今回開発された素材は、物体を完全に触覚から隠すことができる。この素材を指で押してみたり、力量測定機器を使っても、素材の下にあるものの情報は何も感じられない。 その"素材"はメタマテリアルがベースとなっており、触れられる先端が微細な針状の円錐でできている水晶格子構造をもつポリマーでできている。 論文の第一執筆者であるカールスルーエ大学(以下KIT)のTiemo Buckmann氏は以下のように説明する。「私たちは隠したい物体(感触を消したい物)の周りに構造体を作ります。その構造体の内部は、位置に応じて決められた強度を示します。」 「その部品を完全な配列で組み合わせて精度をもたせるのは、複雑かつ厳密な計算が要求されます。部品はμm(1/1000mm)以下の精度で構造化した結晶材料です。それは針状の円錐体が先端で接する形で成り立っており、その接触点の大きさは、要求される機械的特性を持たせるために