品のいい婆さんだったようである。ところが、その実体は連続殺人犯。彼女がそうなったのは、不幸な生い立ちゆえである。ウィリアム・ヴィカリー医師は法廷でこのように述べている。 「彼女が大金を必要としたのは、人から愛されたかったからなのです」 飲んだくれの両親にネグレクトされて育ったドロシアは、関心を惹くために嘘をつくことを憶えた。ところが、それでも構ってくれず、嘘は次第に突飛なものになっていった。担任教師が「カウンセリングを受けさせるべきだ」と保護者に忠告したほどだ。成人後も虚言癖は変わらなかった。 「イラン国王に求婚されたこともございますのよ。でも、彼の目的は私の財産でしたの。だから丁重にお断りしましたわ」 これは7つの遺体が埋められていた屋敷の大家であるリカルド・オードリカが聞いた話だが、お前、よくこんなの信じたな? 上沼恵美子ばりの大風呂敷じゃないか。 「もう大昔のことですけど、大戦中に欧
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