サイバーセキュリティ対策の重要性は言うまでもないが、現在企業が実施している対策は、果たして脅威の現状やシステムの変化に合ったものだろうか。 昨年12月に開催された「Oracle Cloud Days Tokyo」において、「もはや“入口と出口の水際対策”では不十分」と語ったのは日本オラクルの松岡秀樹氏だ。海上自衛隊OBで、米軍のサイバーセキュリティ対策にも明るい松岡氏が、ここ20年ほどのテロと脅威の歴史を振り返りながら、いまサイバー空間で何が起こっているのかを克明に語った。 「ほとんど戦争」サイバー攻撃激化の背景にある国際情勢の変化 「現在皆さんが直面しているサイバー攻撃というのは、基本的にほとんど戦争と言えます」――。松岡氏の言葉が、静まりかえったセミナー会場に響く。講演が行われたのはパリ同時多発テロ事件からおよそ1カ月後、日本でもアノニマスによると思われるサイバー攻撃事件は後を絶たず、