だいぶ時間がかかってしまったけれどナショナリズム論的に興味深い本を読んだ。ロジャース・ブルーベイカーの『集団なきエスニシティ(Ethnicity without Groups)』。ハーヴァード大学出版会から2004年に出版された。モノグラフというよりも論文集という趣が強く,個々の章は独立で読めるものになってはいるが(その多くが他の研究者との共著論文である),全体を通しての大きなテーマのようなものも見えてくる。それは従来学術的に当たり前に用いられてきた概念の再検討ということになろう。Ethnicity without Groups作者: Rogers Brubaker出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 2006/09/01メディア: ペーパーバッククリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る 本書は次のような章立てからなる。序章(1-6頁)