『タリバン 復権の真実』(KKベストセラーズ)の発売を記念して、著者のイスラーム法学者・中田考氏が、思想家であり武道家でもある内田樹氏と対談を行なった。内田氏の武道場「凱風館」にて開催。そのときの対談を記事化して公開する。「帝国への再編」をキーワードに、いま国際情勢はどうなっているのか? 今後世界の構造はどうなっていくのか? 今回は対談の前編をおくります。 2020年2月29日、カタールのドーハで和平合意に調印した米国のハリルザド・アフガニスタン和平担当特別代表(左)とタリバンのバラーダル師(右) 内田:アフガニスタンのことがよく理解できる、面白くて分かりやすいお話をありがとうございました(【中田考】凱風館講演 前編および後編)。 講演の最後にアフガニスタンと上海協力機構、そしてインドについてお話いただきました(【中田考】凱風館講演 後編を参照)。僕の方からは、この点について少し追加の質問
向井孝(1920.10.14–2003.8.6)と水田ふう(1947.2.14–2020.2.16)は、敗戦後に廃材で建てられた家を、終の棲家とした。 犬山城の坂下、数分歩けば木曽川の水面を眺めることができる、傾いた家。庭にはクスノキがそびえ、猫が数匹、開け放たれた窓からいつも自由に行き来していた。時どき、人間や猫の幽霊が出て、見える人には見えた。 続きを読む 1,2023年9月16日(土) 2,墓前祭 午後1時~ 於:日泰寺墓地 墓碑前 3,懇談会 午後2時~ 於:覚王山日泰寺「香積台」の間 報告 墓碑保存会の経緯と今後について 参加費 500円 「大杉事件」99回忌 関東大震災後の混乱の中、1923(大正12)年9月16日、大杉栄、妻の伊藤野枝と共に甘粕憲兵隊によって大杉の甥・橘宗一少年(6歳)が虐殺されました。(所謂、大杉事件) この宗一少年の墓碑が覚王山日泰寺境内にひっそりあること
82年に発売されたスティーブ・ジャクソン・ゲームズ社の「イルミナティ」は、そもそもが陰謀論への風刺であり皮肉だった。 やがてそれ自体が「予言」という都市伝説、もとい「陰謀論」に転用されるまでの流れを振り返る。 本記事の剽窃、動画等への転載を固く禁じます。最大限配慮しましたが、それでもなおこの記事の内容に間違いがあった場合、誤った情報がさらにインターネット上に拡散してしまうためです。すいませんが僕はそこまで責任とれないので、必ず一次ソースを参照してください。 こんにちは!今回はイルミナティカードについて調べてみたいと思います! 911テロや震災を予言していたと言われるイルミナティカードですが、なんだかとっても不気味ですよね!? はたしてその予言は本当なのか、そして気になる遊び方をSAPPORO POSSEが調べてみました!
宅八郎さんの死去・トランプの敗北・ポストモダニズムの終焉 「真実は存在せず、すべてが許される」時代をどう生きる 香山リカ 精神科医、立教大学現代心理学部教授 宅八郎さんが亡くなった、というニュースがネットを駆け巡った。享年・57歳。 「まだ若いのに」と言われる年齢だが、私は「そうか、彼ももうそんな年齢になっていたのか」と思った。 実は、私は彼を「宅八郎さん」とか、彼と直接の知り合いだった人がそう言っていたように「宅ちゃん」とかではなく、本名の「矢野くん」と呼ぶことが多かった。彼も私の本名で呼んでいた記憶がある。私たちはそれぞれがペンネームというか芸名というか、そういうものを持つ前からの知り合いだったのだ。 自分の昔ばなしで申し訳ないが、私は国立大学受験に失敗し、滑り込んだ私立医大になかなかなじむことができず、松岡正剛氏が率いていた出版社・工作舎やそこから分派した人たちの編集プロダクションな
「過去」のテロスポットを巡る旅 はじめに、あえて説明しておきたいのですが、今回の記事のテーマはあくまでも「テロスポット巡り」です。イスラエル最大の経済都市・テルアビブでテロが起こった観光地や人気スポットを、現在の様子とともに紹介しています。 しかしながら、それは「テルアビブは危ないぞ」「イスラエルはやばいぞ」ということを煽るような意味ではありません。今でこそ先進国として実はわりと平和に発展しているイスラエルですが、「過去にはこういう事件がありましたよ」という歴史として紹介しています。 しかしこれを読んだ後に「平和だな」と、思えるか思えないかは……あなた次第です。 イスラエルは周辺の中東国とはかけ離れた「普通のヨーロッパ先進国」 さて、旅がはじまる前にまずは、今のイスラエルがどのような国で、テロに対する姿勢がどのようなものなのか、簡単ながらもご説明したいと思います。 実際に住んでみて思うのは
【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 ※当記事はもともと有料記事でしたが、スポンサーがついたので無料公開に切り替えます。「多くの人に読ませたい良い記事なので、私が丸ごと高額で買い上げるから、無料公開としてほしい」という奇特な方が現れたわけです。すでに有料で買ったという方には心苦しいんですが……。 2015年12月30日におこなわれた熊本市の結婚式場経営者・有川理(ありかわ・おさむ)氏へのインタビューである。紙版『人民の敵』第16号に掲載された。 フランスの学者をまねてフランスの獄を論じる日本の学者 私が02年〜04年の獄中生活中に詠んだ108首の短歌のうちの1首である。短歌としての出来はまあ、108首中でもあまり良くないほうで、単に“云いたいことを五七五七七に収めてみました”というものでしかないが、含意は、要するに日本のアカデミシャンの“単なる輸入業者”ぶりへの批判である。欧米のススん
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福島第一原子力発電所の事故を描いた映画『Fukushima 50』(若松節朗監督)が3月6日公開される。 これは、一種の「戦争映画」だ。福島第一原発を戦場として描き、吉田所長以下の職員たちを兵士として英雄的に描く。 娯楽映画として、よくできている。 原発のプラント内の再現度が高い。といって、私自身が実際の原発を見ているわけではないので、どこまで再現されているかは確証できないが、リアルに感じた。 凄まじい事故だということ、原発内部の構造がよく分かる。そして、現場の職員たちの危機感もよく伝わってきた。よくぞ、日本は無事だったと思う。 しかし、大きな問題のある映画だ。 混乱の元凶は「総理」だったのか? 娯楽映画なので、作劇上、主人公であるヒーローに対し、悪役が必要なのは分かる。 この映画が扱う戦争では、倒すべき相手は「どこかの国」でもテロ組織でもなく、暴走している原発だ。 そして原発そのものは敵
中島岳志「安倍内閣ではコロナ危機を収束できない。今は『石破内閣』しかない」 石破茂は変わった。彼は静かに勝負に出ている。 中島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授 2018年9月に本サイト(論座)に掲載された論考(『中島岳志の「自民党を読む」(1)石破茂』)で、私は石破をⅢに位置づけた。(加筆の上、拙著『自民党 価値とリスクのマトリクス』(スタンドブックス)に収録) 石破は小泉内閣の閣僚として新自由主義政策を推進し、「自助努力」の重要性や規制緩和の促進を強く押し出してきた。保育園の拡充や若者世代への福祉政策を説いてきたものの、基調は自己責任論であり、リスクの個人化を追求する「小さな政府」論者だった。 価値観における「リベラル」と、お金の配分をめぐる「リスクの個人化」。彼は典型的な新自由主義者であり、小泉構造改革の延長上に位置づけられる政治家だった。 しかし、である。近年、この姿勢
「日本青年会議所(JC)」をご存じだろうか。全国に700弱あるこの団体、知っている人からすると、「企業の2代目3代目が構成員で、ボンボンの道楽」というイメージもあるようだ。とくにバブル期などは、入会することが一種のステータスで、理事長ともなれば地域の顔役として将来にわたって政治や経済などの分野で活躍する人が少なくなかった。 実際、政治の世界では今話題の麻生太郎氏や細野豪志氏、小泉純一郎氏、経済界では森ビルの森稔前社長やウシオ電機の牛尾治朗会長、芸術分野では歌舞伎役者の市川團蔵氏など、出身者の顔ぶれはそうそうたるもの。一方、昨年2月には同会が公式ツイッターで不適切発言を繰り返す事態が起きたことを覚えている読者もいるだろう。今回は、実際に所属していた筆者の観点からJCの活動実態に迫りたい。 会員になれるのは20~40歳 日本には現在4つの青年経済団体があり、JCはその1つだが、他団体には母体組
世の中には多様な意見がある。そしてそうした意見はひとつひとつ尊いものである……。そりゃそうだ。そういうことは十分にわかっていても、やはり思う――この人たちは、どうしてそういう意見を言うのだろうか、と。 ここでは、実際の政策が形成され、公的な意思決定がなされている、リアルな社会での民主主義はどのようにワークしているのかを考えながら、多様な意見を仕分けるすべの話をしておきたいと思う。 そう遠くない将来に選挙があるとする。あなたは政治家だとすると、どんな政策を掲げるだろうか。選挙で勝たなければ政治家ではいられない。さて、あなたは、選挙の日の投票者たちの行動をどう読むか。 投票者は、当然の話なのだが、投票するためだけに生きているわけではない。言うまでもなく、投票者たちは毎日の生活の中でやることがあり、概してかなり忙しい。だから、1日の24時間を自由に使ってもいいという自由人であっても、公共政策の勉
リンク 文春オンライン 三浦瑠麗氏を批判するなら「メディアの大衆化」を議論せよ | 文春オンライン 三浦瑠麗さんの北朝鮮スリーパーセル発言とそれに伴う騒動について、ここ一週間ほど考えていたことを書く。これは「私たちがどのようなメディアで、どのような情報源に基づいて民主主義を議論すればいいのか?」とい… 27 users 334 まとめ 三浦瑠麗さん「大都市には北朝鮮のスリーパーセルが潜んでいて戦争になったら大阪がヤバいと言われている」(ワイドナショー.. 2018/02/11(日) フジテレビ ワイドナショー (発言内容書き起こし) 実際に戦争がはじまったらテロリストが、仮に金正恩さんが殺されてもスリーパーセルといわれて、指導者が死んだとわかったらもう一切の情報を断って都市で動き始めるスリーパーセルと言うのが活動しはじめると言われているんです。(ここでテロップ「スリーパーセル:一般市民を装
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千円札に気づかされたアジア人の葛藤 田中宏さんと考える(1)東京五輪に沸く1963~64年は戦後日本の大転換点だった 市川速水 朝日新聞編集委員 「行動する学者」の道へ いま、日本と韓国の間では、大戦中の元徴用工への賠償をめぐる最高裁判決をきっかけに冷たいやりとりが続いている。 日本による輸出厳格化、報復措置として韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を宣告、ぎりぎりの破棄凍結、協定続行。 特徴的なのは、この間、日本の首相や政権中枢から「ありえない判断」「賢明な判断を求める」「無礼だ」と、上から目線で敵対視する言動が繰り出されることだ。 日本が韓国の三権分立を否定したり、攻撃的で嘲(あざけ)るような言葉を投げたりしたことは、過去にもなかったのではないか。 こんな雰囲気を生んだのは何なのか。日本が突然こうなったのだろうか。そうではないだろう。 書店に山積みされる嫌韓本、在日韓国・朝鮮
納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか 私たちはこの達成をすぐに忘れてしまう そもそも国民の権利は、納税の「対価」なのか 近年、納税額の少ない人間を「税金泥棒」と呼ぶ言説が登場し話題になっている。この興味深い言説が登場した経緯を簡単に振り返ってみよう。 金融庁のワーキンググループによる報告書——「平均的な高齢夫婦の場合、毎月およそ5万円の赤字が続き、退職後の30年間でおよそ2000万円の不足が生じる」、「若いうちから積立、分散、長期の投資などを奨励」——を受けて6月4日に麻生太郎財務相が記者に対して、「100まで生きる前提で退職金って計算したことあるか?」と説教を始めた映像に国民の多くが面食らった。 報告書に示される、威圧的な文字列に恐慌を覚えたこともさることながら、なぜこの財務大臣は、「100年安心」という建前を反故にする内容をこうまで偉そうに語ることができるの
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