「“病気が完全に回復して元気になれば、イギリスに飛んで、あなたに直接会いに行きます。本当に久しぶりなので、積もる話がたくさんあります!” ついこの4月にもこんな連絡をくれていたのに、あの懐かしい出井伸之さんがまさか亡くなるなんて……。 ちょっとした手術をするとは聞いていたから、病気であることは知っていました。5月の80歳の誕生パーティに大切なゲストの一人として招待したいと連絡を取り合っていたところだったのです。 1月に電話で話したあと、“Covidのせいで本当に長い間、海外に行っていないので、私の英語もさびついてしまいました。私のゆっくりした会話をどうかお許しください”と丁寧に書いて寄越したことも思い出します。 ソニー元CEOのハワード・ストリンガー氏(80、英在住)が6月2日に亡くなった出井伸之氏(ソニー元会長)の追悼文を「文藝春秋」に寄せた。 1995年に大賀典雄から経営を託された出井
Appleから連れてきた社員たちはジョブズに愛想を尽かし、みなネクスト社を辞めてしまう。私生活でも恋人を激怒させ、同棲が破綻。彼は遂に孤独になった。どん底に来た彼のとった決断とは───。 音楽産業、エンタメ産業そして人類の生活を変えたスティーブ・ジョブズ、没後十周年を記念した毎日連載、二十二日目。 ■ジョブズの結婚 それから二年。一九九一年という年をジョブズは最悪の形で迎えていた。 ネクスト社は空中分解の危機に瀕していた。Appleから付いてきてくれた中心メンバーが全員、愛想をつかして退職していったのだ。 なかんずく右腕だったCTOのバド・トリブル(※後にジョブズとAppleに復帰し、副社長に)とCFOのスーザン・バーンズが職場結婚した途端に会社を去っていったのは、ジョブズをひどく傷つけた。 ネクスト社は大富豪ロス・ペローや日本のキヤノンからの資金援助でなんとかやっていたところがあった。ど
iPhone初期型。そのアイデアの元をジョブズは若き日に既に持っていた。(写真:Reuters/AFLO) 初代Macの売上不振に苦しむジョブズは、パーソナルコンピュータ以上の革新を起こすことで挫折を乗り越えようとする。だが部下たちは理想をひたすら追う彼についてゆけず、やがて孤立してゆく。iPhoneで音楽サブスクの時代を到来させ、音楽産業を救ったジョブズの若き日を描く集中連載第4弾。 ■Macフォン。やり残した宿題 その日、プレイボーイ誌の編集部に一本の電話がかかった。 「スティーブ・ジョブズだ」とその声は名乗り、ジョン・レノン最後のロングインタビューを手がけたデビッド・シェフ記者に繋いでくれと指名してきた。 それでシェフはApple社に招待された。『ダ・ヴィンチ』『ミケランジェロ』と名付けられた会議室を通り抜け、『ピカソ』という名の部屋にジョブズと入る。そしてロングインタビューが始まっ
Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって10年、この節目の時期に多くの人が彼との思い出を語っています。Dellの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・デル氏もその1人です。デル氏はジョブズ氏にMac OS搭載PCの販売を提案されたことを回想しています。 ロイヤリティで折り合わず DellのCEOマイケル・デル氏によると、ジョブズ氏はAppleから追放される以前からMac OS搭載PCの販売をDellに持ちかけていました。交渉途中でジョブズ氏がAppleを去りNeXTを設立した後も、NeXT搭載PCをDellに提案するなど、同社との交渉は継続的に行われていたようです。ただこの時はNeXT対応アプリケーションの少なさからDellは販売を断ったとされます。 ジョブズ氏はAppleに復帰して以降、再びMac OS搭載PCの販売についてDellと交渉しています。この時は実際にDellの
[前回までのあらすじ]初代iPodの発表に記者たちはあっけにとられた。Macの会社が突然、音楽ガジェットを出したのだから当然かも知れない。「世界中の言葉に対応しているんだ」とジョブズは言い、宇多田ヒカルの曲を表示し、サザンオールスターズの「忘れられたBig Wave」を会場に流したのは、Walkmanを産んだ日本市場への彼なりのラブコールだった。初代iPodは初年度12万5千台の小ヒットにとどまったが、ジョブズはさらなる飛躍を目指し、iPod専用の音楽配信の立ち上げを決意。音楽業界とタフな交渉を重ねるのだった。 ■アーティストを口説けるCEO パーソナルコンピュータの誕生から20余年。ハード、ソフトの両方で革新的な作品を残してきたジョブズは、オンラインサービスの世界でも生涯の代表作を生み出そうとしていた。 ダウンロード販売サイトは前世紀からあった。LiquidやEmusicなどがそうだ。だ
【2017/10/25追記】 久しぶりにバズッたので、ナイチンゲールの呪いにかかっている私としては戦々恐々としながらはてなの通知欄をみております。 はてぶで、今回指摘したSONYのハンディカムのCMに、高篠氏のエピソードが使われていることを教えてくれた方がいました。情報提供ありがとうございます。みんな知ってるものですね。新しい項に追記しています。 私の好きな『それ町』の石黒正数さんのtweetを最近フォローしているのですが、こんなジョブズの逸話を紹介していました。 技術者「アイフォンの試作機です。この機能でこれ以上小さくするのは無理です!偉い人にはそれが分からんのです」 おもむろに試作機を水没させるジョブズ。 ジョブズ「あぶくが出たな。まだ隙間があるという事だ、工夫しろ」 この話が好きでなぁ。 ネームを描く時の指針になったものよ。 — 石黒正数 (@masakazuishi) 2017年1
去る10月5日、スティーブ・ジョブズが亡くなって6年が経過した。彼の足跡を讃え、全7回に渡ってジョブズが音楽に残した影響を振り返ってゆく。第2回は、iPodの開発で培われたジョブズの最強の経営術だ。尊敬するSonyの盛田昭夫から学び取ったモノづくりのための組織づくりを、彼はいかにしてApple流の経営術へと進化させていったのであろうか。 ■尊敬するSonyを超えろ ジョブズは、リサーチをあまり信じない。消費者が気づきもしなかった何かを実現するのが、革命的なモノづくりだと信じていた。 「T型フォードが登場するまでは、自動車がほしいか消費者に尋ねても『いや、もっと速い馬がほしい』としか言わなかったろう」 というヘンリー・フォードの言葉をよく引用していた。だが、iPodの開発リーダーとなった若きトニー・ファデルのリサーチを止めることはなかった。かつてそれでも大失敗をやらかしたことがあるからだ。
スティーブ・ジョブズが亡くなって6年が経過した。彼が生前残したものは、われわれの生活を一変させるインパクトをもたらしたことはご存知のとおりだ。iPhoneなどその確たる例だろう。同時に、ジョブズはいまの音楽産業にも大きな影響を残している。産業の流れを変えた彼の功績を今後7回にわたって振り返り、これからの音楽産業はどこに向かっていくか、そのヒントを見つけていきたい。最初はiPod誕生秘話を紐解いていこう。そこには、日本企業Sonyが多大なる影響を与えていたのだ。 ■受け継がれる革新の炎 ある炎があって、それが燃え移ると全てが変わってしまう。 薙ぎ払い、輝き、感動が広がっていく。ひとたび炎の勢いが失せると、世界は停滞の闇に包まれる。しかし、その炎が失われることはない。人類共通ともいえる精神の燭台に燃え続けていて、松明をかざして聖火を取り、世界に再び光を与える者が現れる。 若き日のスティーブ・ジ
[ハッキングを受けたソニー・ピクチャーズ:CSO Online] ハッキングを受けたソニー・ピクチャーズが大変なことになっている。 Even more Sony Pictures data is leaked: scripts, box office projections, and Brad Pitt’s phone number | Fusion * * * ハッキングを受けたソニー・ピクチャーズが大変なことに ソニー・ピクチャーズのハッキングはますます大変なことになっている。 The Sony Pictures hack just keeps on getting worse. ハッキングの背後に何者がいるにせよ、ソニー・ピクチャーズに対する単なる嫌がらせに止まらず、その屋台骨を揺るがす事態に発展しそうな気配だ。スタジオの経営実態が明るみに出てしまった以上、俳優との契
ソニー「プライドで会社が儲かるか!」VS ジョブズ創業のピクサー「自分たちが良いと思わないものは、決して世の中に出さない。」 ジョブズともにピクサーを創業したエド・キャットムルさんが、「クリエティビティー株式会社」という本を出版し、欧米で話題になっています。キャットムルさんは、「ピクサーの成功をズバリ一言で言うと何ですか?」と聞かれ次のように答えています。 「ピクサーの成功を一言で語るなら、自分たちが良いと思わないものは、決して世の中に出さないことだ。失敗は社内にしっかりと取っておく。」 ピクサーで働く世界トップレベルのクリエイターになると、2時間半の映画にほんの数秒間しか映るだけの宇宙船をデザインするために何週間もの時間をかけ、専門の数学者が数式を利用してアニメキャラクターに生命を吹き込んでいます。ピクサーには「創造」の遺伝子が根づいているのです。 ↑自分たちが良いと思わないものは、絶対
ソニー・ピクチャーズが制作し、アーロン・ソーキン氏が脚本を担当するスティーブ・ジョブズ氏の映画の監督として、映画「ソーシャルネットワーク」の監督を務めたデヴィッド・フィンチャー氏が候補に挙がっていましたが、どうやら交渉が決裂し、同氏が同映画の監督をしない事が分かりました。 その理由は、ソニーとデヴィッド・フィンチャー氏の間で金銭面での折り合いがつかなかったようで、同氏はソニーに対し1000万ドル(約10億円)の手付金とマーケティングの支配権を要求していたようで、ソニーは同氏に代わる監督を探しているとのこと。 [via MacRumors] 関連エントリ ソニー・ピクチャーズのジョブズ氏の映画、ジョブズ役はクリスチャン・ベールに決定か
[David Fincher 監督:photo] Walter Isaacson のベストセラーを『ソーシャル・ネットワーク』(原題: The Social Network)の監督で映画化しようとしていたソニーの計画が暗礁に乗り上げているようだ。 The Hollywood Reporter: “David Fincher Out of Steve Jobs Movie in $10 Million Fee Fight (Exclusive)” by Kim Masters: 14 April 2014 * * * 過大な要求 スティーブ・ジョブズ映画に対する期待は大きいが、David Fincher に代わる監督をソニー・ピクチャーズは探している。彼の要求と映画へのコントロールが余りにも大きすぎるためだと複数のソースが伝えている。 Sony Pictures is loo
米オラクル創業者のラリー・エリソン最高経営責任者(CEO)は9日都内で講演し、2011年に死去した盟友、スティーブ・ジョブズ氏(アップル共同創業者)が「ソニーを買おうとしたが高すぎた」と話していたことを明かした。ソニーが経営不振に陥った2000年代半ば以降、アップルによる買収検討の噂が流れていた。ジョブズ氏はソニーの共同創業者、故盛田昭夫氏を尊敬していたことで知ら
ソニーがVAIO事業の売却を決めた。1996年に米国で、国内では翌97年にパソコン事業に再参入して以来、AV機能の搭載や、スタイリッシュなデザインで他社製品との差異化を図り独自のポジションを築いてきたが、昨今のパソコン業界を覆う減速基調、特にコンシューマー分野におけるそれにあらがうことができなかった。その動きを加速させているのが、アップルに代表されるスマートフォン、タブレットの急速な台頭だ。 だが、かつてそのソニーとアップルの運命が交差した瞬間があった。アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者、当時)自らMac OSが動作するVAIOを手に、ソニーに協力を呼びかけたのだ。『スティーブジョブズは何を遺したのか』(2011年、日経BP社刊)を執筆・監修したITジャーナリスト林信行氏による、当時のインタビュー全文をここに改めてご紹介する。(編集部注:記事中の記載内容はすべて執筆当時の
なんと! スティーブ・ジョブズがVAIOにMac OSを搭載することを計画していた2014.02.07 21:0010,751 塚本直樹 実現していれば夢のタッグになったかも!? 先日、ソニーによるVAIOブランドの売却が正式に発表されました。VAIOが売却され、前アップルCEOのスティーブ・ジョブズが亡くなった今となっては過去の話となってしまいますが、「スティーブ・ジョブズがVAIOにMac OSを搭載する計画を持っていた 」という驚きのストーリーが海外サイトのnobi.に掲載されました。 フリーライターの林信行さんが伝えたストーリーによると、過去にソニーの社長を務めた安藤国威氏が2001年にハワイでゴルフをプレイし、ラウンドを終えるとジョブズとアップルの重役が「Mac OSをインストールしたVAIOを抱えて」彼らを待っていたそうです。 同氏によるとジョブズはVAIOを大層気に入っていた
《Update:パズルのピースを埋めて行く》 [盛田昭夫氏の急逝を偲ぶジョブズ:Vimeo] ソニーがパソコン事業からの撤退を決めた。 そのソニーの VAIO にまつわるスティーブ・ジョブズの秘話が興味深い。 Mac の30周年をきっかけに林信行氏が明らかにしたもの。その第2話に「Mac 互換機 VAIO」の話が登場する。 nobi.com (EN): “The tales of Steve Jobs & Japan #02: casual friendship with Sony” by Nobuyuki Hayashi: 05 February 2014 * * * Mac OS で動く VAIO ソニーの幹部たちは例年冬をハワイで過ごし、新年をゴルフで祝うのが常だった。そんな 2001 の新年ゴルフコンペでの話。「スティーブ・ジョブズとアップルの幹部たちがゴルフの最終
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