川崎大師への多くの初詣客を運ぶ京急電鉄大師線。2019年に開業120周年をむかえた京急の創業路線が大師線であることは、ご存じの方が多いと思う。 大師線は1899年1月21日に、国内で3番目、関東では最初の電気鉄道である大師電気鉄道として、六郷橋のたもとの川崎駅(後に六郷橋駅と改称)―大師駅間の営業距離約2kmで開業した。同線は時代の要請に応じて路線が伸縮し、現在の営業路線である京急川崎―小島新田間4.5kmが確定したのは、比較的最近の1970年のことである。 そのため、都会を走る路線であるにもかかわらず、大師線には廃線跡や廃駅跡を探索する楽しさがある。 なぜ「六郷橋」が起点だったのか まずは、開業時の大師電鉄の川崎側の起点である六郷橋駅跡に足を運んでみよう。