命じた。 西村康一郎裁判官は判決理由で、この同級生が被告の中で最も多い計65万円を受け取ったと認定した上で、男子生徒に何度も現金を要求した行為は「適応障害との間に因果関係が認められる」とし、不登校を引き起こした要因と判断した。一方で、複数の生徒による集団的な金銭の要求は「互いに意思を通じた明確な証拠はない」として共同不法行為の成立を認めなかった。 判決によると、男子生徒は小学6年から中学1年の間、被告の同級生らに、たびたび金銭を要求された。その後適応障害と診断され、不登校のまま中学を卒業した。
大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒(当時17)が自殺したのは、顧問だった元教諭(50)=懲戒免職=の暴力が原因だとして、関東に住む遺族が市に約1億7千万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は24日、約7500万円の支払いを市に命じる判決を言い渡した。岩井伸晃裁判長は「元顧問の暴行で精神的に追い詰められたことが原因で自殺した」と認めた。 判決によると、主将だった生徒は、元顧問から平手打ちなどの暴力を繰り返され、「主将やめろ」などの暴言を受けた。2012年12月に自宅で自殺。「なぜ僕だけがあんなにシバき回されなければならないのですか」と書いた元顧問宛ての手紙を書き残していた。 遺族側は「元顧問の暴力が生徒を極限まで追い詰め、校長らも暴力を知りながら放置した」と主張。市側は「自殺は元顧問の暴力が原因ではなく、予見もできなかった」と反論した。元顧問も市側の立場で出廷し、「過去に十数人の生
岡山県の県立高校の男子生徒(当時16歳)が3年前に自殺した事件で、岡山弁護士会は12月25日、生徒が所属する野球部の監督だった教員の指導について、「生徒に対する教育的配慮を欠く行きすぎた叱責が人権侵害にあたる」として、再発防止のための措置を求める要望書を、高校と県教育委員会に提出した。 2012年7月に自殺したのは、県立岡山操山高校の野球部に所属していた2年生の男子生徒。今回の岡山弁護士会の要望書は、男子生徒の両親による「人権救済」の申し立てを受け、同会が調査した結果に基づくもの。両親は同日、岡山市内で記者会見を開き、「私たちの思いを受け止めていただき、感謝している」と喜びを口にした。(文・写真/秋山千佳) ●「息子が亡くなってからの3年半で一番いい出来事」 要望書は、監督が野球部員に対して、日常的に「殺すぞ」などと暴力的な発言をしたり、パイプ椅子を振りかざしたりしたほか、自殺した生徒に叱
鹿児島県出水市で2011年、自殺した中学2年の女子生徒(当時13)に対するいじめの有無を全校生徒に尋ねたアンケートについて、祖父(65)が開示を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁は15日、出水市の不開示決定を取り消した。鎌野真敬裁判長は「不開示を前提としたアンケートではない。個人情報を除いて開示すれば、回答者が特定される恐れはない」との判断を示した。氏名や学年、部活動名など回答に記述された個人を特
小・中・高校と大学のDX最前線から学ぶ 参加無料フォーラム。8/24東京、8/28大阪。校務DX、クラウド導入、教育データ利活用、事例大公開。 ▽自宅2階から飛び降りて骨折等のけがを負い入院加療。生徒間の携帯電話でのやりとりなどでトラブルがあり、飛び降りの背景にこのいじめが関連していると判断された。 ▽複数の生徒から複数回、多額の金品を喝取され、その際、暴力やいやがらせを受けた。 ▽長期間いじめが継続、暴力行為でけがを負ったのをきっかけに不登校。その後、不眠、不安、抑うつ状態となり、医療機関を受診。 ▽いじめが続く中、薬を大量に飲み、病院に搬送された。 ▽金銭を強要されたり暴力行為を受けたりして幻聴等の精神性の疾患症状があらわれた。 ▽非行グループから抜けようとして、膝蹴りをされたり顔を殴打されたりする暴力を受け、歯が折れた。 また、いじめにより相当の期間、学校の欠席を余儀なくされているの
知的障害がある特別支援学級の女子生徒にみだらな行為をしたとして、愛知県警は29日、尾張地方の市立中学に勤務する教諭の男(54)を、児童福祉法違反の疑いで逮捕した。 捜査関係者によると、男は今年6月、尾張地方のホテルで、受け持っていたクラスに在籍していた少女に対し、18歳未満だということを知りながら、みだらな行為をした疑いがある。少女は知的障害があったという。事件発覚後も、男はそのまま同じ学校に在籍していたという。 県警は少女のプライバシーの保護を優先し、逮捕について発表していない。
「言うことを聞かないから『しつけ』としてやった」「選手を強くするためにやった」。さまざまな理由で、子どもに対する「体罰」が繰り返されている。こうした体罰を根絶するために、日本弁護士連合会は3月25日、「子どもへの体罰を法律で禁止すべきだ」とする意見書を発表した。 ●日本の社会的風土は体罰を容認している? 意見書は、体罰について「子どもの誇りを粉々に打ち砕く行為だ」と非難。そして、体罰が減らない理由は、子どもの「しつけ」にとって体罰が有効だという考えが根強く残っているからだとしている。 スポーツ指導の現場では、「『選手を強くするために』、『チームを勝たせるために』などと、体罰等を加えたことを正当化することがある」と指摘。また、家庭でも、「躾(しつけ)の一環」と称して体罰が行われているという。 「体罰は有効だ」とする議論については、たとえ体罰に子どもが従ったとしても、それは表面的に体罰を避ける
途上国の子どもたちにとって「子どもの権利」とは「教育を受ける権利」国際NGOチャイルド・ファンドが世界の子どもたちを対象にアンケート調査を実施 チャイルド・ファンドは、世界の子どもたちを対象としたアンケート調査を実施し、「世界子どもの日」である11月20日に調査報告書を発表しました。「子どもの権利」をテーマとした今回の調査では、途上国の子どもたちが「教育を受ける権利」こそが「子どもの権利」であると考え、先進国の子どもたちよりも教育を大切に考えていることが明らかになりました。 国際NGOチャイルド・ファンドは世界の子どもたちを対象としたアンケート調査、Small Voices, Big Dreams(子どもたちの小さな声 大きな夢)を毎年実施しています。「子どもの権利条約」の採択から25周年にあたる2014年は、「子どもの権利」をテーマとして調査を実施しました。全世界44ヵ国、6,040人の
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