発表のポイント 病原体が分泌する病原性因子には、特定のタンパク質に結合して分解する働きを持つものが数多くあります。その場合、「病原性因子が結合するタンパク質は分解の標的である」と考えるのが一般的でした。 今回、ファイトプラズマの分泌する病原性因子「ファイロジェン」が、植物タンパク質と結合するにも関わらず分解しない場合があることを発見し、その標的選択性が分解装置への輸送の可否により決まることを明らかにしました。 ファイロジェンと結合しても分解されない植物タンパク質は、ファイロジェンの働きを阻害する治療薬として逆利用できる可能性があり、葉化病の予防・治療につながることが期待されます。 発表内容 研究成果概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木誠人大学院生と前島健作准教授らの研究グループは、植物の花を葉に変える細菌タンパク質「ファイロジェン」が宿主タンパク質を選択的に分解する新しい分子メカニ