【松本紗知】山形県の庄内平野に吹く局地風で、日本三大悪風の一つとして知られる「清川だし」が、風力発電所の建設に伴い、風下で弱まっていることが、東北学院大学(宮城県)の菊地立・名誉教授(気候学)らの研究で分かった。 清川だしは、同県庄内町清川付近で夏場に吹く強い東風で、農作物に被害をもたらす。岡山県の広戸風、愛媛県のやまじ風と並んで、日本三大悪風の一つとされる。清川のある旧立川町は、逆転の発想で強風を利用しようと、1994年に「第1回全国風サミット」を開催。93年から2003年にかけて計11基の風力発電所を建設してきた。 菊地さんが同大学のゼミの学生と、清川地区から4キロ西のアメダス狩川のデータを調べたところ、風力発電所の建設前と後で、最大風速10メートル以上の日が半減していることが分かった。