東京オリンピック・パラリンピックを前に、水素を活用した燃料電池自動車(FCV)の普及を図るため、水素を製造・供給する「水素ステーション」を設置する事業者に補助金を出す環境省の事業について会計検査院が調べたところ、導入した事業者の大半が、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って水素を作るという要件を守っていなかったことが、関係者への取材で判明した。電力会社から購入するなどした電力を用いていた。検査院は同省に見直しを求めた。 環境省は2015年度以降、「再生可能エネルギー由来の水素ステーション」や、乗用車、バスなどのFCVを導入した自治体や企業に、費用の3分の1~4分の3の補助金を交付した。水素ステーションは水から分解した水素をFCVに供給するシステムで、費用は2億円程度。水素は利用時に二酸化炭素を排出せず、電源に再生可能エネルギーを用いることで、地球温暖化対策になるとして同省が推進してい