昨日付けで理化学研究所から「STAP現象の検証の中間報告について」公表されました。記者会見は、これまでの一連の発表と同様に動画配信されたようですが、即日のうちにテープ起こしがメディアに公表されてはいないことから、いっときよりも社会の関心は冷めたように思われます。 私自身は動画は見ていませんが、発表されたスライド資料から、どのような結果であったのかは十分理解できました。多くの科学者が予測したであろうことですが、1月末に発表されたNature論文(←すでに取り下げ済み)のプロトコル(実験の手順)に従って、生後5〜10日のマウス脾臓から得られた細胞をpH5.7程度の酸で25分間処理した細胞を培養した場合、22回の実験のうち半数程度に細胞塊が出現したものの(おそらく、死にかけの細胞が塊をつくったのではないかと想像します)、仕込んであった多能性細胞のマーカー遺伝子(Oct3/4-GFP)の発現誘導は
兵庫県警察本部に入った連絡によりますと、5日午前、STAP細胞の論文の著者の1人で、神戸市にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が、研究センターの敷地内で首をつっているのが見つかったということです。 現在、病院に運ばれ救命措置中だということです。 警察は、遺書が残されていることから、自殺を図ったとみて詳しい状況を調べています。
東京大学は1日、分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授の研究グループが発表した5本の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったとする調査報告書を公表した。論文執筆時に加藤氏が直接、捏造、改ざんをしたことは確認できなかったとした。しかし、科学誌掲載後に編集部から指摘を受けた際、論文撤回を避けようと、実験ノートの捏造・改ざんを研究員に指示していたと結論づけた。 加藤氏は日本を代表する分子生物学者で、病気の原因となる遺伝子の働きなどの研究で知られる。一連の研究は約15年間で30億円以上の公的研究費が投じられている。東大は今後、関係者の処分と研究費の返還を検討する。 捏造、改ざんがあったのは2002年~07年に科学誌に掲載された女性ホルモンに関する論文など5本。いずれも撤回されている。
妻に大量の水を飲ませるなどして死なせたとして、熊本市の私立大学の准教授ら3人が傷害致死の疑いで逮捕されました。 准教授らは「悪霊を払うためにやった」などと供述しているということで、警察で詳しい経緯を調べています。 逮捕されたのは、熊本市東区長嶺南の崇城大学准教授、福田耕才容疑者(52)と、自称、祈とう師の野田英子容疑者(81)ら3人です。 警察によりますと、3人は先月21日、野田容疑者のアパートの部屋で福田容疑者の妻の利恵さん(51)を押さえつけ、大量の水を飲ませるなどの暴行を加えた疑いがあるということです。 利恵さんは搬送先の病院で翌日の朝、死亡し、警察は3人を傷害致死の疑いで逮捕しました。 警察の調べに対し、福田容疑者らは「悪霊がついているから、おはらいをしようと水を飲ませた」などと供述しているということです。 警察によりますと、野田容疑者は30年以上前から祈とう師を名乗っておはらいを
ついに小保方さんがNatureに掲載された二報のSTAP細胞論文を撤回することで同意したらしい。 STAP主論文撤回へ 小保方氏同意、研究白紙に: 日本経済新聞 これでSTAP細胞の存在は白紙に戻ったわけだが、小保方さんが参加予定のSTAP細胞の再現実験の検証作業の方はどうなるのだろうか。 ところで今回の事件からは多くのことが浮き彫りとなった。一部の大学院ではきわめてずさんな博士論文審査が行われていること、一流の研究機関や研究者でも簡単に捏造疑惑の渦中に入りうること、これらの機関や研究者は問題が露呈したときのリスクマネージがうまくできず保身に走りうること、研究者と一般人との感覚が乖離していること、などなど、挙げればきりがない。 ただし、その一方で、本事件はポジティブな指針も与えてくれた。それは、研究者のキャリアパスの歩み方についての指針である。 今回、たとえ日本最高峰の研究機関であっても、
にもかかわらず、ちょっと心は沈んでおります。 今朝見た朝日の記事にかなり衝撃を受けてしまいました。例の「理研騒動」で処分を受けることが想定されている側の弁護団の弁明書が報道陣に公表されたという報道です。その中で投稿した論文原稿に対して戻ってきたコメントへの対応について書かれた部分があるのですが、少なくとも科学をするものとしては「常軌を逸した」態度と言わざるを得ないことが書かれていました。 例の論文はNatureに投稿される前に、Scieneなどにも投稿されていたということなのですが、Scienceの判断はリジェクト(つまり、再投稿不可)だったのですが、それに対してこんなことが述べられています。 ・サイエンス誌からのメールでは、論文が却下されただけでなく再投稿が許可されていない。コメント(指摘)を精査することは通常ない。再投稿できないのであれば、意味がないからだ。 我々はたとえリジェクトされ
アルツハイマー病研究の国内第一人者である岩坪威(たけし)東大教授が、自ら代表研究者を務める国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」のデータ改ざん疑惑について東大が調査を始めた後に、証拠となるデータをJ―ADNI側が書き換えた事実を知りながら、関係者に口止めをするメールを送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。岩坪氏は厚生労働省から調査中のデータ保全を要請されて承諾していたが、実際はデータの書き換えを知りつつ隠そうとしていた。 厚労省は「保全を求めたものに少しでも手を加えるのはおかしい」として27日にも岩坪教授から事情を聴く方針だ。研究トップが調査妨害工作に加担した疑いが浮上し、研究体制が見直される可能性が出てきた。 被験者の症状や検査時間を改ざんした疑惑を朝日新聞が1月に報じた後、厚労省は岩坪教授にデータ保全を要請し、東大に調査を依頼した。ところがその調査中、J―ADNIのデータセンタ
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4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 本ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで
「STAP細胞」問題で4月9日に会見した理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは、理研への思いや、論文発表後の過熱報道、自身の体調などについても、記者からの質問に答える形で語った(関連記事:「STAP細胞作製、200回以上成功」「実験ノートは2冊ではない」「研究続けたい」 会見で小保方氏が語ったこと)。 説明したい意志、理研に伝えていた 小保方氏は、1月末に理研が開いたNature論文発表会見以降、メディアの前から姿を消し、論文への疑義に対する反論や説明なども行わなかった。「何度も、わたしの口から説明させてほしいと理研に希望を出したり、コメントの案を作ったりしていたが、理研が、それは適切ではないという判断で、きょうまで発表することができなかった」という。 「理研の指導が十分だったか」という質問には、「いろんな先生方が協力してくださってたくさん助けていただいたが、わたしの力不足だった」と回
小保方氏が理研に提出した不服申立書のスキャン画像 (毎日新聞) 不服申立書の全文 上 (写し)(読売新聞) 不服申立書の全文 下 (写し)(読売新聞) 理化学研究所・小保方晴子ユニットリーダーらによる記者会見(Ustream) 【会見1】会見冒頭全文、【会見2】弁護士による不服申立て全文、【会見3】質疑応答全文 (logmi) 参考記事 【STAP問題】小保方氏の説明に矛盾点 新証拠示せるか(共同通信) " 不服申立書によると、正しい画像の撮影日は2012年6月。しかし、英科学誌ネイチャーに最初に論文を投稿したのは12年4月で、それより後に撮影した画像と取り違えようがなく、主張に矛盾がある 。この画像が本当に正しいかどうか、代理人弁護士も「はっきりした証拠は、弁護団のところにはない」と述べている。" 小保方氏「基礎的倫理観 身に付いていない」(蔵田伸雄・北海道大教授(科学技術倫理)) "不
昨日(2014年4月9日)の小保方晴子博士の記者会見に関して、私もいくつか取材を受けました。 私の考えは以下です。 小保方博士が勇気を振り絞って自分の言葉で語ったのは高く評価する。理研に一方的に罪をなすりつけられたようになっているので、反論は権利として不可欠。 その上で、発言内容には疑問が残る。 STAP現象があると断言したが、それは涙や言葉でいくら言ったところでだめで、科学的にきちんと検証するしかない。証拠、データ等があるなら、提示すべき。 あるデータを加工することは、たとえ「ねつ造」と呼ばなくても「misconduct」ではあり、重大な過失であると考える。その責任をどう取るのか。 論文に問題があるなら撤回すべき。また、データに自信があるのなら撤回してやり直せるはず。 STAP現象200回確認は本当か。 「未熟」「自己流」「不勉強」を強調していたが、そう強調すればするほど、「ユニットリー
本日、筆頭著者の記者会見がありました。ねつ造などが指摘されているNatureの論文2本ともの筆頭著者です。 いつものようにすごい論文や興味深い論文の紹介記事ではないので気が重いのですが、すんなりと世の中に受け入れられていたら歴史的論文となる可能性もあった2編です。 Articleと呼ばれる長い論文の著者は8名、Letterと呼ばれる短い論文の著者は11名で、いずれも筆頭著者は同じです。筆頭著者の次に重要な責任著者とも言われる最後にクレジットされるLast authorはそれぞれ異なります。 この2編ともの論文に疑義が生じていますので、両者の筆頭著者の責任は非常に大きいということは誰でもが思っていることです。この論文が発表された時に国内でのプレスリリースの舞台になったのが理研CDB(発生再生科学総合研究センター)でプレスリリースでは理研の成果として発表されていましたので、その結果生じた責任問
■篠原彰・大阪大蛋白(たんぱく)質研究所教授(分子生物学)の話 小保方晴子氏の不服申立書を読むと、悪意の認定についてなど裁判的な内容になっているが、そういう論争に持ち込むのはおかしい。研究不正ではないという不服申し立てを行うなら、あくまで科学者の立場で今回の疑義に反証してほしかった。特に不正については自身の所有する生データを開示すれば全ての疑義を解消できる。開示できないこと自体、非常に不思議だ。 STAP細胞を見たと主張するなら、そのデータをきっちり出すべきだ。これだけ疑義がある中では、その実験データ(結果)が正しいという客観的な判断材料(証拠)がないと、主張はなかなか受け入れられない状況だ。 捏造とされた流用画像に関しては“何らかの意図”がないとできない操作で、単純ミスとはいえない。置き換えたと主張する基の図も、博士論文にあった画像説明を消しており、これも意図的と判断せざるを得ない
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