昨季7位の不振から巻き返しを図るJ1浦和で、着々と“改革”が進んでいる。今季就任したフォルカー・フィンケ監督(61)はコンビネーションサッカーを掲げ、個人技頼みだった従来のスタイルからの脱却を図っている。ドイツ・フライブルクの監督を16年間も務め、当時のドイツでは斬新なショートパス主体のサッカーを提唱。教職出身という異色の経歴を持つ指揮官に、そのルーツと理念などを聞いた。 (聞き手・塚田陽一郎) −監督の現役時代はどんな選手だったのか 「1人の学生として、今でいうドイツ3部でプレーしていました。セミプロですが、大学生としてはありがたい収入も得ており、両親も私を金銭的にサポートする必要はありませんでした。プロ選手として仕事をするオファーも2、3回あったのですが、自分を分析して、たくさんお金を稼ぐほどの将来性を持っていないと考えました。私にとって、大学で勉強する方が大切だったのです。14年間