千葉市は同性同士や事実婚など多様なカップルを夫婦と同じような「パートナー」と公的に認める制度を導入する。事実婚を公的に認めるパートナー制度は全国初という。9月にパブリックコメント(意見公募)を行ったうえで、2019年4月の導入を目指す。市がこのほどまとめた要項案の概要によると、対象は市内在住か市内への転入を予定している成人。配偶者や当事者以外のパートナーがいないことや、近親者でないことが条件と
LGBTなど「性的マイノリティー」に関し、悩みを相談できる場や相談相手となる教職員が存在する小中学校のうち、69%がその存在を児童・生徒に周知していなかった。静岡理工科大(静岡県袋井市)の調査で判明した。文部科学省は相談体制の充実を全国の学校に呼び掛けているが、同大は対応が現場任せで「教諭の知識・経験不足で関わり方が分からないのでは」と分析。男女混合名簿導入など性別による区分を避ける小学校は74%、中学校は44%と対応に違いが出ていることも明らかになった。 文科省は2015年、性的マイノリティーの子どもが悩みを相談できるよう、教職員らによるサポートチームをつくることなどを全国の教育委員会に通知。自認する性別の制服・体操着の着用や多目的トイレの使用を認めるなど、各学校で実施されている配慮事例を紹介したが、実際の対応は現場任せになっている。
日本には他の先進国と比べて突出して多くの精神病床があり、専門家は「病床削減が入院長期化の抑制になる」と指摘している。 厚生労働省によると、日本の精神病床は2016年10月時点で33万4258床。経済協力開発機構(OECD)のまとめによると、人口1000人当たり2.63床で、OECDの加盟36カ国で最多だ。各国で統計の取り方が異なっているものの、2番目に多いベルギー(1.37床)の2倍近くに達している。 今回明らかになった入院期間50年以上の1773人の大半は、1950年代後半から60年代中ごろ病院に入った患者だ。橋本明・愛知県立大教授(精神医療史)は「病院増加で『収容一辺倒』の時期に入った人が長期化している」と言う。戦前は病院不足の中、精神病者監護法(1900年施行)で患者を自宅に閉じ込める私宅監置が認められていたが、50年の同法廃止と精神衛生法の施行で私宅監置が禁じられ、その後に病床数は
出所者の社会復帰を助けるNPO法人「マザーハウス」(東京都墨田区、五十嵐弘志理事長)は、出所者支援の一環として同事務所の隣に開設するカフェの改装費集めに、不特定多数の出資者を募るクラウドファンディングを活用する。カフェは「マリアカフェ」と名付け、当事者主体のコミュニティカフェとして、ミーティングやカウンセリングを行うほか、加害者家族やいじめ、ドメスティックバイオレンス(DV)被害、生活保護などに関する相談も受け付ける。 利用予定のスペースは、これまで倉庫として使われていたため、壁も床もコンクリートがむき出しでトイレやエアコンなどの設備も整っていない。現在は当事者スタッフ総出で塗装工事をしている段階だ。目標額は300万円で、出資額は1口2千円から。 5口以上の出資者には、受刑者が描いた世界に1つだけの絵画を使用した「獄中POSTシリーズ」ミニセット(ポストカード1枚、封筒1枚、便箋10枚)2
LGBTなど性的少数者を支援しようと、北海道内の行政書士や社会保険労務士が7日、一般社団法人「ENISHI」を設立した。遺言書作成など専門知識を生かした手助けで、性的少数者が少しでも自分らしく生きられるよう、支えていく活動を展開する。 メンバーは、札幌、旭川、千歳、江別、長沼の4市1町に事務所を構える11人。旭川市の佐々木啓さん(50)が代表理事を務める。 昨年、性的少数者の問題に興味を持つメンバーが集まり、当事者から話を聞くなかで、同性パートナーへの相続や性同一性障害のある人のトイレ問題など、様々な問題を抱えていることが分かった。一方で「遺言書やパートナーであることを証明する契約書など書類の作成や、職場の労務管理に関連することは、行政書士や社会保険労務士が詳しいので、支援できることもある」(佐々木さん)と、支援団体の設立にこぎつけた。 道内では、札幌市が昨年からパートナーシップ宣誓制度を
誰もが利用する大浴場の洗い場に、車椅子ごと入ってくる人を見かけたら、あなたはどう思うだろうか--。県西部の入浴施設で今年、「車椅子ごと大浴場に入りたい」と訴えた障害者の男性に、施設側は「車椅子は脱衣所まで」との見解を示した。障害者差別解消法(2016年施行)は民間事業者に対し、障害者からの要望には過重な負担にならない範囲で「合理的配慮」を提供することを努力義務とする。ただしどこまでの「配慮」が妥当なのか、線引きが難しいケースもある。入浴施設を例に考えた。【加藤沙波】 「ちょっと待って、車椅子ではダメだよ」。3月、大浴場に入ろうとした名古屋市の会社員男性が、従業員に呼び止められた。男性は事故で両足を切断し、車椅子を利用する。一緒に来た長女(4)とともに裸のまま、従業員から「車椅子は脱衣所までと決まっている」と注意を受けると、男性は車椅子から降り、腕の力で体を支え浴場に向かった。
マンション内にあるグループホームの自室で過ごす利用者の女性=大阪市内で2018年8月6日、幾島健太郎撮影 少人数の障害者が共同で生活するグループホーム(GH)を巡り、大阪市内の分譲マンションの管理組合が、部屋を借りてGHを運営する社会福祉法人に対し、「住宅以外の使用を禁じた管理規約に違反している」として、部屋の利用禁止を求める訴訟を大阪地裁に起こした。8日に第1回口頭弁論があり、法人側は請求棄却を求めた。 訴状などによると、このマンションは1988年築。法人は15年前から2部屋を借り、現在は知的障害がある女性6人が暮らしている。組合側は2016年に消防から指摘を受け、GH事業の実態を把握。管理規約に違反しているとして退去を求めたが、法人側は応じなかった。
養護施設に妊娠相談窓口 出産前から女性支え、虐待防止 静岡 静岡市葵区の児童養護施設「静岡ホーム」(藤田一敏園長)はこのほど、望まない妊娠に悩んだり、出産を迷ったりしている女性のためのメール相談窓口「メープルほっとライン」を開設した。同ホームは親による虐待などから養護が必要な子どもたちを支える施設で、担当の社会福祉士は「虐待防止の観点からも、妊娠に悩む女性の孤立を防いでいきたい」と話す。 思いがけない妊娠に関するメール相談窓口について、打ち合わせをする社会福祉士=静岡市葵区の「静岡ホーム」 県内では昨年、女子大学生による乳児遺体遺棄事件が発生した。妊娠に気付いた学生が誰にも悩みを打ち明けることなく出産に至ったと聞き、民間相談窓口の不足を感じた同ホーム社会福祉士の海野美香さん(55)が、社会福祉法人による社会貢献活動の一環として窓口設置を提案した。県内の児童養護施設に妊娠相談窓口が設置される
スクールソーシャルワーカー(SSW)という耳慣れない職名の人が学校や地域で働いている。不登校やいじめ問題への対応のため、文部科学省も配置を応援している。社会福祉士の 長汐道枝 (ながしお・みちえ) さんは2008年から東京都府中市のSSWを務める。仕事から見える子どもや家庭の姿、学校現場の課題を聞いた。 福祉と教育の間で SSWの仕事とは? 「市教委からは最初『福祉と教育の接点で活動してほしい』と言われました。具体的には『学校が困っていることがたくさんある。それを改善するように福祉的な視点で働きかけてほしい』と」 長汐さんによれば、社会福祉士は子どもの最善の利益のために活動するから「学校のために」という要請とは矛盾することもある。「二つの価値の間を泳ぎ回るようにして活動してきました」 スクールカウンセラーと違って「相談待ち」ではない。外に出る。 まず問題がありそうな子と直接会い、状況をつか
交付された被爆者健康手帳の記載内容を、妹(右)とともに確認する平山さん=福岡市で2018年7月20日、樋口岳大撮影 福岡県が今年5~6月、男女2人の被爆者健康手帳の申請について、亡くなった親族が過去に手帳を取得した際の申請内容などを基に手帳を交付していたことが分かった。うち1人の女性は、1960年に父が自らの手帳を申請した書類には「被爆なし」と記載されていたが、県は「差別を恐れて子どもの被爆を隠していた可能性がある」などの事情を考慮して被爆者と認めた。 国は手帳申請者に対し、罹災(りさい)証明などの公的書類や「第三者2人以上の証明」などの提出を求めているが、被爆から73年となる中で申請者自身が捜し出すのは困難になっている。2人の手帳取得を支援した福岡市原爆被害者の会は、福岡県の判断を「被爆者の実態を踏まえた柔軟な対応だ」と評価している。
民族差別などを助長するヘイトスピーチ(憎悪表現)に対応する相談窓口を府が設置して1年。全国初の取り組みとして注目されたが、インターネット上や街宣活動による被害が続くにもかかわらず、相談はまだ1件もない。(山本美菜子) 「全く電話がないとは、想定外だった」 京都弁護士会の浅井亮副会長は読売新聞の取材にそう話した。 府は2017年7月、相談窓口を設置した。月2回の電話相談のほか、対面でも相談でき、人権問題に詳しい弁護士から助言を受けられる。 ただ、16年6月に施行されたヘイトスピーチ対策法では、相談者から要請があっても府が路上での街宣行為を中止することや、罰則を与えることはできない。「結局、自分で訴訟を起こすしかない」(弁護士)ため、相談してこないとみられる。 府は、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による京都朝鮮第一初級学校前での街宣活動(09年、10年)をきっかけに対策に本腰を入れ始
職員と細断した紙を袋に詰める作業をする平野さん(右)=横浜市泉区で2018年7月20日午前11時35分、国本愛撮影 2年前に入所者19人が殺害された相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」では今、見過ごされがちだった障害者本人の意思をくみ取り、本人が望む暮らしをともに考える意思決定支援が進む。【国本愛、堀和彦】 園で約4年間過ごした平野和己さん(28)は5月末、横浜市内の仮園舎を離れ、少人数が街中で自立して暮らすためのグループホームに移った。約1時間かけて通所施設に通い軽作業もする。園では室内で過ごす時間が長く夜に目覚めることもあったが、今はほとんどない。両親は「社会に参加している実感があり、日常が変わった」と喜ぶ。 園は2021年度の再建に向けて建て替え中で、入所施設の小規模化と、グループホームなどを利用する「地域移行」を促進する方針だ。神奈川県は昨年9月から、入所者約130人の意思決定
和歌山県立星林高校(和歌山市)のラグビー部顧問の男性教諭が、部活動の合宿中に飲酒し、部員の男子生徒に暴行してけがをさせていたことが分かった。 同校や県教委によると、教諭は、校内で合宿していた15日夜、夕食時に飲酒。その後、3年生の男子部員を倒して頭を踏むなどの暴行を加えた。グラウンドの整備を巡って教諭が「整備が遅い」と話した際、部員が「部員の人数が少ないので限界です」と答えたことに激高したという。生徒はけがをしたが、入院はしていない。 同校は「おわび申し上げる。再発防止に努める」と謝罪。県教委は「厳正に対処していく」としている。事件後、ラグビー部は活動していないという。 仁坂吉伸知事は24日の定例会見で、「理屈を述べたとたんに暴力をふるうとはとんでもない。こんなことを許してはいけない」と述べた。(土井恵里奈)
ハンセン病患者の隔離政策で患者家族も差別を受けたとして、療養所に入所していなかった女性(1994年に死亡)の遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部(栂村(つがむら)明剛裁判長)は24日、遺族側の控訴を棄却した。1審・鳥取地裁判決は家族への差別解消を怠った責任が国にあるとしたが、同支部は「国に差別解消の法的義務はない」と判断した。 遺族は、94年に85歳で死亡した女性の五男(72)(鳥取県北栄町)。 らい予防法(96年廃止)の隔離政策を巡っては、国の責任を認めた2001年の熊本地裁判決後、国と全国原告団協議会が01、02年に基本合意書を締結。国が患者や元患者に一時金を支払うことになった。ただ、家族に関しては「差別を受けていたとまでは言えない」として救済していなかった。 1審判決は、らい予防法が「ハンセン病は強烈な伝染病という誤解を与えた」と指摘。患者の子どもへの差別の実例
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