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ブックマーク / book.asahi.com (31)

  • 「色川大吉歴史論集」書評 「歴史の辛さ」ともにかみしめ|好書好日

    深沢村の土蔵から五日市憲法草案を発見し、学会に波紋を投げた剛骨の民衆史家・色川大吉の歴史論集。歴史学者たちへの回想や宮沢賢治、憲法についてなど、折々に発表した珠玉の歴史論… 色川大吉歴史論集 近代の光と闇 [著]色川大吉 天皇制の是非について2人の歴史学者が対談した。 A「これは憲法にあきらかなように、すべて国民に任せるという気持です」 B「国民が望むか望まないかの問題ですね、場合によっては天皇制は無くなってもよい」 A「そういうことだと思います」 B「昭和という元号についてはどうですか」 A「西暦にしたらよいですよ。(元号は)なにかにつけ、とても不便です」 Aは、昭和天皇の弟で古代オリエント史学者の三笠宮崇仁(たかひと)、Bは書の著者色川大吉である。戦後すぐ、三笠宮は東大文学部で西洋史を、色川は日史を学んだ。右のやりとりは、もともと1974年に月刊誌に掲載された対談の一節。三笠宮との

    「色川大吉歴史論集」書評 「歴史の辛さ」ともにかみしめ|好書好日
  • 「会津という神話」書評 呼び戻された「悲劇」の死者|好書好日

    会津という神話 〈二つの戦後〉をめぐる〈死者の政治学〉 (MINERVA人文・社会科学叢書) 著者:田中 悟 出版社:ミネルヴァ書房 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理 幕末維新期、多くの戦死者を出した会津は、「犬死に」ともいえる不条理をその後いかに克服したのか。戊辰戦争や西南戦争での戦死者を会津の人々がどのように認識し、自らのアイデンテ… 会津という神話 〈二つの戦後〉をめぐる〈死者の政治学〉 [著]田中悟 「いまだに長州への怨念(おんねん)を抱いている」 お酒の席でそんな思いを吐露する会津の人と、私はこれまで何度も出会ってきた。幕末の戊辰戦争で長州軍にさんざん痛めつけられた会津は、いまでもその時の恨みを忘れていないというのである。 しかし、書の著者はそのような感情は戦後になって高揚したもので、戦前・戦中の会津では、長州人と同じ「勤皇精神」の持ち主だという思いが大勢を占めていたという。「

    「会津という神話」書評 呼び戻された「悲劇」の死者|好書好日
  • 「江戸日本の転換点」書評 列島改造!! 成長の限界に直面|好書好日

    江戸日の転換点 水田の激増は何をもたらしたか (NHKブックス) 著者:武井 弘一 出版社:NHK出版 ジャンル:新書・選書・ブックレット 江戸日の転換点―水田の激増は何をもたらしたか [著] 武井弘一 明治以後、江戸時代の社会は、概して否定的に見られてきた。それが参照すべきものとして見られるようになったのは、むしろ近年である。それは、戦後日で、「日列島改造」と呼ばれた経済の高度成長があったあと、成長の停滞とともに、環境問題など、さまざまな矛盾が露呈してきたことと関連している。そのため、江戸時代に、低成長で持続可能な経済のモデルが見いだされるようになった。 書が覆すのは、江戸時代にそのように静的な社会があったという見方である。実は、17世紀に日中で、新田開発が進められた。見渡すかぎり広がるような水田の風景が生まれたのはこの時期である。それまで水田は主として山地にあった。これこそ

    「江戸日本の転換点」書評 列島改造!! 成長の限界に直面|好書好日
    lotus3000
    lotus3000 2015/05/27
    これはすごい。
  • asahi.com:滝山コミューン 一九七四 [著]原武史 - 書評 - BOOK

    滝山コミューン 一九七四 [著]原武史 [掲載]2007年06月10日 [評者]北田暁大(東京大学准教授・社会学) ■集団主義的理想の欺瞞を浮き彫りに 書は、とても繊細で美しく、そしてまた独特の苦みを持った、郊外空間をめぐるドキュメンタリーである。舞台は、62年生まれの主人公=著者が、69年から75年まで、つまり小学1年から中学1年までの6年ほどを過ごした東京都東久留米市の滝山団地。この団地と、この団地の児童が圧倒的多数を占める市立第七小学校に生起する日常的な出来事群を、小学生の頃の著者の目を通して読者は追体験することとなる。 ただ、ここで書きとめられている出来事は、泥まみれで野山を駆け巡ったり、友人と殴り合いのケンカをしたり、といったいわゆるノスタルジーを喚起させるものではない。7〜8人によって構成される班に分かれ、勉強や生活、課外活動などで競い合ったり、委員長、書記などを含む代表児童

  • 書評・最新書評 : 靖国問題の原点 三土修平著 宗教性と公共性を併せ持つ「両棲動物」 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    「靖国問題」を主題とするは数多(あまた)出版されているが、特定イデオロギーに染め抜かれた、「内輪」向けの論考ばかり。読むに値しないものが殆(ほとん)どである。 断言するが、近年上梓(じょうし)された夥(おびただ)しい靖国関連書のなかで、読むに足る内容を備えているのは書のみである。 まず、この問題を論じる際、必ず持ち出される「政教分離」と「戦争責任」。書はこの二つを金科玉条としない。 「政教分離」は各国の歴史的事情によって様々なかたちがあるという。例えば、関東大震災と東京大空襲の犠牲者の追悼施設「東京都慰霊堂」は、都の所有と管理の下にある。ところが春秋の慰霊祭は仏式で執り行われる。「政教分離」は杓子定規(しゃくしじょうぎ)に適用されていないのである。 「戦争責任」に関しても、右の「謀略史観」、左の「せっかく史観」に基づく議論は、戦後社会のリアルな変化を冷静に認識する妨げになっていると批

    書評・最新書評 : 靖国問題の原点 三土修平著 宗教性と公共性を併せ持つ「両棲動物」 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • asahi.com: 歴史用語に「ふりがな」付き - BOOK

  • 書評・最新書評 : 9人の児童性虐待者 [著]パメラ・D・シュルツ  | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    lotus3000
    lotus3000 2013/08/29
  • 書評・最新書評 : 帝国のはざまで―朝鮮近代とナショナリズム [著]アンドレ・シュミット | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■日清戦後に芽生えていた「近代国家」 韓国北朝鮮は、ナショナリズムの強い国だという印象がある。そしてそれが「反日」的であるのは、日の植民地化への民族的な抵抗の中で形成されたためだと理解されているように思う。 しかし書はこうした近代朝鮮のナショナリズム形成についての理解を、それが生み出された時点に立ち返って、修正するものである。近代朝鮮の民族主義を生み出す決定的なきっかけになったのは、日の植民地化が始まる以前に、資主義世界体制への編入を迫る西欧の衝撃であったというのが、ここでの説明である。 そのナショナリズムを作り出した媒体は、日清戦争後の1895年から、次々とソウルの知識人によって創刊された新聞だった。それらの新聞に見られた「文明国」に追いつこうとする知識人の民族主義の論理が、第2次世界大戦後の韓国北朝鮮のナショナリズムの原型になったというのである。 著者はカナダのトロント大学

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  • コラム別に読む : ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」 [著]安田浩一、山本一郎、中川淳一郎 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■自分陣営の居心地悪さ 「ならず者の最後の逃げ場が愛国」なんてセリフがありましたが、コリアンタウンで「チョーセン死ね!」とか言ってる在特会など見てると「まさにソレだ」と思う。私も「和より韓国料理のほうが旨い」と言ったら「半島へ帰れ」と言われた。帰れと言われても。 自分が気に入らないことを言う相手はすべて「韓国朝鮮在日認定」。それで聞くに堪えないようなヘイトスピーチを繰り返す。冷静に考えて「マトモではない」。どんな時代でもそういう層は表面に湧きだしてくるだろうが、やはり「いったいなぜそんなことに」という気持ちは抑えられないもので、書の共著者である安田浩一の『ネットと愛国』などは、そういう気持ちを晴らしてくれる素晴らしい書であった。 このは「ネット右翼」をバカにするだ。知性もなく、ついでに職もカネもなく、一対一になったらいきなり弱っちくなるような、救いようのない小物、それがネット右翼で

    コラム別に読む : ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」 [著]安田浩一、山本一郎、中川淳一郎 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • コラム別に読む : 藤原道長の日常生活 [著]倉本一宏 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■道長の奥さんがうらやましい 藤原道長といえば「平安時代に出世を極めた男」だが、いったいどういう人なのか考えたこともなかった。光源氏のモデルという話もあった気がするが、ハンサムとかそういう方面のことは想像にも浮かばず。では、権謀術数を駆使する朝廷の実力者かといえば、「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたる事も無しと思へば」なんていう和歌を大喜びで詠んじゃうあたりに、「地位大好きお金大好きオヤジ」的なものを感じ、ロマンが混入する余地はない。 道長は『御堂関白記』を書いていて、これは道長個人の備忘録である。道長は「わしが死んだらさっさと捨てろ」と遺言したらしいが、ずっと家宝として残され今は国宝。この日記を詳しく読んでいくと道長の日常生活がわかる、というのがこのの眼目であります。なにしろ舞台が平安朝、教科書で知ってる人たちが実際に活躍していて、おまけに道長はすぐ感激して泣いたり、自分をホメてい

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    lotus3000
    lotus3000 2013/04/25
  • 「トクヴィルの憂鬱」書評 平衡を踏みにじる群衆の暴政|好書好日

    【渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトンジャパン特別賞(第29回)】【サントリー学芸賞(第34回)】ロマン主義世代として悩み、憂に襲われたトクヴィルの実像を描き出す試み。トク… トクヴィルの憂 フランス・ロマン主義と〈世代〉の誕生 [著]高山裕二 革命とナポレオン専制を経た19世紀前半のフランス。身分制から解放された「新しい社会」には、自分が何者でもないという不安に苛(さいな)まれる「新しい世代」が誕生した。社会的拘束から自由になり、個人として偉大な事業を成し遂げたいという野心を持つ一方で、彼らは明確な存在根拠を失い、平準化する社会の中で孤独感と恐怖に苦しんだ。 トクヴィルは、新しい世代の苦悩を体現する人物だった。彼は「全般的な懐疑」の念を有し、不信を深めた。彼は人間の不完全性を自覚し、理性では掌握できない精神的な次元を人間が有していると考えた。トクヴィルは「絶対や完全」を根から疑った。し

    「トクヴィルの憂鬱」書評 平衡を踏みにじる群衆の暴政|好書好日
    lotus3000
    lotus3000 2013/03/31
    貴族出身だからこそ見えたのかなあ。
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012102400001.html

    lotus3000
    lotus3000 2012/11/18
    愛について。フィードバックの速さが問題かな。
  • 「福田恆存 人間は弱い」書評 庶民への愛と知的俗物への嫌悪|好書好日

    戦後日を代表する保守派の論客として、新劇の劇作家・演出家・翻訳家として、多岐にわたり活躍した福田恆存。彼が展開した演戯論・平和論・恋愛論・国語論はいかにして形成されたの… 福田恆存 人間は弱い [著]川久保剛 今年は福田恆存(つねあり)生誕100年にあたる。近年、福田に注目が集まり、再評価が進んでいる。書は若手研究者による格的な評伝である。 福田は東京・神田の下町で職人に囲まれて育った。そこで身に付いた職人気質が、庶民の良識を重視し、俗流インテリへの批判的態度へとつながる。 福田は大学時代、英文学とともに「生の哲学」に関心を寄せた。福田は人間の非合理的な生命の力を直視し、理性の無謬性(むびゅうせい)を疑った。 福田の懐疑は、イデオロギーに身を寄せる知識人への批判となって現れた。そして、文芸批評の先駆者・小林秀雄への痛烈な批判へと展開した。福田にとって、近代人の内面の空虚に迫った小林は

    「福田恆存 人間は弱い」書評 庶民への愛と知的俗物への嫌悪|好書好日
    lotus3000
    lotus3000 2012/10/23
    福田恆存の系譜としての保守主義の系譜はありそうだ。だけど人はその弱さ故に理性に走るともいえるのではないかな。
  • 「官僚制としての日本陸軍」書評 明治の政軍関係、解体の過程描く|好書好日

    昭和の陸軍は、なぜ崩壊したか? 近代軍事史を背景に、皇道派や統制派といった派閥対立の実態や支那課官僚の動向、宇垣一成の同時代観などの検証を通して、昭和陸軍の興隆と没落を描… 官僚制としての日陸軍 [著]北岡伸一 著者は冒頭で、書が「近代日における政軍関係の特質を、さまざまな角度から明らかにしようとするもの」と語る。日陸軍の誤謬(ごびゅう)を昭和のある時期を起点に明治の建軍期にさかのぼるという手法に対して、著者は「明治国家において確立された政軍関係」がいかに解体されたのかを確認したいとの姿勢を明確にしている。 この論点を浮きぼりにするために、書は序章を含めて5章から構成される。1979年(第3章)、85年(第2章)、91年(第1章)にそれぞれ発表された論文に、今回新しく序章「予備的考察」と第4章「宇垣一成の一五年戦争批判」が書き下ろされた。序章では、明治憲法の不透明さが政治家や軍人

    「官僚制としての日本陸軍」書評 明治の政軍関係、解体の過程描く|好書好日
  • asahi.com: 『ニューヨークタイムズ』神話 [著]ハワード・フリール、リチャード・フォーク - 書評 - BOOK

    米国メディア界の旗手であり「公的政策に関する問題について、最も権威ある情報源であり指針」とされてきたのがニューヨーク・タイムズ紙だ。書はその高級紙の報道が、いかに米国の対外政策を誤らせてきたかを、個々の記事を引用しつつ検証する。ベトナム戦争時のトンキン湾事件やニカラグア問題の報道も引き合いに出されるが、圧巻はやはり、至近のイラク戦争報道をめぐる点検作業だ。 侵攻の「大義」とされたイラクの大量破壊兵器保有については、国際原子力機関(IAEA)の査察報告などから、疑問視する見方が有力だった。しかし、タイムズ紙上では、それらはほぼ無視され、根拠の乏しい政府高官などの匿名情報により、ブッシュ政権の開戦プロパガンダに手を貸す報道が繰り返されたことが綿密に解き明かされる。 リベラルホーク(リベラルなタカ派)の論者を多用してイラク侵攻を支持したかと思うと、開戦直前には国際協調体制を理由に反対に回るとい

  • 【レビュー・書評】現代人はキリスト教を信じられるか―懐疑と信仰のはざまで [著]ピーター・L・バーガー - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    現代人はキリスト教を信じられるか―懐疑と信仰のはざまで [著]ピーター・L・バーガー[掲載]2009年8月30日[評者]久保文明(東京大学教授・アメリカ政治)■なぜ人は信仰を持とうとするのか 書は、著名な社会学者バーガーによるキリスト教徒としての実践の書である。著者はキリスト教について、さまざまな疑問があることを認めつつ、最終的には肯定的な理解ができることを静かに語りかける(原書の副題は「キリスト教の懐疑的な肯定」となっている)。 著者は冒頭で告白する。現在の神学や派閥はどれも肌に合わない。ルター派を自認しているが、ルター派教会とは肌が合わないため、聖公会の教会に出席している。もっとも居心地よく感ずるのはリベラルなプロテスタントだが、それはこの教派が懐疑と信仰のバランスを保っているからである。現代という時代から逃避することなくキリスト教徒であり続けるには、このバランスが不可欠である。今日

  • 湯浅誠「ヒーローを待っていても世界は変わらない」書評 面倒な民主主義と向き合う|好書好日

    ヒーローを待っていても世界は変わらない [著]湯浅誠 2008年末の年越し派遣村で村長として活躍した湯浅誠。彼は通算2年、内閣府参与を務め、現在は大阪を拠点に活動する。民間と行政を経験した湯浅が考える民主主義とは何か。橋下徹現象をどう見るか。 民主制は、どこまでも面倒くさい。多様な人々の異なる意見を闘わせつつ、互いに調整しなければならないからだ。しかし、特定のテーマに強い執着を持っている人ほど、「自分はわかっている」と思っているために、冷静に異なる意見を聞くことができない。相手をすぐに否定したがる。しかも粘り強く調整を行っていると、なかなか物事が決まらない上に、様々な妥協を強いられる。 すると、どうなるか。多くの人々がイライラし始め、「決めてくれ。ただし自分の思い通りに」と考えるようになっていく。ここに利害調整の拒否を伴うヒーロー待望論が出現する。 この現象は、政治システムへの不信と直結し

    湯浅誠「ヒーローを待っていても世界は変わらない」書評 面倒な民主主義と向き合う|好書好日
  • 安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日

    【JCJ賞(第55回)】【講談社ノンフィクション賞(第34回)】差別的な言葉を使って街宣活動を行う日最大の「市民保守団体」在特会(在日特権を許さない市民の会)。現代日… ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一 在日コリアンに差別的なスローガンを浴びせかけ、過激な行動を繰り返す在特会(在日特権を許さない市民の会)。彼らがデモで叫ぶ罵声は、侮蔑の言葉で満ちている。安田はメンバーへの取材を繰り返し、その実像に迫る。 在特会の生みの親は、桜井誠。現在も会長として運動の先頭に立つ。しかし、その来歴や素顔は判然としない。安田は、彼の地元を取材し、その「地味」で「目立たない」青少年期を明らかにする。 無口で物静かな少年は、いかにして冗舌で攻撃的な「ネット右翼のカリスマ」になったのか。桜井は、ネット掲示板韓国北朝鮮を批判し、注目を集める。次第に一部で過激なスタイルが受けはじめると

    安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日
  • 書評・最新書評 : 江戸後期の思想空間 [著]前田勉/平田篤胤―霊魂のゆくえ [著]吉田真樹 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■現在につながる過去の思想の営み 国境をこえた情報の交流が一段と進むなか、日国内では経済競争が激しくなって所得の格差がひろがり、人間はそれまでの社会の温かな紐帯(ちゅうたい)から切り離されてしまった。そうして自分がたった一人の存在だという自覚を深めた人々のうち、ある者は才覚を発揮してのしあがることを世に呼びかけ、ある者は「負け組」の悲哀をかみしめながら、偉大なる共同体としての国家と合一する夢をみるようになる。 これは、グローバリゼーションが進む現代の話でも、ナショナリズムの世紀と呼ばれた二十世紀の話でもない。実はすでに徳川時代、市場経済の発展期である十八世紀後半の、日の知識人に広く見られた傾向であった。この現象を、前田勉の新著は、儒学・国学・洋学・水戸学といった、さまざまな徳川思想の潮流について、跡づけている。 とりわけ、「孤独な知識人の夢」という副題をそえた、居宣長をめぐる章が印象

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  • コラム別に読む : 日本型福祉の終わり 大野更紗さんが選ぶ本 - 大野更紗(作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    昨年12月、東京・新宿で開かれた大学生向けの合同企業説明会。新卒一括採用も、「日型雇用システム」の一つだ ■「家族の革命」が進んでいる 肌がひりつくような焦りと不安を、誰しもが感じている。 震災や原発事故は「わかってはいたが、見ないふりをしてきた」脆弱(ぜいじゃく)性を一気に露呈させた。戦後社会を支えてきた「日型福祉」。その二柱である「家族内福祉」と「企業内福祉」の瓦解(がかい)は指摘されて久しい。時間は、とっくに切れている。 これまでのやり方は、急速にうまくゆかなくなる。途方もない人口動態のインパクトがやってくる。2020年には65歳以上の老年人口は3600万人を突破する。60年ごろにはこの傾向はピークをむかえ、人口の約40%、約2・5人に1人が65歳以上になると予測されている。日は近代国家が経験したことのない、未知の超高齢化社会をむかえうつのだ。 デンマーク生まれの社会学者エス

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