今回は当コラム「文学のはざま」にふさわしい内容とはいえないかもしれませんが、日本語を書きあらわす文字である漢字とかなについてすこし考えさせてもらいたいとおもいます。というのも、わたしが参加しているある読書サークルで、「漢字問題」についての報告をする機会をえたのですが、この一ヶ月ほどそのことばかり調べていたせいか、どうもそれ以外のことが頭にうかばなくなっているようなのです。どんな本をひらいても、書いている内容ではなく、「この人はこんなところまで漢字をつかっているなぁ」などと文字づらばかりおいかけてしまうぐらいなのです。これでは意味ぶかい「文学」のことなど到底考えられないのもわかっていただけるでしょう。 ただ、そうはいってもこれはこれで面白いのではないかとおもっています。というのも、いままで「文字」の問題なんてさほど真面目に考えてこなかったせいか、わたしにとっては知らぬことばかりで、その「勉強