「星稜恐怖の1年生4番」として高校野球界に現れ、春のセンバツ・夏の甲子園を盛り上げた松井秀喜。明日のセンバツ決勝戦を前に、松井から本塁打を浴びた3人の元高校球児たちが当時を振り返った記事を特別に公開する。〈全2回の1回目/#2に続く〉 【初出:Sports Graphic Number 834号(2013年8月8日発売)「〈ホームラン全4本の記憶〉ゴジラと勝負した3人の男たち。」/肩書などはすべて当時】 他を圧する風格の強打者を打席に迎えても、逃げることなど考えなかった。渾身の力で投げ込んだ白球は確かにスタンドの彼方まで運ばれたが、真っ向勝負に悔いはない。敬遠伝説が生まれる前、正面からゴジラに挑み、痛恨の一発を浴びた3人の投手が、20年の時を経てなお鮮明な記憶を語る。 ◆◆◆ ついにバットを振らぬまま対戦相手の校歌を聞いた。1992年8月16日、甲子園での明徳義塾高校戦、松井秀喜は、敬して