どこの国にいっても敬語や丁寧語の類は使い方が難しいものですが、ドイツではDuとSieの使いわけに気を遣われる方もいるでしょう。いろいろな本には、日本語で「ですます調」以上の敬語を使う相手ならばSie、それよりも親しい間柄であればDu、とありますが、実際の生活ではいったいどうやって使えばよいのでしょうか。ドイツでも、最近は英米や北欧諸国の影響で、次第にDuとSieの使い分けのルールがあいまいになってきていますが、基本的にはまだまだいろいろな決まりがあります。 基本的な使い方については、まず一世代くらい昔の常識に遡って考えるといいかもしれません。昔は大人同士であれば、家族、親族、親友、恋人を除き、すべてSieで話すことが常識、とされていました。Sieで話すことはsiezen、Duで話すことはduzenという動詞で表現し、どんな間柄か人に説明するときには、“Wir siezen uns”あるいは