プロ野球選手は、わがままだ。現役時代の僕もそうだった。それぐらいの気概がないと、プロフェッショナルという厳しい世界を生き抜いていけない。 だから、プロ野球選手はコーチに頭ごなしに教えられたり、結果だけを見て指導されるのを極度に嫌う。選手にとって嫌なコーチは、事前に何も指導していないのに、マイナスの結果だけを見てあれこれ言ってくるタイプだ。自分の経験談ばかりを延々と話すコーチも煙たがられる。失敗談はまだしも、成功した自慢話を聞かされるのはつらい。 コーチには絶対になりたくなかった 僕もそういうタイプのコーチが大嫌いだった。コーチは、レベルの低い人間がやるものだと思っていた。引退しても、コーチだけには絶対なりたくないと思っていた。 2007年、僕は42歳で現役を引退した。そのころ僕の代理人をしてくれていた団野村さんのもとに、日本ハムファイターズから投手コーチ就任の依頼が舞い込んだ。僕としては、