東浩紀が「動物化するポストモダン」という本を出して、それなりにもてはやされたのが12年前です。 現代では「欲望」の形態が動物のような「欲求」に成り下がっているんじゃないか、ということで、ポストモダン社会における人間の消費形態の分析でわりと注目を集めたけど、そういう言葉を用いることに何か意味があったのかはよくわかりません。 件の著書ではそういう現状だからそういう観点からオタク文化を論じましょう、という話でした。 そういう見方もあるんだろうな、とは思うんだけど、2003年には笠井潔との往復書簡を書籍にした『動物化する世界の中で』という本でさらにその「動物化」という概念を社会にも敷衍した議論を展開していました。 その後、私は東浩紀に対する興味を失い、ツイッターで頻繁に炎上騒ぎを起こしている「ロック」な知識人というイメージしか持っていないので、「動物化」がそれからどうなったのかはよく知りません。