2020年12月11日06:00 カテゴリドイツ新型コロナウイルス コロナ禍で「主権」が国民に戻った! ベルリンの独連邦議会(下院)でのメルケル首相の演説を聞いて、正直言って驚いた。時には涙ぐみながら国民に現状の厳しさを訴え、新型コロナウイルスの感染防止の規制強化の必要性をアピールした。理科系(物理学)出身のメルケル首相が公の場で感情を露わにすることはなく、ましてや涙を見せたことなど過去14年間余りの首相任期中に見たことがない。少なくとも思い出せない。その彼女が連邦議会の演壇で感情溢れる演説をしたのだ。 ▲国民に連帯と責任をアピールするメルケル独首相 なぜか。独国立感染症研究所「ロベルト・コッホ研究所」(RKI)がその日(9日)、ドイツ全土の過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数が149・1人、死者数が過去24時間で590人が死亡したと発表した直後だ。首相を動揺させたのは死者数の数だ