先日、某外資系金融機関のセミナーにおいて、外国人投資家に対して安倍政権を説明してくれというご依頼があった。そこで筆者はこんな風に解説してみた。 外国人投資家にも好評、「安倍首相2つの顔」理論 ◎ 安倍首相には2つの顔がある。Economic Mode(エコノミックモード)とSecurity Mode(セキュリティ=安全保障)モードである。政権が発足して半年間はEconomic Modeだったが、2013年7月の参議院選で勝ってからSecurity Modeに転じた。それから1年後、集団的自衛権の解釈変更を閣議決定したら、再びこの夏からEconomic Modeに戻っている。 ◎ Economic Modeの安倍氏は「改革者」(Reformer)である。従来の自民党の常識から行くと、驚くほど大胆な考え方をしている。日銀総裁に黒田東彦氏を指名したこと、東京五輪招致に全精力を投入したこと、TPP
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉をめぐる論議がようやく落ち着いてきた。今さらの感がなくもないが、貿易業界に身を置く1人として、通商交渉の歴史から見たTPPの位置づけについて若干の考察を試みてみたい。 ≪環太平洋へ至る経済圏の歴史≫ アジアにおける貿易自由化交渉は、これまで主にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を舞台に行われてきた。APECは1989年に日本、オーストラリアを中心とする呼びかけにより、経済閣僚会議として発足した。 それが、93年からは首脳会議が加わり、94年には域内の貿易自由化を目指すボゴール宣言を生み出した。ちょうど、世界銀行が「東アジアの奇跡」という報告書を出したころであり、アジアは世界の成長センターとして脚光を浴びていた。 ところが、90年代の後半になると、いろいろと事情が変わり始める。先進国は、域内の貿易自由化が進まないことに苛立(いらだ)ち始め、途上国は、
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