磔、獄門、切腹……8種類も処刑方法があった江戸時代 「あんなやつ、市中引き回しにしてしまえ」とは、未だに冗談まじりに放たれる言い回しだ。市中引き回しは、江戸時代に行なわれていた処刑方法の1つだが、刑場まで引き連れていく様を、人々は寄ってたかって見物していたという。江戸時代には「磔、鋸挽き(のこぎりびき)、獄門、火罪、死罪、斬罪、下手人、切腹」と、なんと8種類もの処刑方法があった(下川耿史『日本残酷写真史』)。「鋸挽き」は、犯罪者の顔以外の部分を土の中に埋め、地上に出た首から上をのこぎりで切断していくというあまりにも残忍な処刑法だが、「市民で望む者があれば、のこぎりで首を引いてもよい」(前出書)とされていたのだから驚く。処刑の殆どが公開で行なわれていた時代、人々は「悪」の存在とその成敗に、多大な興味を示していたのだ。 原宿・太田記念美術館で行なわれている『江戸の悪』は、浮世絵の中に描かれてい