アジアと太平洋地域の国際協力を推進するという組織、太平洋経済協力会議 (PECC)が、日本が環太平洋経済連携協定(TPP)に入れば、国内総生産 (GDP)を約9兆3千億円押し上げるという試算をまとめたという。 この試算は関税の撤廃だけでなく、サービスや投資の自由化も想定しているた め、日本政府の3兆円という試算の3倍近い経済効果になっている。TPP加入 で貿易が活発化し、GDPが増えれば国民の所得も増え国が豊かになる。こう 言ってTPP加入を急がせるためのレポートであろう。 GDPは国内で1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の総和で、 つまり、人間にとって良い取引でも悪いものでも、金銭取引が行われればGDP の数字は増えていく。交通事故、伝染病や生活習慣病などの病気、放火、そして 殺人事件など人々が歓迎しない事象によって発生するさまざまな金銭取引、これ らがすべてGDPに貢献す