社会学者・宮台真司がリアルサウンド映画部にて連載中の『宮台真司の月刊映画時評』などに掲載した映画評に大幅な加筆・再構成を行い、書籍化した映画批評集『崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する』が、リアルサウンド運営元のblueprintより刊行中だ。同書では、『寝ても覚めても』、『万引き家族』、『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』、Netflixオリジナルシリーズ『呪怨・呪いの家』など、2011年から2020年に公開・配信された作品を中心に取り上げながら、コロナ禍における「社会の自明性の崩壊」を見通す評論集となっている。 今回、リアルサウンドでは同書の刊行を記念し、識者・著名人が宮台の批評との出会いを語るシリーズを企画。自身に大きな影響を与えた3冊を挙げてもらった。第2回は、哲学者・小説家の千葉雅也による、「弱者の強者性」を説く宮台社会学から学んだことについて
鴇田智哉『エレメンツ』 郡司和斗選十句 うららかに手の持主が来るといふ 一をかぞへる噴水の一時間 この秋のをはりの旗を配らるる 火が紙にくひ込んでゐる麦の秋 かなかなといふ菱形のつらなれり うなづくと滝の向うの音がする きのふをととひと次第に玉になる すぢかひのつめたさ空の組み上がる t t t ふいにさざめく子らや秋 あきらかに私の位置に鹿が立つ 本野櫻𩵋選十句 澄みわたりけり三角にあらがふ子 とまる蛾にさかさまに来る人の貌 すぢかひのつめたさ空の組み上がる かほの絵の服を着てからゆらゆらす いうれいは給水塔をみて育つ あした日に焼けた体がここにある 手の書きし言葉に封をする手かな 蜥蜴ゆく速さに喉をとほる水 海鼠ころがり遠メガホンの何か言ふ なかにゐる水母のなかのずれてくる 𩵋:第三回はじまったな!(バカ声量) 今回は鴇田智哉さんの第二句集『エレメンツ』をよんでくよ! まず全体の感
Foto: Jürgen Bauer ユーディット・シャランスキー 1980年グライフスヴァルトに生まれ、美術史とコミュニケーションデザインを学ぶ。世界的ベストセラーとなった『奇妙な孤島の物語』や『Der Hals der Giraffe(キリンの首)』などの作品は、20を超える言語に翻訳され、数多くの賞を受賞している。自然書シリーズ「Naturkunde」の発行人、デザイナー、フリーの著述家としてベルリン在住。 『失われたいくつかの物の目録』 世界の歴史は、失われたものでいっぱいだ。気まぐれに破壊されたもの、時の経過の中で紛失したもの。この新作の中でユーディット・シャランスキーは、失われたもののなごりに目を向ける。消え去ったこだま、拭い去られた痕跡、噂、伝説、省略記号、幻肢痛。 サッフォーの歌、取り壊された共和国宮殿、絶滅したトラ、あるいは太平洋に沈んだ島。そうした失われた自然物や芸術品
文学賞を総なめ『シブヤで目覚めて』日本上陸 2018年チェコで刊行されるとたちまちベストセラーとなり、チェコの主要な文学賞であるマグネジア・リテラ文学賞新人賞をはじめ数々の文学賞を総なめにした『シブヤで目覚めて』の日本語版がついに出版された。ドイツ語版のほかポーランドやスペインでも続々と翻訳され、ついに日本に上陸、話題を呼んでいる。 タイトルからわかる通り、東京・渋谷は重要な舞台のひとつ。この作品へのオマージュとして、渋谷の夜景をスタジオのプロジェクターに写しだし、アンナ・ツィマを渋谷の街の風景に「閉じ込める」という手法で取材撮影はスタートした。 ここでアンナ・ツィマの来歴を紹介しよう。1991年チェコ、プラハ生まれ。カレル大学日本研究学科を卒業後日本に留学。大学院研究生を経て現在はカレル大学大学院博士課程に在籍し、日本で創作、翻訳と研究活動を行なっている。『シブヤで目覚めて』はアンナ・ツ
映画化もされた世界的大ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズを手掛けた英作家、J・K・ローリングさん(47)が、ロバート・ガルブレイスという別名義で探偵小説「The Cuckoo’s Calling(カッコーの呼び声)」を出版していたことが明らかになった問題で、ローリングさんを担当する英法律事務所ラッセルは18日、情報は自分たちから漏れたと認めた。ローリングさんは激怒。欧米主要メディアは、機密情報の保持が最優先される弁護士事務所からの情報漏れを批判的に報じている。 妻→友人→ツイート 「私が別のペンネームを使ったことはごく少数しか知りません。なのに(それが公になった)日曜(14日)の夜までに、古くからの友人たちですら知らなかった事実を、私が一度も会ったことがない女性がなぜ知り得たのかを考えると、不愉快になります」 弁護士事務所からの情報漏れが騒動の原因と聞かされたローリングさんはこう述べ
「次に読む本へのみちしるべ」というコンセプトで連載を続けてきた『読書標識』。1年間にわたり毎週2本更新でお送りしてきましたが、今回で最後となります。 今回の書き手は、作家の岩倉文也さん。ご紹介していただくのは、萬屋直人『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(電撃文庫)です。 書き手:岩倉文也 詩人。1998年福島生まれ。2017年、毎日歌壇賞の最優秀作品に選出。2018年「ユリイカの新人」受賞。また、同年『詩と思想』読者投稿欄最優秀作品にも選出される。代表作に『傾いた夜空の下で』(青土社)、『あの夏ぼくは天使を見た』(KADOKAWA)等。 Twitter:@fumiya_iwakura なぜ人は世界の果てを目指すのだろう。ぼくはよく疑問に思う。 当然、世界に果てなどないはずだ。なぜなら地球は丸いのだから。 それでも人は世界の果てを目指した。世界の果てを目指す数多の少年少女たちを物語に描
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