就職についての希望を聞くと、「ボランティア団体」と答える学生がいる。自分の勤務先の大学に限らない。特に入学してからあまり時間がたっていない学生に多いような気がするのは、就職がまだ身近な問題ではない、よってまじめに就職先について調べたり考えたりしていない、ということの反映ではないかと思っている。別にボランティア団体で働きたいという希望がだめだとかいっているのではない。人の役に立ちたいという真摯な願いは尊いと思う。ただ、どうもこうした学生の少なからぬ一部が、「非営利団体で働くことは営利企業で働くことよりも価値がある」と考えているように思われて、懸念している。実際のところ、この種の考え方、あえて「バイアス」と呼んでおくが、このバイアスはけっこう世間にかなり広く見られるものでもあろう。その意味では、世間に対してものをいいたい気分でもあるわけだ。 というわけで、手短に。 最初に脱線しておくと、このバ