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法律と中東に関するcastleのブックマーク (13)

  • 『イラク 石油に呪われた国(23)』

    3.キルクーク (3)トルコ、影のプレーヤー(前回 のつづき) トルコがイラク北部のクルディスターン地域政府の存在を将来的にどう判断するだろうか。クルド国内のクルド人の分離主義を煽るとして、結局は地域政府を潰しにかかるのだろうか。イラクの混乱に乗じてキルクークの油田地帯までをも視野に入れた軍事作戦というシナリオも、既に紹介した。また、そうまでしなくともトルコは、イラクとの国境を封鎖してクルディスターン自治政府を経済的に窒息させることもできる。トルコが送電を停止すれば、イラク北部の繁栄は、たちまちにして輝きを失うだろう。 だが、そうした政策のコストも安くない。イラクとの貿易で潤う建設業やトルコ東南部の人々への打撃は大きい。アメリカにとっても、イラク北部の安定と繁栄は重要である。イラクで一番安定している地域をトルコが混乱させれば、トルコ・アメリカ関係は難しくなろう。 >>次回 につづく

    『イラク 石油に呪われた国(23)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「トルコは、イラクとの国境を封鎖してクルディスターン自治政府を経済的に窒息させることもできる」「だが、イラクで一番安定している地域をトルコが混乱させれば、トルコ・アメリカ関係は難しくなろう」
  • 『イラク 石油に呪われた国(22)』

    3.キルクーク(前回 のつづき) (3)トルコ、影のプレーヤー このイラクのクルディスターン地域政府とトルコ政府の間の摩擦要因がPKK(クルディスターン労働者党)である。PKKは1980年代にトルコからの分離独立を求めて活動を始めたクルド人の組織である。このPKKがイラク北部に拠点を構え、トルコ領内へと出撃している。 トルコ政府はイラクのクルディスターン地域政府にPKKの活動の取り締まりを求めてきた。トルコ政府によれば、クルディスターン地域政府の怠慢により、クルディスターン地域政府によれば、その力不足により、PKKの活動が続いている。2007年末に、トルコ議会はPKKの掃討のためにイラク領内に侵攻する許可をトルコ軍に与えた。そしてトルコ軍のイラク領爆撃が始まった。また2008年に入ると、トルコ軍の陸上部隊がイラク領内に入った。短期間の作戦の後にトルコ軍は撤退したが、イラク領の公然たる侵犯で

    『イラク 石油に呪われた国(22)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「イラクのクルディスターン地域政府とトルコ政府の間の摩擦要因がPKK(クルディスターン労働者党:トルコからの分離独立を求めるクルド人組織)」「イランのクルド人の組織PJAKをブッシュ政権が密かに支援してきた」
  • 『イラク 石油に呪われた国(21)』

    3.キルクーク (2)中東の「台湾」(前回 のつづき) だが問題もある。それはイラクのクルド人が独立状態になれば、その影響がトルコのクルド人にも及ぶのではないかとの懸念である。トルコの人口の四分の一はクルド系の人々である。もちろんイラクのクルディスターン地域政府は独立という言葉を慎重に避けているし、トルコのクルドを煽動するほど愚かではない。しかし、心の底ではイラクのクルド人が独立を望んでいるのは紛れも無い事実である。2005年にイラクの新憲法の批准のために国民投票が行われた際には、クルド地域で同時に独立を求めるかどうかの非公式な投票が行なわれた。圧倒的な多数が独立を支持した。クルディスターン地域政府が独立を宣言しないのは、それを望んでいないからではなく、それがトルコなどの周辺国の介入を招く危険性が高いと認識しているからである。実質は独立国なのに周辺諸国は、それを承認しない。しかも、当事者も

    『イラク 石油に呪われた国(21)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「イラクのクルド人が独立状態になれば、その影響がトルコのクルド人(人口の4分の1)にも及ぶのではと懸念」「実質は独立国なのに周辺諸国はそれを承認しない。当事者も独立を宣言しない。こうした例に台湾がある」
  • 『イラク 石油に呪われた国(20)』

    3.キルクーク(前回 のつづき) (2)中東の「台湾」 トルコのイラク情勢に関する利害関係は複雑である。イラク北部地域が実質上の独立状態にあり、中部とは違って治安も安定しているため、経済ブームに沸いている。海外に亡命していたクルド人が資技術を持って帰国し始めた。空港が、道路が、ショッピング・モールが、建設されている。ブームよりバブルという表現が、よりふさわしいかも知れない。このバブルで一番潤っているのはトルコの建設業界である。そしてイラクのクルド地域への投資の8割はトルコからである。*7 またトルコの電力業界も恩恵を受けている。電力供給の復旧にイラクの他の地域が苦心している中、北部のクルディスターン地域政府はトルコから電力を輸入して、問題を解決したからである。クルディスターンの明るさは、まさにトルコから電力のおかげである。 さらにトルコの石油業界さえ、このブームから利益を上げている。と

    『イラク 石油に呪われた国(20)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「トルコのイラク情勢に関する利害関係は複雑。イラク北部地域が実質上の独立状態にあり、中部とは違って治安も安定しているため経済ブームに沸いている」「北部クルディスターン地域政府はトルコから電力を輸入」
  • 『イラク 石油に呪われた国(19)』

    3.キルクーク (1)イラクの「エルサレム」(前回 のつづき) この問題には影の当事者がいる。トルコである。トルコは、トルコ系のトルコマンを支援する姿勢を示してきたし、この土地に対する興味を示している。クルディスターン地域政府が、キルクークの石油資源を獲得し、経済的に強くなり過ぎるのは望ましくない。少なくとも一部では、そうした考えが持たれているようである。必要とならば、トルコ軍が介入してキルクークを制圧する。そうしたシナリオも長らく語られてきた。1980年代のイラン・イラク戦争の際に、もしイラクが敗れ国家が分裂するような状況が発生すれば、トルコ軍がキルクーク油田を占領するかも知れない。そうした展開が語られた過去もあった。再度その亡霊が漂い始めた。イラク内部の争い、周辺諸国の意向が複雑に絡み合いもつれあっている。キルクークは、パレスチナのエルサレム問題のようにイラクにとって解決の難しい問題に

    『イラク 石油に呪われた国(19)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「この(キルクーク)問題には影の当事者がいる。トルコである。トルコは、トルコ系のトルコマンを支援する姿勢を示し、興味を示している」「トルコ軍が介入してキルクークを制圧するシナリオも長らく語られてきた」
  • 『イラク 石油に呪われた国(18)』

    3.キルクーク(前回 のつづき) (1)イラクの「エルサレム」 そうした問題の地域の中でも最も関心を集めているのが、キルクークである。バクダッドの北70kmにあるキルクークは人口70万の都市で、1965年に石油が発見された。しかもキルクークの油田は世界最大規模の埋蔵量を誇っている。歴史的にはクルド人が多数派の都市であったとクルド人の歴史は記憶している。逆にアラブ人の認識は、歴史的にキルクークはアラブ人が多数の都市であった。1970年代に、この都市の石油開発が格的に始まると、南部から多くのアラブ人が移住し始めた。またフセイン政権下ではクルド人の比率を下げるために、クルド人のキルクークからの追放が行なわれた。さらにアラブ人の比率を引き上げるために、南部のシーア派地域からアラブ人の移住が行なわれてきた。さらに、この都市にはトルコ系のトルコマン人も多数生活している。つまりクルド人、アラブ人、トル

    『イラク 石油に呪われた国(18)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「キルクークの油田は世界最大規模の埋蔵量を誇っている~クルド人、アラブ人、トルコマン人などの複雑な民族、宗派構成の都市」「石油資源と複雑な民族・宗派構成を掛け合わせると、答えは往々にして紛争である」
  • 『イラク 石油に呪われた国(17)』

    2.石油は誰の物か? (2)新憲法(前回 のつづき) 次の第112条の第1項が、連邦政府つまり中央政府が、地域政府などと協力して、現在生産中の油田の管理を行なうとしている。ここで、はっきりと地域政府に重要な役割が与えられている。また第1項は、収入の人口に応じた公平なる分配を定めている。同時に前政権下で損害を受け置き去りにされた地域に関しての特別の配慮も求めている。つまり北部のクルド地域と南部のシーア派地域の優遇を求めているわけだ。しかし何が、「公平なる分配」なのかについては具体的な指摘はない。この第112条の第2項は、石油政策の立案に当たっては、市場原理に基づき投資を奨励すると定めている。外国からの投資を前提とした文言である。 第115条は、連邦政府つまりバグダッドの中央政府と地方との関係を定めている。具体的には「連邦政府の排他的な権限と規定されていない全ての権限は」地方政府などに属すると

    『イラク 石油に呪われた国(17)』
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    castle 2010/07/09
    「(イラク憲法第112条第1項は)収入の人口に応じた公平なる分配を定めている。同時に前政権下で損害を受け置き去りにされた地域に関しての特別の配慮も求めている。つまり北部クルド地域と南部シーア派地域の優遇」
  • 『イラク 石油に呪われた国(16)』

    2.石油は誰の物か?(前回 のつづき) (2)新憲法 しかし、この石油法案の中の批判を受けた条項、つまり外国資の参入さらにはクルディスターン地域政府に与えられた強い権限は、突然に出てきたものだろうか。こうした条項の出てきた背景は何だろうか?この法案と同じ様に、占領下で成立したとして、さらにはクルディスターン地域政府の力が強過ぎるとして批判された法がある。それは新しいイラク憲法である。この憲法の検討が、石油法案の背景を照らすだろう。 この憲法は石油について、また地域政府の権能について、いかに言及しているのであろうか。各国の憲法が人権や民主主義について語るように、中東の憲法は当然のように石油に言及する。隣国のイランがそうであるように、イラクの憲法も石油について詳細に語っている。 第111条が、石油とガスはイラクの全ての地域の人々の所有物であると宣言している。全ての地域というのは、石油の出ない

    『イラク 石油に呪われた国(16)』
    castle
    castle 2010/07/09
    「各国の憲法が人権や民主主義について語るように、中東の憲法は当然のように石油に言及する」「中部のスンニー派の地域には石油資源がない。(イラク憲法は)この人々も石油収入の恩恵を受ける権利があると規定し」
  • 『イラク 石油に呪われた国(15)』

    2.石油は誰の物か? (1)石油法案(前回 のつづき) 「占領下」での重要な立法は不可とする抗議、あるいは起草の過程が不透明であるとの批判に関しては、議論をしても生産的ではないだろう。イラクに十数万のアメリカ兵が存在するという現実を「占領」と受け止めるかどうかに関しては、政治的な立場によって見方が異なるからである。また起草の過程に関しても、それを不透明とするか、あるいは議会が選んだ政府の行為であるので正統かつ透明なものと見るかも、政治的な立場の問題であって、客観的な議論にはなじまないからである。 だが三番目と四番目の批判、つまり石油資源を外国に売り渡すものだとの批判、さらにはクルディスターン地域政府の権限が強過ぎるとの抗議に関しては、どうだろうか。こうした点について法案は、何と言っているのか。具体的な条文に当たって見よう。法案の第9条が石油契約について言及している。契約の一方の主体に関して

    『イラク 石油に呪われた国(15)』
    castle
    castle 2010/06/30
    「法案第9条(石油契約):契約の一方の主体は中央政府の石油省または地域政府と規定。また他方の主体はイラク及び外国の個人または法人と規定。クルディスターンに大きな権限を与え、外国資本参入を想定した文言」
  • 『イラク 石油に呪われた国(14)』

    2.石油は誰の物か?(前回 のつづき) (1)石油法案 しかし、いずれにしろ現段階で治安が改善されると、石油生産も軌道に乗り始めた。*2こうした状況でイラクは、その石油政策をどうしようとしているのか。その石油政策の基は何であろうか。実はイラクは、その基を決めるべき石油法の立法に取り組んできた。 2007年2月イラク政府は42条と四つの付帯条項からなるイラク石油・ガス法案を議会の審議に付した。*3ここでは、略してイラク石油法案として言及しよう。しかし現在に至るまで、この法案は採択されていない。たなざらし状態に置かれたままである。なぜであろうか。それは、この法案に対する批判が強いからである。批判の論拠は四つである。まず、石油法案のように重要な法は、「占領下」で採択されるべきでないとの、そもそも論である。現在のイラクをアメリカの占領下にあるとみなす人々は、イラクの内外に少なくない。こうした人

    『イラク 石油に呪われた国(14)』
    castle
    castle 2010/06/30
    「石油法案批判。1.「占領下」で採択されるべきでない。2.いかなる過程を経て起草されたのか明らかではない。3.外国資本の参入を法案が想定している。4.クルディスターン地域政府に大きな権限を与えようとしている」
  • 新テロ対策特別措置法関連の雑感: 極東ブログ

    ブログを一週間空けてしまったことは初めてなので、自分でも不思議な気がする。別のオンライン日記はつけているので、ネットからそれほど離れているわけでもない。が、今朝、作家の月裕が亡くなり、その最後のブログを見ながら、ブログってこうして終わるものかなと、自分のブログを死後の自分が見るように少し見つめた。 ブログに書くべきか気になっていたテーマは、当然といっていいのかもしれないが、新テロ対策特別措置法についてだ。私は今回の衆院通過に矛盾した思いをもった。うまく整理がつかないのだが、そのまま書いておくのもブログならではのことかもしれない。 どこから書いていいのかわからのだが、これが一年期限の、事実上の暫定的な法案だったことに、私はそれなりに政府と与党に信頼ができた。小泉が残した圧倒的な衆院の勢力でなんでもごりごり押していくというものでもないのだ、と。 それとこれもネットで書くと反感を持たれるだけに

    castle
    castle 2008/01/18
    「新テロ対策特別措置法はアフガニスタンでの戦争というローカルよりも、こうした大枠でのテロとの戦いにおける日本の位置を示している」「米国流民主主義の原則だけを自由、平等、博愛も知らず植えつけられ/米欄」
  • キルクークを併合してクルディスタンが独立するまであと二歩くらい: 極東ブログ

    不安を煽るようなエントリもどうかと思うが、これは刻々とやばい道に進み出していると思えるので今の時点で簡単にエントリを起こしておこう。イラク問題だが、朝日新聞のように大義だけを他人事のように暢気に論じて済ませるわけにはいかない難問、つまり、クルド問題だ。 例によって日では報道されているのかよくわからないし、事態はそれほど問題でもないという判断なのか、このニュースをブロックする要素でもあるのか。話は、イラク北部キルクーク域内のアラブ人が補償金を得て帰還するということ。なぜそれがやばいのかは順を追って説明するが、まず事実から。27日付AFP”Thousands of Iraqi Arabs paid to leave Kirkuk”(参照)より。 Thousands of Iraqi Arabs have accepted financial compensation to leave the

    castle
    castle 2007/10/04
    「住民投票が「正常化」に動き出したので、いよいよクルドの独立が、着実に進み始めた」「トルコ軍は、このタイミングになると、本格的な軍事作戦を展開し、キルクークの制圧を含めた作戦行動にでる可能性が」
  • なぜフランスはスカーフを禁止するのか: 極東ブログ

    昨年、フランスのライシテ(非宗教性)について書き忘れていた。フランスでは日同様信教は自由であるが、同時に憲法で「非宗教性」が明記されている。端的に言えば、フランス国家はまったく諸宗教から独立していなくてはならない、ということであり、そのことから公共病院や公教育において、宗教性が厳格に排除される。そこで、昨今の問題となっているのが、イスラム教徒の女子学生のヘッドスカーフだ。単純な話では、学校ではスカーフをしてはいけないということで、それに反対する生徒が退学処分にされたりした。この問題はイスラム教徒から猛反発を受け、社会問題になったのだが、年末シラク大統領は法制化を決断した。 ニュースは、仏国家功労章を受章した山口昌子を抱える産経のニュース「公立校のスカーフを禁止 宗教色排除で仏大統領」が、国家寄りではあるものの、適切だろう(参照)。 フランスのシラク大統領は17日、大統領府で国民向けに演説

    castle
    castle 2007/07/13
    「イスラムにおいて信仰とは法の遵守であり、スカーフの着用は法。この法は、本質的に国家を凌駕する」「非宗教性とは、論議を拒否する既成の言説によって精神を支配するような「聖職者至上主義」からの開放の動き」
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