「雇用の調整弁」ではなく「丸ごとの人」として。多文化共生都市・浜松で今必要な「ソーシャルワーク」の実際 静岡県浜松市。人口80万を超える県最大の都市で、いわゆる外国人の「集住地域」としても知られる。 ブラジルなど南米からの日系人とその子孫が多いことが特徴だが、市内で暮らす住民の出身国・地域は、フィリピンやベトナム、中国、ペルーなど、日本を含めて90近くにのぼる。 浜松市民のうち外国籍者は2.5万人強(今年7月時点)を数え、在留外国人273万人(昨年末時点)の大体100人に1人が浜松市民という計算になる。外国人住民の割合は市全体の3%を超えており、全国平均(2%強)に比べてかなり高い。だが、かつては4%を超えていた時期もあった。 減少の大きな理由は2008年9月のリーマンショック。派遣切りを含む大量失業で、多くのブラジル人らが止むを得ず帰国を決めた。外国人住民の数は同年11月(33,702人