哲学史に関する「新発見」や「最新の研究」、「常識と異なる実情」などを紹介しているのだ!読んだ人が哲学書や解説書、論文などを読んで哲学に触れることが目的なのでぜひ気になった参考文献を読んで欲しいのだ! もしアライさんの言ってることに間違いがあったり、疑問に思うところがあったらコメントや質問箱、リプで教えてほしいのだ!(引用は気づかないことがあるのだ) ※基本的には、日本語の文献を紹介していくスタイルなので、アライさんの思想を発表しているわけではないのだ。 続きを読む
ツイッターの某右派アカウントの正体が「法人」であり、なおかつその「法人」が自民党の一部議員とも関係があったことが明らかになっている昨今、皆様お過ごしでしょうか。というわけでこんな俺の怒りが有頂天になったツイートを見つけた。 実はこの問題も要は「#エンゲージメント」#LTV の問題。ナショナリズムを #LTV の高いマーケティングの問題として捉えて工学的に対処すべき知恵が左には必要。正しい意味での「ネット右翼」はとっくに気づいている。 https://t.co/buJLvLHONN — Satoshi Hamano (@hamano_satoshi) 2021年10月10日 とりあえず「エンゲージメント」をツイッターでタグ検索してみると見事ほとんどがこの書き手によるものだという呆れたものだが、それはさておき、いま問題になっているのは、政権党がメディアを使って野党議員を貶めることや、あるいは広
『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの解説 by 西垣 通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、 その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。本書『そろそろ、人工知能の真実を話そう』(原題は Le mythe de la Singularité、 2017)は、シンギュラリティが実際に到来するかどうかを冷静に見極めるだけでなく、 その背後にある文化的・宗教的なダイナミックスを、「仮像(pseudomorphose)」という概念にもとづいて容赦なくえぐり出してみせる。きびしい警告の書物である。 だが、著者は決してAI技術自体を否定しているのではない。むしろ、本来のAI技術が、 シンギュラリティという怪しげな神
紹介(評者・田楽心 Den Gakushin) 原題 著者について はじめに オバマの希望からハランベの死まで 第一章 リーダー不在のデジタル反革命 第二章 逸脱のオンライン・ポリティクス 第三章 オルタナ右翼のグラムシ主義者たち 第四章 ブキャナンからヤノプルスまでの保守文化戦争 第五章 「Tumblr」からキャンパス・ウォーズへ:美徳のオンライン経済における希少性の作り方 第六章 「男性圏」を覗いてみると 第七章 よくいる女、リア充、マスゴミ 結論 「ネタだよ」と言われてももう笑えない 評価(評者・田楽心) お知らせ ★その1 サイト運営者の一人、青野浩の翻訳書が出ます。 ★その2 友人が最近本を出したので、よろしくお願いします。 紹介(評者・田楽心 Den Gakushin) 2016年のトランプ当選を受けて、アメリカ人の多くが、2008年のオバマ当選時との「不可解なギャップ」に首を
7つの習慣―成功には原則があった! (CD付) 作者: スティーブン R.コヴィー,ジェームス J.スキナー,川西茂出版社/メーカー: キングベアー発売日: 2009/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 91回この商品を含むブログ (13件) を見る 帯によると「国内130万部突破」だそうだが、創●学会の「常勝のナントカ」っぽいなあ、と思うくらいで、なんの関心もなかった。 ところが、相方から「スティーブン・R・コヴィーってモルモン教なんだよ」と聞いて俄然、興味がわいてくる。 本書を読んで「世界が変わった!」「生まれ変わったような気がする!」という人がいるらしい。 だがnikkouにとってはあまり物珍しいことなどなく、たいがい今まで読んだ日本語のビジネス書に書かれていたことだなあ、という印象。それは逆に、日本のビジネス書がどれだけ本書の影響を受けているか、ということの証明で
1.これまでのあらすじ 2.健全な議論による社会の変革に期待すべきか 3.これからの論点について 1.これまでのあらすじ ネットでは基本的に、議論は議論ゲームへと変更されるように力が働く。それは、社会的弱者や、マイノリティの主張を相対化し弱める力である。 つまり、議論ゲームでは弱者やマイノリティの意見は取るに足らないものとして力を削がれてしまうというのがこれまでの主旨であった(前回までの記事↓) tatsumi-kyotaro.hatenablog.com tatsumi-kyotaro.hatenablog.com tatsumi-kyotaro.hatenablog.com tatsumi-kyotaro.hatenablog.com この様な議論ゲームの力の働き、力場を利用し、自分達に優位になるように議論ゲームを展開することにある種の卑劣さを感じる人も多いことだろう。事実、ネットの議
近年、コンスタントに著書を発表し続ける気鋭の若手評論家・古谷経衡氏。そんな彼が5月30日に刊行したのが、『女政治家の通信簿』(小学館新書)と『愛国奴』(駒草出版)の2冊の新著だ。なかでも『愛国奴』は、小説の形で「保守ムラ」の言論人やそのフォロワーである「ネット右翼」たちの世界の裏側を暴露したことで特定の界隈を震撼させている。 本サイトの人気寄稿者で、『八九六四』などの著作がある中国ルポライターの安田峰俊氏と、古谷氏はともに1982年生まれ。在学中の面識はないものの同じ立命館大学文学部史学科卒だ(入学年は安田氏が1年早い)。安田氏もまた、ブログを契機に書籍デビューをしており「古谷氏とやや近いバックグラウンドを持っている」という。 今回は『愛国奴』を題材に、ゼロ年代以来の日本のネット世論の闇とネット保守業界の真実について、2人に存分に語り合ってもらうことにした。 (※この対談は7月26日に開催
俺定義でおこたえします - 地下生活者の手遊びのコメ欄でやりとりしていて、思ったことを簡単に。 事実と価値(当為)を分離せよ、「である」と「べき」は違う、ザインとゾルレンを区別せよ、 などといわれますにゃ。実に広く有用な区別ですにゃ。特に、倫理・道徳や法(規範)を考えるとき、疑似科学のことを考えるとき、などには必須の考え方ですにゃ。 まあ、このあたりについてはみにゃさまもおわかりのことと思われますにゃ。 ところで、【自然】というのは、事実なのだろうか? それとも価値? 事実と価値の分離に意識的な論者は、あまり「〜は自然だ」という言い方はしにゃーと思う。「〜は一般的な傾向としてある」などという言い方をするのではにゃーかな。 日本語で、「〜は自然だよ」というとき、「ものごとが本来あるとおり(大辞泉)」という意味で使いますにゃ。英語においても、It is natural that 〜 と書くとき
ネオリベラリズムの精神分析―なぜ伝統や文化が求められるのか (光文社新書) 作者: 樫村愛子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/08メディア: 新書購入: 7人 クリック: 172回この商品を含むブログ (80件) を見る この本(特に前半)では、一般にたいていは批判的な意味をこめて「ネオリベラリズム」という言葉で語られる現在の社会のあり方が、「再帰性」と「恒常性」という二つの概念をキーワードにして論じられている。 「再帰性」というのは、本書中では 自分自身を意識的に対象化し、メタレベルから反省的視点に立って自己を再構築していくこと。自律性をもって新しさを自ら生み出していくこと(p14) と定義されている。 一読して分かるように、「より高い再帰性を目指す」ということは、別にそれ自体が悪いことというわけではない。 では、無条件にいいことか、と聞かれると微妙だが、われわれは概ね「再帰
しかし、レフトフォビアの日本の中道リベラルってほんと欧米のオルタナ右翼と似ているんだよね。例えば政治的な行き詰まりを全て左翼のせいにすることで、己の言論を際立たせるやり方って、欧米のオルタナ右翼や反イスラム主義者の手法そのものである。 だけどオルタナ右翼自体がギークやゲイ、黒人などの人種マイノリティーを取り込むことで、既存の保守やネオナチと一線を画す戦略を取ったことを考えれば、リベラル内部のリベラルカウンターでしかない日本のサブカル評論やポストモダンが似てしまうのも無理ないのかもしれない。 でも左派的なイデオロギーから自由になった代わりに、今度はネット内外に蔓延している左派嫌悪の知的風土病と、プチネトウヨ的なポピュリズムに迎合しなければならなくなったんじゃないんかね。 左翼的なものを叩けば簡単に知的承認欲求を満たせる文系ツイッター論壇なんて、dadaや借金玉のエピゴーネンみたいなのが掃いて
最近、拙論「井上達夫氏の新著と憲法論」2,015 7・7に対して批判をいただいた。 http://eumajapan.blog.fc2.com/blog-entry-150.html ありがたいことである。これに似た立場の方がほかにも多数いると思うので、いくつかの論点について応答してみよう。 もとより、政治的判断については非常に複雑な多数の要素を考慮したり、前提にせざるを得ないため、数学のような確実性は期し難く、また私自身も経験による免れがたいバイアスもあるだろうため、容易に相手を説得できるとも思わないが、自他ともに対して、ある程度の議論の整理や明晰化には資するかもしれないので、以下ざっくばらんに、またラプソディックに論じてみることにする。 批判者は「国民の生命財産を守る国防をどう構築すべきかが最優先の問題であって、…人権や自由や平和主義を守って国土を侵略され国民が死ねば元も子もない」と論
丸山眞男批判 廣松渉、ちょっといい話 回想はこんな感じ。 丸山眞男を批判しつつも、「現代日本はデモクラシーが至上命令として教典化される危険が多分に存する。それはやがて恐るべき反動を準備するだろう。」といった主張は評価していると著者。 私の1960年代 作者:山本 義隆発売日: 2015/09/25メディア: 単行本(ソフトカバー) 丸山眞男批判 私は69年1月に逮捕状が出た後、もぐっているときに丸山批判のようなものを書きました。(略) 68年の東大闘争の期間中、丸山眞男が東大当局にたいして何か言うかと思って注目していたのですが、彼は何も言いませんでした。おなじように見ていた人は、少なくなかったと思います。教養学部の助教授・折原浩が8月に公表した「東京大学の死と再生を求めて」には書かれています。 かつて「無責任の体系」を鋭利に分析され、「不作為の行為」について語られた、わたしの最も尊敬する教
こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ @sangituyama 1⃣左翼は、ナショナリズムと帝国主義は同じで、一切忌避すべきものと思われがちだが、実際はんなことないのだ。すごく皮肉なのは、ポストコロニアル的なナショナリズム観を提示したとされる<想像の共同体>の著書ペネディクト.アンダーソン自身が、ナショナリズムについてはこんなスタンスなのだ。 2013-09-07 14:46:25 こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ @sangituyama ②以下、アンダーソンの最近のインタビューが流れてきたので抜粋 「質問者: ――石原前知事の言うようなことは、本来のナショナリズムではないということでしょうか。 「ええ、違います。自分の国がどうもうまくいっていないように感じる。でも、それを自分たちのせいだとは思いたくない。 2013-09-07 14:51:55
米国の歴史学者アーネスト・メイ(1928-2009)は、1973年の著書「LESSONS OF THE PAST : The Use and Misuse of History in American Foreign Policy(「歴史の教訓 アメリカ外交はどう作られたか」(中央公論社1977年刊、2004年岩波現代文庫より再刊))」で、アメリカの外交において、政策決定者たちはその決断の際に過去の歴史から類推して参考にし、多くの場合その類推は誤用であったということを解き明かしている。それは以下の二つの特徴として現れるという。 1) 外交政策の形成者は、歴史が教えたり予告したりしていると自ら信じているものの影響をよく受ける。(序文iiiより) 2) 政策形成者は、歴史の中に類推を求める時、自らがまず思いついたことに囚われてしまいがちである。彼らは、歴史の類推例を広範囲にわたって探し出そう
このところneoreactionismに興味を持っている。ネオリベラリズムは新自由主義、ネオコンサバティズムは新保守主義と訳されるので、ネオリアクショニズムは新反動主義とでも訳すべきか。略してNRxと書かれることもある。 最近、新反動主義を含むこの種のネトウヨ的思想がアメリカで流行り始めているようで、まとめてAlt-right(オルタナロックならぬオルタナ右翼とでも称すべきか)と称するのだが、この関係の人脈が米共和党の大統領候補になったドナルド・トランプの陣営にまで潜り込んでいる。そのせいもあり、トランプやヒラリー・クリントンの演説でもAlt-rightが大まじめに語られるようになった。少し前まではごく少数の変人だけが興味を持つフリンジ(異端)に過ぎなかったのが、メインストリームのメディアにも取り上げられるようになったわけで、これは大出世と言えよう。率直に言えば、ポリティカル・コレクトネス
ホワイトハウスがWe the Peopleというオンライン請願サイトを運営していることは、日本でもよく知られている。2014年3月、ここに奇妙な請願が投稿された。すでにWe the Peopleのサイトでは見られないが、9TO5Googleに請願文が載っているので訳すと、 我々はオバマ政権に以下を請願します: 全ての米連邦施政権を技術産業へ移すこと。 オバマ大統領殿、 閣下に最大の尊敬の念を抱く者です。アメリカは偉大な国であり、あなたはその現状に秩序をもたらそうと身を粉にして働いてきました。しかし私は、あなたが勝てない戦いを戦っているように思い、憂えております。ワシントンの体制は何年もかけて無能となり、もはや今後直面する困難な問題に対処することができません。私は、今こそ平和的な変化の時だと考えます。 私は、以下に関して国民投票を行うことを求めます。 全ての政府職員を(年金を満額付与した上で
alt-right(オルタナ右翼)について日本語で読めるまとまった紹介がまだ無いようなので、私なりに書いてみることにした。政治学は専門ではないし、そもそも私の関心はalt-right全般ではなく前に取り上げた新反動主義だけなのだが、一応様々な文献を読んだり(ここしばらくアメリカのメディアは狂ったようにalt-right関係の記事を量産している)、alt-rightな人々が集う掲示板やチャット、Twitterのハッシュタグを覗いたりはしてみた。といっても、しょせんはその程度なのであくまで個人的な解釈と考えてもらいたい。 まず、「alt-」rightというくらいなので、rightすなわちアメリカにおける現行の右翼・保守思想に対するオルタナティヴ(別の選択肢)がalt-rightということになる。一言で言えば、スタンダードなrightでは手ぬるい、と考える人々がalt-rightなわけだ。ちなみ
ヒラリー・クリントンも演説で「Alt-right(オルタナ右翼)」を語る Aaron P. Bernstein-REUTERS <「新反動主義」を含む「ネトウヨ的思想」がアメリカで流行り始めている。シリコンバレーの起業家、ベンチャーキャピタリストにも信奉者がいるようだ。その背景と思想とは...> ネトウヨ的思想がアメリカで流行り始めている このところ「neoreactionism」に興味を持っている。ネオリベラリズムは新自由主義、ネオコンサバティズムは新保守主義と訳されるので、ネオリアクショニズムは新反動主義とでも訳すべきか。略してNRxと書かれることもある。 最近、新反動主義を含むこの種のネトウヨ的思想がアメリカで流行り始めているようで、まとめてAlt-right(オルタナロックならぬオルタナ右翼とでも称すべきか)と称するのだが、この関係の人脈が米共和党の大統領候補になったドナルド・ト
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