平野洋『伝説となった国・東ドイツ』現代書館 (2002/08) ■東ドイツの女性たち■ 社会主義時代の東では、月一回ハウスハルトタークとよばれた家事のための有給休暇日があり、働く女性たち--当時は専業主婦というものが存在しなかったーーにとってこの日は歓迎された(男女平等が建前であったが、家事の大部分は女性が負担した)。女性たちの職場進出への前提条件である乳児院・幼稚園も完備していた。 (54頁) 社会主義国は、職業の男女平等を、制度的に整えていたことで知られています。東ドイツもまた、その例に漏れません。家事のための有給休暇日があり、幼稚園なども完備していました。(社会主義国に「専業主婦」が存在しないのは、男女関係なく人民はみな「労働者」たるべき、という義務を負わせる思想があるからでしょう。純粋に、労働力不足というものあったかもしれませんが。) ただし、一方で著者は、「男女平等が建前であった