書かれたのは1981年。レーガンがアメリカ大統領になり、新たな冷戦の開始を意図した。共産圏の周辺国家に核兵器を配備しようとして、反核運動をおこす原因になった。日本には核兵器を配備することはできなかったが、大幅な防衛費の負担増加を求めた。そのためか、一部の評論家や政治家、産業界の要人などが徴兵制の復活を求めるコメントを発表した。1989年の共産圏の崩壊によって、その種の議論はしばらく消えている。「外敵」なるものが恣意的に選択されていることがよくわかる(以上2009年記述)。 さて、著者の主張を敷衍していうのであれば、戦前の軍隊や徴兵制というのは 1.政治においては、社会の不公正を助長する。金持ち、官僚、高等教育を受けたもの、特殊な技術(医師、研究者など、かなり恣意的な選択になりそうだ)を持つものなどが免れ、貧乏な人などマイノリティや権利を侵害されているものが兵隊になってしまう。 また軍隊の給