監獄の誕生―監視と処罰 作者: ミシェル・フーコー,Michel Foucault,田村俶出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1977/09メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 119回この商品を含むブログ (214件) を見る ミシェル・フーコーは『監獄の誕生』の中で、中世の身体刑(罪人の身体に苦痛を与える刑罰)が自由刑(罪人を監獄に閉じ込めて自由を奪う刑罰)へと変わってゆく過程を独自に考察した。彼によると、監獄での懲役刑が刑罰の主流になったのは、ヒューマニズムという考え方が生じて拷問・火炙り・八つ裂きといった残虐な刑罰が批判されるようになったからではない。現代社会にとって役に立つ人間を生み出すシステムとして懲役刑が適していたから、というただそれだけの理由なのだと言う。例えば、産業の面で言えば、中世の親方・弟子の関係に代表される職人気質が消え、大工場での大量生産の時代が訪れた。また