中央教育審議会(中教審)の特別部会臨時委員でもある伊藤公平・慶応義塾長が国立大の学費値上げを提案したことは、賛否両論を呼ぶ話題となった。果たしてその真意はどこにあったのか。伊藤氏に直接尋ねた。【聞き手・伊藤智永、井川加菜美】 関連記事あります。 公立大無償化で「地方が空洞化する」 国立大値上げ提言の慶応義塾長 学生1人あたり300万円以上は必要 Q 国立大の学費を150万円に引き上げるという提案が議論を呼びましたが、背景にある考えを聞かせてください。 A 中教審特別部会は、2040年以降の(大学などの)高等教育の在り方を議論するものだ。科学技術がさらに進み、AI(人工知能)がさらに大きな判断をするようになる中で、人間がその上を行き続ける学びを提供しなければ、高等教育機関として失格だと思う。ただツールを使うだけの人であれば、高等教育機関の存在意義はなくなる。 18歳人口の自然減に伴い、大学の