このたび『中国経済「1100兆円破綻」の衝撃』(講談社プラスアルファ新書)という新著を上梓しました。私にとって、これがちょうど20冊目の著作となります。 この本では、われわれ日本人も決して他人事では済まされない、中国経済の昨今の減速ぶりを、4つの側面から分析しました。 第一は、6月以来の「中国株暴落」が意味するものです。いまから4ヵ月前に突然始まった中国株の暴落によって、日本の人口よりも多い1億7000万人もいる「股民」(個人株主)たちが、大損しました。 日本ではあまり報じられていませんが、中国で台頭しつつあった中間所得者層を直撃した株暴落は、ボクシングのジャブのように、着実に中国経済をダウンさせつつあります。このことは、例えば日本に来ている「爆買い」の中国人観光客のショッピング動向にも、今後影響を与えてくると思われます。 第二は、中国経済の大転換が図れない象徴的存在である「国有企