遙から 仕事のモチベーションをどうやって上げるかを考えさせられる貴重なシンポジウムがあった。 テーマは“介護”。離職率が高いといわれる介護士たちの集まる会場で、それぞれのパネラーたちが討論しあうというものだ。斬新な介護を提唱実践しているカリスマ介護士(私が勝手につけた)と、素人介護経験を著した私と、同じく家族介護経験者の女性司会者だった。 以前、私はそのカリスマ介護士と仕事をしたことがある。私が「ウンチのオムツ替えがつらかった」というと、「自分のウンチを他人に見られるほうがよほどつらい」と諭され、実に本当だ、なんと自分勝手な目線しか持たなかったのかと、心底納得したことがある。しかしそれ以降、そうでなくとも自責の念が拭えなかった介護体験にもうひとつ自責の要素が加わった。「つらい」という声を一刀両断に切られてみると、そんな感情を発した自分をも恥じるような自己嫌悪の感覚が生まれた。 正しい人は、