死の意味を説き、死者を供養する僧侶の元には多くの霊魂譚が寄せられる。本章では僧侶1335人に対するアンケートや聞き取り調査から、霊的現象の事例を紹介し、その傾向、メカニズムを解説する。その後編。 「霊魂に関するアンケート」では、2011(平成23)年3月11日に起きた東日本大震災後、被災地における霊魂現象の体験や、鎮魂行為の有無についても聞いている。 アンケートにこの項目を入れた理由は、筆者が数年間にわたる震災後の報道に関わる中で、現地でしばしば、「被災地で幽霊を見た(という人を知っている)」「鎮魂行為を行った」とする証言を耳にしたからである。 6年間で175件 調査結果を分析する前に「被災地の幽霊」に関する報道について、少し、紹介しておきたい。 筆者は、記事検索システムにかけて震災後6年間に報じられた記事数をカウントしてみた。 対象メディアは朝日・毎日・読売・日経・産経の5大全国紙と、共