米アップルと米司法省が真っ向から対立したことで話題を呼んだ、iPhoneのロック解除問題。銃乱射事件の捜査において、国家権力がどこまで個人のプライバシーに踏み込めるのか、米大手IT企業などを巻き込む議論に発展してきた。 だが2016年3月28日(現地時間、以下同様)、司法省はアップルの協力を得ることなくiPhone内のデータにアクセスできたとして、アップルを相手取る訴訟を取り下げてしまった。 これにより、アップルと司法省の対立という事態は収束すると思われる一方で、iPhoneのパスコードロックがあっさり「突破」されてしまった(少なくともそう考えられる事態になった)ことで、iPhoneのセキュリティはどこまで安全なのか、新たな疑念が生じることにもなった。 果たしてiPhoneはどの程度まで安全といえるのか。事件の経緯を追いながら分析していく。 iPhoneへのバックドア作成を拒んできたアップ