神戸地裁は1月12日、警察の過剰な所持品検査に対し、賠償を命じる判決を言い渡した。 この裁判は、神戸市内の50代男性が起こした。神戸新聞によると、男性は2012年、車で仮眠をとっていたところ、警察から職務質問を受けた。男性は車内の確認には応じたが、所持品のかばんについては拒否。しかし、警察から再三の「説得」があり、中身を見せることになった。中から出てきたのは「大人のおもちゃ」だったという。 男性は精神的苦痛を受けたとして、兵庫県に対して10万円の損害賠償を求めて提訴。山口浩司裁判長は、プライバシー侵害の度合いが高く「限度を逸脱している」として、兵庫県に3万円の支払いを命じた。 一般的に職務質問や所持品検査は「任意」とされている。しかし、今回のケースのように実際に拒否することは難しいこともある。今回の判決をどう見るか、岩井羊一弁護士に聞いた。 ●例外はあるものの、所持品検査には「令状」が必要
千葉県にあった飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜 北習志野店」で、アルバイトの男子大学生の顔を殴ったなどとして、千葉県警は11月28日、元従業員の男性(53)を暴行容疑で逮捕した。男子学生を支援するブラックバイトユニオンによると、ブラックバイト問題で逮捕者が出るのははじめて。 逮捕を受けて、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開いた男子学生は「怖くてやめられなかった。自分のことが解決できれば、(ブラックバイト問題で困っている)他の人も解決しやすくなると思う。やっと一歩進んだという感じ」とコメントした。 このフランチャイズ(FC)店舗をめぐっては、男子学生が、最長122日連続出勤など過酷な労働を強いられたとして、運営していた「DWE JAPAN社」側に未払い賃金や慰謝料などを求め、千葉地裁で係争中。男子学生は今年6月、逮捕された男性やその妻である元店長から、包丁で肩を刺されたり、首をしめ
外国人技能実習生として、岐阜県の鋳造会社で働いていたフィリピン人男性、ジョーイ・トクナンさん(当時27歳)が亡くなったことについて、岐阜労働基準監督署は8月、長時間労働による「過労死」として認定した。 報道によると、ジョーイさんは技能実習生として、2011年8月に来日し、岐阜県の鋳造会社で働いていた。ところが、2014年4月、心疾患のために従業員寮で亡くなった。亡くなる前の3カ月間、1カ月に96時間〜115時間の時間外労働をしていたという。 外国人技能実習制度は、日本の技術を学んでもらうことを目的に外国人を受け入れる制度だが、その労働環境は「劣悪だ」という批判も多い。技能実習生の労働実態や移民受入れのあり方について、入管法など外国人の法律問題にくわしい山脇康嗣弁護士に聞いた。 ●「安価な労働力確保」のための手段になっている そもそも「外国人技能実習制度」の建前は、途上国に技術を伝え、その国
政府は、長時間労働の抑制など働き方改革の実現に向け、「働き方改革実現会議」を設置し、本格的な議論を始めた。9月7日には、労働者に事実上無制限の残業を課すことができる労働基準法の「36協定」の運用を見直し、1ヶ月の残業時間に上限を設定する検討に入ったことが報じられた。 36協定を結んだ場合には、現行法でも、残業の上限を「1ヶ月45時間」と定めている。しかし、実際は例外規定に基づき、労使の合意があれば上限は守らなくていい。報道によれば、上限を超える残業を原則禁止とし、違反した場合の罰則規定を設けることなどの具体策を練る。 36協定の運用見直しや、罰則規定の新設で残業規制は強化できるのだろうか。実現に向けた課題について、今泉義竜弁護士に話を聞いた。 ●「インターバル規制や労基監督官の増員・権限強化も」 「36協定を締結していても、実際には特別条項により過労死ラインである月80時間以上の残業も合法
従軍慰安婦問題の記事を書いた元朝日新聞記者の植村隆氏を父に持つ19歳の女性が、ツイッターに自身の顔写真や誹謗中傷の投稿をされたとして、投稿主の中年男性に損害賠償を求めていた訴訟の判決が8月3日、東京地裁であった。裁判所は「投稿が、原告のプライバシーや肖像権を侵害する違法なものであることは明らか」として、男性に請求通りの170万円を支払うよう命じた。 判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した、女性側弁護団長の阪口徳雄弁護士は、「(同種の裁判で)一般個人の慰謝料の金額としては異例。無関係な家族や子どもをネット上で攻撃する風潮はあってはならないという、裁判所の考えが表れているのではないか」と話した。 植村氏は1991年、従軍慰安婦問題に関する記事を書いた。2014年3月に朝日新聞を退職したが、一部週刊誌が記事の内容を「捏造」と報道したことから、ネットを中心にバッシングが発生した。 朝日新聞
日本で生まれ育ったタイ人の少年らが、入国管理局の退去強制処分の取消しを求めていた訴訟で、東京地裁は6月30日、少年側の請求を棄却する判決を下した。少年側は「判決は不当だ」として控訴する方針。 ●「在留特別許可」が認められず この少年は、山梨県甲府市の高校2年ウォン・ウティナン君(16)。2000年に甲府市で生まれたが、タイ人の母親が不法滞在であることなどから、小学校に通わなかった。その後、甲府市の人権団体から日本語の学習支援を受けて中学校に編入し、日本の学校生活にも慣れた。 ウティナン君は2013年夏、東京入国管理局に「在留特別許可」を申請したが、2014年に退去強制処分を下された。ウティナン君と母親は2015年、国を相手取って、処分の取り消しを求めて提訴した。現在は、一時的に入管施設の収容から解放される「仮放免」という状態がつづいている。 ●ウティナン君「タイに居場所はない」 東京地裁の
若い女性たちのアダルトビデオ(AV)出演強要問題を考えるシンポジウムが5月26日、東京都内で開かれ、大学時代のAV出演疑惑がきっかけで、勤務していたテレビ局を退社したフリーアナウンサー、松本圭世さん(26)が登壇。AVだと聞かされず、「だまし討ち」のようかたちで撮影されたことを明かした。 松本さんはテレビ愛知でアナウンサーとして働いていたが、2014年に週刊誌で「現役アナAV出演疑惑」を取り上げられたことがきっかけで、同年に退社した。いわゆる素人ナンパもののAVで、当時大学生だった松本さんが男性器を模した飴をペロペロと舐めるシーンが映っていた。騒動が起きたあと、食事がノドを通らず、「世間の声がかなり厳しく、自殺まで考えたほどだった」と打ち明けた。 松本さんは「同情してほしいだとか、被害者アピールをしたいということではありません」と断ったうえで、「だまされる女性が悪いという風潮がある」「AV
アダルトビデオ(AV)業界の人々を騒然とさせた、NPO法人ヒューマンライツ・ナウの調査報告書。スカウトから声をかけられた若い女性たちが、本人の意に反するかたちでAV出演を強要されているというものだった。 [span>元AV女優で、AV業界の内情にくわしい川奈まり子さんは、弁護士ドットコムニュースのインタビューに答えた。その前半(元AV女優・川奈まり子さんが語る「出演強要」問題と業界の課題<上>https://www.bengo4.com/internet/n_4489/](span元AV女優で、AV業界の内情にくわしい川奈まり子さんは、弁護士ドットコムニュースのインタビューに答えた。その前半(元AV女優・川奈まり子さんが語る「出演強要」問題と業界の課題<上><https://www.bengo4.com/internet/n_4489/){target=_blank})では「『AV出演が合
週刊誌「週刊文春」に金銭トラブルを報じられ、自民党を離党した武藤貴也衆院議員(滋賀4区)の記者会見が8月26日、衆議院第二議員会館で開かれた。会見の模様はニコニコ生放送で中継された。武藤氏は、「これまで支援してきてくれた滋賀の皆様、今回ご迷惑をおかけしたすべての方におわび申し上げたい」と謝罪した。 週刊文春によると、武藤氏は昨年10月、学生時代からの知人に、ソフトウェア会社の新規公開株を「国会議員枠で買える」と持ちかけ、23人から4104万円を集めて、自身の政策秘書の口座に振り込ませた。しかし、株は実際には購入されず、出資金の一部が戻っていないとされている。 武藤氏は「自分自身の言葉で事実関係を説明すべきではないかと考えた。記事には書かれていない事実関係もある」と述べ、経緯を説明。知人に計1億円を預けていたが、返ってこなかったため、昨年10月に、穴埋めの話が出た。それが今回のやりとりだった
安保法案反対の若者たちを「極端な利己的考え」と批判して注目を浴び、週刊文春に「金銭トラブル」を報じられて、自民党を離党した武藤貴也衆院議員が8月26日、東京都内で記者会見を開き、謝罪の言葉を述べるとともに、週刊誌の報道について釈明した。 だが、この会見に出席できたのは、自民党の記者クラブと武藤議員の地元である滋賀県の県政記者クラブに所属している記者だけ。どちらのクラブにも所属していない雑誌記者やカメラマン、ネットニュースの記者たちは会見から閉め出され、「なぜ入れないんだ」と抗議した。 記者会見が始まる前、東京・永田町の衆議院第二議員会館の会議室では、武藤議員の秘書たちが、説明を求める雑誌記者らへの応対に追われていた。秘書たちは「混乱が生じるから」という説明を繰り返したが、締め出された記者たちは納得せず、武藤議員に直接話を聞こうと到着を待ち構えた。 ●「武藤さん、どうして雑誌は入れないんだ!
全国各地で安保法案の反対デモが行われているが、東京・永田町の国会前のデモでは、警察官によるデモ参加者の撮影が問題になっている。デモの現場で警察官に「犯罪が起きてもいないのに、デモ行為を警察がむやみやたらに撮って良いわけがない」と抗議をした「見守り弁護士」の小口幸人弁護士に話を聞いた。(取材・構成/具志堅浩二) ●粘り強く抗議して、撮影をやめさせた 今年7月15日、多くの参加者が集まった国会議事堂付近。小口弁護士は、警視庁の腕章をつけた警察官5~6名がカメラを手に持ち、デモの参加者を近い距離からしきりに撮影している光景を目にした。 小口弁護士は「警察によるデモ活動の撮影は、原則として憲法13条の趣旨に反しており、許されません」と当時を振り返る。 例外は、最高裁の判例(昭和44年12月24日)に基づいて、次の3点の要件をすべて満たしたときだけだという。 (1)現に犯罪が行われ、もしくは行われた
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