「日本の親はなぜ子どもに甘いのか?」で、日本人とアメリカ人の「確信度」の違いについての研究を紹介しましたが、近年の社会学や経済学では、国民性や文化によるエートス(行動や考え方)の差をアンケート調査や実験によって明らかにする試みが盛んに行なわれています。 こうした研究と、従来の日本人論に見られる「個人的な体験からの感想」のいちばんの違いは、科学的な反証可能性が保証されていることです。たとえばある実験によって国民性についての仮説が提示されたとしても、別の実験によって第三者がその仮説を反証することができるのです。 こうした研究は、往々にして私たちの直感や常識と異なる結論を導くことがあります。その格好の例として、『残酷な世界~』から、日本人とアメリカ人の協調性についての実験を紹介した部分を転載します。 * * *
先輩と一緒にご飯を食べながら、恋愛の話をしたことがある。 「どんな人が好きなの?」と聞かれた。 「尊敬できる人。自分よりすごいと思うところある人じゃないと好きになれないです」と私は答えた。 「それなら俺とは逆だね。俺は自分より下だと思える人じゃないと好きになれない」 私は「そうなんですね」と相槌を打ちながらも、実はひそかに衝撃を受けていた。他の人も自分と同じように尊敬できる人を好きになると思い込んでいたのだ。 私とは違うな、とも思った。それでも、理解できないわけじゃない。先輩曰く、自分より下だと思える人と一緒にいたいと思う理由には「安心感」があるらしい。 安心できる人と一緒にいたいと思う気持ちは理解できる。 でも、しっくりこない。なぜなら、そもそも「自分より下だと思える人」と「安心感」が結びつかないからだ。 自分より下だと思える人と一緒にいて安心できるというのは、私にとっては不思議なことだ
とっつきやすさが売りこども食堂が急増している。 報道によれば、全国で300か所以上が確認されている。しかも、うち285か所はこの2年間の開設だというから、ちょっとしたブームと言ってよいだろう。 こども食堂のメリットは、なんといってもその「とっつきやすさ」にある。 広がり続ける子どもの貧困に心を痛めている人は多い。 「親の責任だ」と非難していれば子どもたちの状況が改善する、というわけでもない。 少子化が進む中での貧困率増加は、日本の将来像にも影を落とす。 教育は大事だが、勉強を教えられる自信はない。 何かできないかと思うが、何をすればいいのかわからない。 ――そう思い悩む人たちに、こども食堂は格好のツールを提供した。「これならできるかも!」 ある地域でこども食堂の実践者らが挙げた「こども食堂のいいところ」(写真:筆者)ネーミングが9割同時に忘れてならないのが「こども食堂」というネーミング。
コミュニティ大好き! 僕は、インターネット上でのコミュニケーションサイトを作るのがとても好きなのですが、「アンサー」というiPhoneアプリを作ったこともあり、最近そのあたりについて、また詳しく考えています。 コミュニティサービスを作る時に、いつも読みなおす名著があります。「アーキテクチャの生態系」という本です。 2ちゃんねるやニコニコ動画、mixiなどについて、社会学的な切り口で批評している本で、本当に素晴らしいです。 さて、この中で特に最近注目しているのが、コミュニケーションの種別です。 一般的にコミュニケーションとは、送信者と受信者の間でなんらかの「内容(メッセージ)」がやりとりされるモデルで考えられています(コミュニケーション論では、郵便物が配送されるのにたとえて「小包(パケット)モデル」とも呼ばれます)。 しかし、九十年代後半以降に現れた若者のデジタル・コミュニケーションのスタイ
永続する組織の鍵は宗教にある? どっかのエントリでもかきましたが、GMOインターネットの熊谷社長は組織づくりの際に、宗教を参考にしているそうです。 GMOを創業した熊谷氏が、浮沈の激しいインターネット業界で、「永続する組織の条件」を語っているのが面白かった(「日経ビジネスオンライン」インタビューより)。 熊谷氏は、会社という組織よりもキリスト教や仏教などの宗教(団体)の方が、長く続いていることに気づき、これらの宗教を研究して、5つの共通項を見つけた。 1.同じものを読んだり歌ったりする(お経や賛美歌など)。 2.定期的に一つの場所に集まる(メッカなどの聖地)。 3.同じ形をとる(手を合わせる形など)。 4.同じものを身につける(キリスト教なら十字架、仏教だと数珠など)。 5.みんなが強く信じている「神話」がある(キリストの受難、釈迦の悟りなど)。 熊谷氏は、「この5つを組織に導入したら、組
企業や個人が抱えるプロジェクトや課題をサイト上に投稿し、ユーザーからその解決のためのアイデアを集めたり、投稿されたアイデアを評価したりできる「Blabo!(ブラボ)」。Blaboが提供するこのサービスは、2010年4月のローンチ以降、ロッテやアサヒビール、ガリバーインターナショナル、三井不動産など10社以上の企業が採用。Blabo!上でプロジェクトを公開し、製品やサービス、街作りなどに反映してきた。 そんなBlabo!が8月末にリニューアルを実施。企業向けにユーザーコミュニティ機能の提供を開始した。 これまですべてのユーザーの課題がサイト上に並んでいたBlabo!だが、新機能を利用して「ユーザーコミュニティ」ページを開設することで、これまでの単純な「Question&Ansower」ではなく、企業からの「問い」に対してユーザーからアイデアを募る「Question & Idea」を実現する。
※このエントリをきっかけにして、本を出しました。 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784098252077 http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20140921/1411290361 ごみ収集のサービス(の一部)を受けるには、自治会に加入しないといけないというこの話。 ゴミ収集は行政のサービスだろ? 元増田が引っ越した鹿児島のある自治体では、ごみをステーションに捨てようとしたら「お前は自治会に入ってないからこのステーションは使えない」と言われたというのだ。 元増田は、ごみ収集は自治体(市町村)の仕事なのだから、税金で支出されるべきで、自治会費負担をからませられてはかなわない、と主張する。これにたいして、はてブのコメントでは、 自治ってこういうことだろ、住んでる所によって行政サービスや経費が
ーー『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! 今回の番組:1月31日放送『カンブリア宮殿』(テレビ東京) 男は漁船に乗って現れ、漁港を歩く。小さめのスーツケースを転がし、キャメラが向けられると照れくさそうに笑った。彼はコミュニティデザイナー山崎亮。彼はもう「地方ではコミュニティが成立しなくなっている」と断言する。しかし、彼は実際に地方に活気を与え、町を活性化させている。 例えばある島ではおばちゃんたちを促し、名物となった名産品を産んだ。ある民家ではおばちゃんたちが売り物にならない穴の空いたのりを切り刻み、しょうゆに漬けてご飯に乗せる「のりっこ」を作っている。産業もなく、元気もない島に彼がアイデアを与えたのだ。飲み会では、おばちゃんが
2013/1/179:0 コミュニティデザインを考える 山崎亮 (聞き手:古屋将太+大野更紗) 山崎亮氏 「つながりをデザインする」 —— 地域住民が自分たちの手で自分たちのまちを築いていくために必要なものとは何か。まちづくりワークショップ、市民参加型のパークマネジメントなど、全国で50以上のコミュニティづくりにかかわる山崎亮さんへのインタビュー。(聞き手:古屋将太、大野更紗) ■コミュニティデザインとは何か 古屋 本日はわたしと大野さんで、山崎さんに「コミュニティデザイン」についてお伺いしたく思います。大野さんは到着が遅れているようなので、まずわたしから自己紹介をさせてください。わたしは大学ではドイツの環境政策などを学んでいました。卒業後、自然エネルギー、再生可能エネルギーについて、もっと深く勉強したいと思い、国内の大学院に入学すると同時に、環境エネルギー政策研究所(ISEP)でインター
学生の頃、アイドルの追っかけやってたときの話。 最初はさ、普通に適当に写真を集めたりCDを買ったりぐらいの感じだったのです。それがある時ネットでお友達と知り合ってちょくちょく遊びに行くようになってからが本格化。みんなで集まってワイワイ情報交換したり、全国ツアーについていってコンサートを見に行ったりと、大変どっぷり浸かっておりました。 結局そのときなんでそんな風になったかというと、「そのアイドルの好き度が高まった」という訳ではまったくなく、「お友達と仲良く遊ぶ為の手段としてそのアイドル周りの活動が手っ取り早い」だったのです。 例えばこんな感じ ・会話を楽しく盛り上げる為には、そのアイドルのグッズなり何なり集めてその話をするのが手っ取り早い ・全国ツアーについて行く事で、各地各地に点在している友達と会う事が出来る。半ば友達に会う為の手段として活用 このように、同好の人間が集まって目標を同じくす
オンライン上のコミュニティを活性化させるために「演劇」の力を活用すると聞けば、ちょっと意外だと感じるだろうか。だが、あながち突飛というわけでもない。 たとえば、インターネット上で率直に自分の意見を述べると、思わぬ反論が返ってきたり、不用意な発言をすれば“炎上”も招きかねない。しかしここに、あることを教える“先生役”と質問する“生徒役”といった役割を与えるとどうなるか。「自分が言ってるんじゃない、こういう役だからこう言ってるんだ」と役を盾にすることで、コミュニティ上のメンバーが一気に発言しやすくなるのだ。今回は劇作家・演出家の平田オリザ氏をお招きし、ソーシャルメディアと演劇におけるコミュニケーションの設計について考えていく。 劇作家はずっとコミュニケーションデザインを考えてきた 武田 「ソーシャルメディア」と「演劇」というと、あまり接点がないように思われるかもしれませんが、じつは私たちのソー
進学や就職で理系を選んだ女性を「理系女子」と呼ぶ。かつてはきまじめでとっつきにくいようなイメージがあった理系女子も、活躍の場が社会に広がるにつれ、後輩や男性から「かっこいい」とみられ始めている。厳しい就職環境の長期化や人生設計に対する漠然とした不安が「理系」の再評価につながっている。その波は当然のごとく、女性にも及ぶ。理系に進んだ先輩たちが、後輩の進学を支援する動きも広がっている。「かっこいい」「魅力的」
■「studygift(スタディギフト)」の炎上問題について 当初の予想をはるかに超えて、議論がものすごく白熱してきた、クラウドファンディングの「studygift(スタディギフト)」の炎上問題に、一言口を挟んでおこうと書き始めたが、ものすごく迂遠な雑文になってしまった。だが、こういう観点もありうる、という一考にはなっているのではないかと思う。よろしければ少し我慢しておつきあいいただければ幸いである。 ■日本の市場を席巻していた政官財のトライアングル 最近でこそ、特に、IT業界の内側にいると、法律的な判断が難しい案件を安易に行政府や官僚、司法、政治家等に丸投げすると、時代錯誤の珍妙な判断が下って苦労することが少なくない事は自分自身でも骨身にしみるようになってきたが、旧来の業界(特に監督官庁の管理の強い業界:金融、エネルギー産業等)にいたころは、今とはずいぶん違った環境/心境であったことを時
追記3 記事タイトル消しました。タイトルが付けられないくらいぐちゃぐちゃの記事なのでこれから読む人は気をつけてください。 追記2 記事のタイトルがまたミスリーディングになっているようです。こういうタイトルにしたらいいんじゃない?って案があればはてブ等でご指摘ください。 「これは主婦だけの問題じゃない」という毒にも薬にもならないコメントより100倍ありがたいです。 追記1 タイトル変えました。自分で読んでも分かりにくい文章だと思うので、言いたかった部分を太字にしました。もうそこだけ読んでくれればいいです。 まだネットでは目立たないが、wakabafukadaクラスの人は井戸端会議をうろついていれば山のようにいる。 私は中学生くらいまでイヤイヤ母親に引き回され、置物のようにして主婦の会話を横で聞かされていた。 狭いクラスタで、知識といえばテレビから与えられた物くらいしかない主婦が集まってする会
医薬品をネットから通販することができることはあまり知られてはいません。日本では一般の方でも個人的な使用目的に限り医薬品の通販を行うことが認められています。その取引のことを個人輸入と呼び、ベストケンコーでは個人輸入の注文を受け付けています。 ベストケンコーで取り扱われている医薬品は海外で製造されています。もちろん日本で流通している医薬品と成分は同じなので安心してご利用いただくことができます。同封されている取扱説明書が海外の言葉で記載されているので、服用方法がわからない医薬品は注文することを避けてください。服用量を間違ってしまうと危険なものもあります。 医薬品の服用方法も熟知しているのなら、個人輸入をおこなっても大丈夫でしょう。ベストケンコーで取り扱われて医薬品にも国内で劇薬に指定されているものもあります。そのために個人輸入をおこなう際には購入する医薬品について十分に理解している必要があります
夫婦で年収600万円をめざす! 二人で時代を生き抜くお金管理術 作者: 花輪陽子出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2010/06/16メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 394回この商品を含むブログ (23件) を見る 上記の本を読んでみて、ああ、「おひとりさま」の時代はもう終わるんだなと改めて感じた。少なくともトレンドではあり得ないんだろうな、と。 そもそも、人生を独りでやっていこうというスタイルが無理すぎる。たぶん、ファイナルファンタジー11のようなネットゲームをソロプレイでやるより厳しかろう。「おひとりさま」で生きていくということ=“家事も金銭も情緒もスタンドアロンにやっていく”って事なのだから。色々しんどかったり非効率的になったりするのは避けられない。 ごく最近まで、ホモ・サピエンスは独りで生きるのが著しく困難だった。狩猟採集社
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