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ブックマーク / lleedd.com (20)

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 面白くなることだけは間違いない

    報告が遅くなりましたが、4月1日から東京大学生産技術研究所の教授となりました。 ことの始まりは、昨年の秋にある人が訪ねて来て「東京大学にデザインをもたらして欲しい」と依頼されたことでした。今の日にはデザインの力がとても重要なのは明らかなのに、東京大学にはその確固たる拠点がないと。 2008年に私は、慶應義塾大学の若手の研究者達に呼ばれて、SFC(湘南藤沢キャンパス)の教授に着任しました。そして、「人と人工物の間に起こること全て」を、工学も芸術も社会学も総動員してデザインする研究グループ、X-DESIGNを彼らと共に立ち上げました。幸いなことに就任してすぐ、たくさんの学生達が私の元に集まってくれ、彼らと共に義足アスリート達に出会い、「骨」展を主催し、少しずつ実験的なものを作り始めました。それから5年、素晴らしい仲間と学生を得て、ある程度の成果を発信できるようになったと実感しています。 まさ

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    pho 2013/06/08
    「決断は軽く、面白そうだと思う方へ」
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 楽器の中の部屋

    楽器の演奏については全く不調法なのでハードルが高いのですが、デザイナーとして楽器の、特にアコースティックな楽器の構造が好きです。 先日、楽器の内部構造を建築写真のように撮影した一連の写真を知りました。Bjoern Ewersという写真家による、ベルリンフィル室内楽オーケストラのキャンペーンポスターらしいのですが、楽器の内部空間の魅力をこれまでにない方法で見せてくれる写真に、強い感銘を受けました。 生の音を奏でる楽器の多くは、共鳴のための空間を内部に持っています。弦やリードの振動によって生まれた音は、その空間の中を様々に伝わりながら、より力強く美しく醸成されて、音色となります。一連の写真は、その共鳴箱を建築のインテリアにみたてて、音の出入り口から差し込む光で撮影するというアイデアが秀逸。高解像度のファイバースコープで撮影したのでしょうか、見ていると美しい音が聞こえてきそうです。 バイオリンの

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    pho 2012/03/12
    この写真すごくいい
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » あらためてSuicaの話でもしようか その1

    Suicaの開発プロセスについて触れておきたいと思います。すでにいろいろなところでしゃべったり書いたりしたことなので、ここでは裏話的に。 ことの発端は、1995年にJR東日の非接触自動改札機(まだSuicaという名前はなかった)の開発担当者が、私のところに相談に来た所から始まります。ICカードを使う改札機については、すでに10年以上研究されており、技術的にはほぼ現在と同じレベルに近付きつつありました。 しかし、実際に試作してテストしてみると、ちゃんと通れない人が半数近くに登りました。特に実験に参加した重役達の評判は悪く、「私のは5回に一回しか通してくれない。2割バッターだ」などと、開発部長が会議の席で罵倒される場面もあったりして、開発中止直前に追い込まれていたそうです。 原因はある程度分かっていました。お財布ケータイやセキュリティカードに慣れた現代の皆さんなら、カードを当てる場所はすぐに

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    pho 2010/11/25
    「たくさんの被験者を使う必要はない、実験機を作って丁寧に観察すれば数人の被験者でも、使い勝手の大半は解決できる」基本に忠実にということか。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ゾンビが不気味なのは、ゾンビが少数派の間だけ

    先日、ジェミノイド(別名コピーロボット)の開発で有名な大阪大学の石黒浩教授とトークショーを行いました。 石黒さんは、メディアのどの写真を見ても黒い服で写っています。「いつも黒を着ていらっしゃるので、私は白にしました」とご挨拶をした所、「服装は他人が最も認識しやすいアイデンティティじゃないですか。それを変えようとする理由がわからん。」といきなりがつん。 “これも私と認めざるをえない”展の一角に設けられた特設会場は大盛況でした。以下に印象に残った石黒さんの言葉を拾ってみます。 人間は自分の事を他人ほど知らないんですよ。 我々と自分の体とのつながりなんて、わずかなものです。呼吸したり歩いたりしていても、体が勝手にやってくれているのを時々確認してるだけじゃないですか。そんなもの機械に置き換えられるに決まってます。 私はロボットを操っていると思ってる。でも思ってるだけで、私も何かに操られてるかもしれ

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    pho 2010/10/07
    これ面白いな。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ライブで絵を描くという事

    数年前、自分の画力がぐんと上昇したと感じた瞬間がありました。自分の個展の会場で、作品集「機能の写像」をぼちぼちと売っていたときのことです。 その日私は、展覧会まで来て買ってくれた人のために、の見返しにその場でサインとスケッチを添えることを思いつきました。感謝の気持ちを表そうとした事だったのですが、実際にやってみると、人の所有物となったに大勢の前でスケッチを描くのはとても緊張しました。失敗は許されないし。 緊張の中で、私は迷いを吹っ切るために、いつもとちがう間を取りました。紙の上にはっきり物の姿が見えるようになるまで集中力を高め、イメージを貯めてからラインを置くようにしたのです。結果は良好で、私の絵は格段に速くなり、何枚か描くうちに私はちょっとした新境地にいました。 絵を描くとき、うまく描けたと思えるまで人に見せたくないと思う人は多いでしょう。芸術には確かに人に邪魔されずに自分と向き合う

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    pho 2010/09/02
    もう魔法としか思えない。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 坂の上の雲

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    pho 2010/08/29
    「故郷に対し複雑な屈折をもたず、伊予松山の人情や風景ののびやかさをのびやかなままにうたいあげている。」こういう自然な感覚っていいな。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 � 扇風機を改良したかったわけじゃなかったダイソン

    昨日行われた、ダイソンのデザインエンジニア Martin Peek 氏とのトークショーは、80席の会場に、百人近い人が参加してくれて立ち見の大盛況でした。印象に残ったMartin氏の発言をメモしておきます。 「アイデアを出すところから製品の出荷まで、一貫してひとりのデザインエンジニアが担当する。モデルを作ってばかりいればモデルのクオリティは上がるけれども、それでは当のイノベーションは起こせない。」 「デザインエンジニアは全員、いつもスケッチブックを持ち歩く。」 「とにかく、テスト、テスト、膨大な試作とテストを繰り返す」 「段ボールはいいモデル素材だ。加工しやすく、どこにでもある。」 「ダイソンは新卒を採用する。その柔軟さが必要だから。」 「DC8の主要部を設計したときは当に忙しかった。でも学生の時と同じだとも思った。ゼロから何もかも自分でやったから。日の人たちほど働いた訳じゃないけど

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    pho 2010/08/01
    「研究室では科学者達がいつも新しい現象を探し出しては、何かに使えないかと考えている」こういうのは好き。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 青空の大きさ

    中学の頃に、地平線までの距離の話を何かで読みました。地面が平面であれば、地平線は無限の彼方になりますが、地球は丸いので、ある所から先は向こう側になって見えなくなります。つまりそこが地平線です。 地平線までの距離は以外に短くて、身長160センチの人で約4.5キロ。もちろん地球には起伏があるのでそうシンプルではありませんが、もし、南米の有名な塩の平原のように平坦な場所なら、自分を中心とした半径4.5キロの円が、見渡せる地面の範囲と言うことになります。「見渡す限りの土地」とか言っても案外狭いもんです。 しかし、少し高いところに上がると地平線はぐっと遠ざかります。例えば六木ヒルズの屋上展望台に登ると計算上は50km先まで見渡せます。王様が領土を見渡すには高い塔が必要なわけです。 では、私たちが見えている空の範囲はどれくらいなのかをちょっと考えて見ました。夜になると私たちは星々まで見渡せますので、

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    pho 2010/07/25
    実際に数字を出して計算するとイメージが変わって面白い。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ミニカーは実車の縮小ではない

    乗用車のミニカーは、実物の単なる縮尺ではないのをご存知でしょうか。クルマの設計製造に使われるボディの三次元データを使って、例えば1/43とかに縮小して精密加工でモデルを作れば、完全なミニカーができるはずです。ところがそのようにして作られたモデルを実際に見てみると、ちっともらしく見えないのです。 実際にカーデザインの現場で、正確なスケールモデルを何度か見たことがありますが、その印象は一言で言うと、ぺらぺら。実物を見ると抑揚の強いスポーツカーのボディも、縮小するにつれて、フラットな四角いクルマに見えてきます。 この「スケールによる曲面感度の差」について、ちゃんと調べた文献に出会ったことはないのですが、デザインの現場ではポピュラーな知識です。駆け出しのカーデザイナーだった頃に、スケールモデルと実物の違いについては十分気をつけるよう注意されました。乗用車をデザインする時は、最初はスケールモデルを作

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    pho 2010/05/15
    「スケールによる曲面感度の差」奥が深いな
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 手元を見て学んでもらうしかないとき

    大学の教員である前にデザイナーである私は、学生達と進める研究プロジェクトにおいても、私自身が対象物をデザインしてしまうことが少なくありません。 走行用義足のプロジェクトの中でも、膝継手(上の写真)の開発においては、私自身がスケッチを描き、CADデータも作成しました。 調査活動や議論の段階では学生達に積極的に参加してもらいましたし、義肢装具士や切断者達との折衝も学生達が中心になって行ってきました。メーカーとの会議にも学生達は参加していて、彼らのアイデアが実用化につながった部品もあります。 教育としては、学生達に自由にデザインさせながら、助言し、見守り、彼らなりの成長を促す事が好ましいでしょう。実際、私のワークショップ形式の授業では、そのような形で進めるのが普通です。 しかし膝継手の設計は、学生には難易度が高すぎました。バイオメカニクスの先端にあり、高度な製造技術による精密機械でもあり、その上

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    pho 2010/04/27
    「場合によっては私がデザインしてしまう。しかし、その時こそ学べるチャンスなので、私の一挙一等即を見逃すな」かっこ良すぎる
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 旅客機の全長と便器のサイズ

    計量感覚の話は、随分反響をいただきました。寸法を目で測れるようになる事ばかりでなく、Gurigurimomongaさんのコメントに上げていただいたフェルミ推定のように、手持ちの条件から大雑把に数量を推定することも、デザイナーに必要な能力の一つです。 先日の上海帰りに、私の乗る飛行機が大阪周辺にさしかかったとき、右方向に平行して飛ぶ旅客機を見ました。どんどん近づいてきて不安になったので、距離を推定する方法を考えてみました。 見えている機影はB777で、その全長はわかっているので、これを基準にして見かけ上の大きさと比較してみることにしました。窓に指を当てて計ってみると、窓の位置では全長が2センチぐらいに見えています。飛行機の実際のサイズはおよそこの3500倍。視野角が同じなら距離とサイズは比例するので、窓と自分の顔の距離を3500倍して約3kmと推定しました。 この推定は、かなり乱暴なものです

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    pho 2010/01/16
    「人にフィットする便座だけは、ほとんどサイズが変わらないので、それを基準に家のサイズを想像するそうです。」これは賢い。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 脳内メジャー

    ものづくりの現場に関わると、計量感覚がかなり重要になってきます。 先日、ある学生に研究中の部品の既存製品はどのぐらいの厚さだったかと聞いたら「薄いものでした」という答え。「いやだからどのくらい?」と聞き直したら「えーと、とても薄かったです」。苦笑するしかありませんでした。 ものづくりの現場にいると、ある段階から「薄くしたい」では許されず、寸法を何ミリにしたいという明快な意思表示が必要になります。その経験を積むと、自然に携帯電話のキーをみて「(突出量が)0.2ミリないかも」とか、車のバンパー見て「8000R(曲率半径が8mという意味です)ぐらいか」とか習慣的に考えるようになってきます。 以前に、公共建築の家具をデザインして、お役所の人が試作品を確認する「検査会」に参加したときの事です。自分もその試作品を見るのが初めてだったので、ついいつもの調子で、椅子の肘掛けのエッジが、私の指示よりシャープ

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    pho 2010/01/09
    数値を意識することの大切さ。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 日産自動車をやめた理由

    上の絵は日産自動車にいたころにインフィニティQ45のイメージスケッチとして描いた絵です。 その頃に御世話になった平田さんから、先週、日産を定年退職されるというメールをいただきました。何もできない上に、集団行動のとれなかった私は、迷惑をかけ通しだったと思いますが、平田さんの言葉や絵から学ばせていただいたことが今も財産になっています。 私は日産自動車を5年でやめています。平田さんはじめ、みんな素敵な人たちだったし、仕事も楽しかったのですが、専用シャトルバスと社員堂に耐えられなかったんです。全員が同じバスで一斉に出勤することや、お昼休みに一斉にご飯をべるのが、毎日とてもこわかった。 一匹狼を気取るほど勇ましくはないです。みんなと一緒にやれと言われるのがなんか憂なだけ。そんなワガママなと思うでしょう。私もそう思います。こんなんで良く先生やってるなー。 坂井直樹さんにこの話をしたら「山中さん、

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    pho 2009/11/05
    非常に理解できる、この感覚。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 奇人天才シリーズその2:土佐信道さん

    奇人天才シリーズ第2弾です。ここでも何度か紹介させていただいていますが、やはり土佐信道さんを上げないわけには参りません。 Wahha Go Goの声を初めて聞いたとき、当に逃げ出したくなりました。そして、この人の作るものは何か質的に予想外であると確信しました。「この世にあってはいけない地獄の底からの声」と評して、今や講演会にも引っ張りだこの田川欣哉君も、天才にはかなわないと溜息を漏らします。 優れたデザイナーや設計者は、きちんと計画された土台の上に膨大な成果を積み上げます。ときにはそびえ立つ山のような高みに到達する人もいますが、それでもその成果には、なじみのある山麓に連なる安心感があります。しかし、天才のもたらすものには、裾野が見えません。山というよりもいきなり高いところに降ってわいてくる積乱雲のようです。驚嘆してひれ伏すか、恐怖して逃げ惑うしかないのです。 そんな土佐さんの、ちょっと

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    pho 2009/10/15
    奇人天才と呼ぶにふさわしい人物。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ギャラリーツアーご案内

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    pho 2009/08/14
    企画した人と一緒に見て回るのは楽しそうだ。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 茂木健一郎さんと その2 ”バイリンガル”

    「骨」展にご案内した後、茂木健一郎さんと対談しました。「日経サイエンス」の『科学のクオリア』の対談です。 対談のテーマになったのは「バイリンガル」。たいして英語力のない私がバイリンガルとは片腹痛いとしか言いようがありませんが、ここでの話題の中心は、科学的な思考と美的感覚の両立ということでした。 茂木さん曰く今回は「田原総一朗氏のように」聞き役に回って、私の話を聞いてくれたそうです。その中で茂木さんからこんな質問を受けました。 「美的直感のような脳の働きを、将来科学が解明することは可能だと思いますか」 わからないとしか答えようがありませんでした。ただ、このことに関連して、実際に何かをデザインしているときに意識して気をつけていることがあります。 それは、直感的に「いいかも」と感じたときに、その理由を論理的に説明できると思わないことです。無理に説明しようとすると、つかみかけた大切な感覚が逃げてし

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    pho 2009/07/16
    「直感的に「いいかも」と感じたときに、その理由を論理的に説明できると思わないことです。無理に説明しようとすると、つかみかけた大切な感覚が逃げてしまう。」うまく説明できないけど存在する何か。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ワッハじゃないじゃん

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    pho 2009/05/28
    明和電機。これは気になる。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 気がついちゃったものは仕方がない

    展示もいよいよ大詰め、もう何十周歩き回ったかわからない会場を、また、始めから見ていきます。何度歩いても必ず、新たに気になるところが出てきます。つきることのない完成度との戦いです。 すでに現場の人々は疲れ切っています。時間もコストも限られている中で、その修正箇所を指摘すれば、また彼らに大きな負担を強いることになるでしょう。展示空間全体から見れば、わずかなひずみであり、直したところでどれだけの効果もないかもしれない…。そんなときに私が、胸の中で呪文のように繰り返す言葉があります。 「気がついちゃったものは仕方がない」 実はこれは佐藤卓さんの言葉です。どこかの現場で直接に聞いたのだったか、あるいは又聞きだったかさえも忘れてしまったのですが、デザインディレクターの最もクリティカルな瞬間の心境を端的に表す言葉だと思います。 そう、気がつかなければ、それで良かったのかもしれません。でも、気がついてしま

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    pho 2009/05/24
    「気がついちゃったものは仕方がない」これは使わせてもらおうか
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 形を描こうとしてはいけない

    形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる。 Do not attempt to draw figures. Figures naturally appear when we create a sketch of the structure. 学生の頃に漫画ばかり描いていたと言う話をすると、「シローとかオートモみたいなマンガでしょ」と言われるのですが、実はスポコンでした。メカは全くどうしようもなくて、当時つきあっていた女子(現)にも笑われていました。 その頃に、運動する人間を山ほど描いたことが私の創作の根っこにある気がします。走ったり、投げたりしているしている人間を描こうとすると、まともに動いているように見えるには骨を描くしかないのです。 「骨」展のカタログの編集者の方に、スケッチに何か言葉を添えませんかと言われて最初に浮かんだのがこの言葉でした。プロダクトをデ

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    pho 2009/05/17
    表面的なことではなく、構造、仕組みを考えることが大事。適用範囲は広そうだ。
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 小石川の美しい博物館

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    pho 2009/05/09
    いつもこのブログを読んでると、非常に待ち遠しくなる
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