今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [8月13/20日号掲載] 先日の参議院選挙は私にはショックだった。結果がではなく投票率がひどく低かったことが、だ。日本の将来にとって重要な問題が争点になっていたというのに。何よりがっかりしたのは若者の政治に対する無関心さだ。私の子供たちに投票権はまだないが、投票日の朝はいつもクリスマスの朝の次に興奮気味だ。本物の魔法を目の当たりにできるからだ。 子供たちと日本人の妻と共に来日したばかりの頃、興味深い話を聞いた。投票日に投票所に一番乗りした有権者が投票箱の中を点検して空っぽだと確認し、投票所のスタッフが箱に封をしてから投票が始まるという。 子供たちは早起きして市役所に行って空っぽの箱を見るんだと意気込んでいる。1日が終わる頃には、日本に住んでいる人みんなの生活がどう変わるか──教育制度、病院の数、空気のきれいさなど、自分たちに直接影響するもろも