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厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の調査方法をめぐって、4年前に、当時の総理大臣秘書官が、厚生労働省に問題意識を伝えていたことが明らかになりました。野党側は、アベノミクスの成果を示そうと実質賃金が高く出るようにするためだったのではないかなどとして、引き続き、追及することにしています。 これをめぐって、菅官房長官は、14日衆議院予算委員会で、当時の中江総理大臣秘書官が、厚生労働省から事前に説明を受け、実態を適切に表すための改善の可能性について問題意識を伝えていたことを明らかにしました。 野党側は、「アベノミクスの成果を示そうと実質賃金が高く出るようにするためだったのではないのか」などとして、中江氏を参考人として招致するほか、来週18日の集中審議に、更迭された厚生労働省の前政策統括官の前任者らの出席を求め、引き続き、追及することにしています。 これに対し、与党側は、「統計不正問題とアベノミクスは
「毎月勤労統計」の調査手法をめぐり、安倍晋三首相の秘書官から「問題意識」を伝えられた厚生労働省は、それから約2カ月後に見直しを議論する有識者検討会を立ち上げていた。ただ、最終的な結論が出ぬままに調査手法は変更され、賃金の増減率が上ぶれすることになった。政権の意向が影響したのか。変更の経緯を検証した。 毎月勤労統計の調査対象は約3万事業所あり、このうち約半分を占める従業員「30~499人」の中規模事業所は抽出方式で2~3年ごとに全部入れ替えていた。ただ、入れ替え時に厚労省が行う数値の断層の補正で、賃金の過去の公表値が大きく修正される問題が以前から指摘されていた。 2015年1月の入れ替え時には、増減率がプラスからマイナスに転落した月も発生。同月分の確報値とともに4月3日に公表された。14日の衆院予算委員会で菅義偉官房長官は、その直前の3月末ごろ姉崎猛統計情報部長(当時)ら厚労省幹部2人がこう
毎月勤労統計の昨年1月以降の賃金上昇率が過大になった問題で、厚生労働省が2015年に同統計の調査手法変更に向けて開いた有識者会議の当時の委員が、厚労省の担当者から「調査対象事業所の入れ替えで14年の賃金上昇率がマイナス改定され、首相官邸が怒っている」と聞いたと西日本新聞の取材に証言した。 調査手法に関しては、当時の首相秘書官が検討会開催前の15年3月、厚労省に「問題意識」を伝えていたことも明らかになっている。手法変更に際し、厚労省側が政権の意向を意識していたことがうかがえる。 有識者会議は、学識者やエコノミストら計6人で構成する「毎月勤労統計の改善に関する検討会」。15年6~9月に6回開かれ、調査対象事業所の入れ替え時に賃金上昇率が変動することへの対処法を議論した。 会議には厚労省の担当部長、課長、課長補佐ら3~4人が出席。委員は雑談の中で職員から、官邸を意識する発言を聞き「検討会を開く理
厚生労働省が毎月勤労統計の調査対象入れ替え方法の変更を検討した経緯について、同省関係者が14日、共同通信の取材に「国会でも賃金の話が出ており、何とかしなきゃいけないと思った」と証言した。公正であるべき統計に経済政策を重んじる官邸の意向が影響した可能性が出てきた。2015年、当時の中江元哉首相秘書官に賃金伸び率の低下を説明した同省幹部は「アベノミクスで賃金の動きが注目されている」として急きょ有識者検討会を設け、短期間で結論を出すよう要請していた。
「毎月勤労統計」の賃金かさ上げは「首相案件」――。2018年1月に突然、調査方法が変更され、賃金がカサ上げされることになった「毎月勤労統計」。やっぱり、安倍首相周辺が関与していたことが発覚した。 13日の衆院予算委で安倍首相は、企業サンプルの入れ替えにより数値が大きく変動することについて、15年の段階で、当時の首相秘書官が厚労省の役人から説明を受けていたことを明らかにした。 質問した財務省出身の大串博志議員(立憲民主)は「秘書官の耳に入るということは、役所では“総理ご関心事項”と言うんですよ」と語った。14日の衆院予算委で、厚労省と接触したのは、中江元哉首相秘書官(現・財務省関税局長)で、15年3月末だったことが明らかになった。この後、統計の“見直し”は一気に進んだ。 ■核心を突かれムキになった安倍首相 15年10月の経済財政諮問会議で、麻生財務相は「サンプル事業所の入れ替え時に変動がある
森友学園への国有地の売却をめぐる問題で、去年2月に問題が発覚したあと、財務省の理財局が学園側との交渉記録の存在を把握していたことがわかりました。一方、国会での答弁で当時の佐川理財局長は「記録はすでに廃棄した」と繰り返し説明していて、財務省は事実関係を調べています。 関係者によりますと、財務省の理財局は去年2月に問題が発覚したあと、この交渉記録が残っていることを把握していたということです。 しかし、当時の佐川理財局長は、去年2月24日の衆議院財務金融委員会で、「面会などの記録は財務省の規則で保存期間は1年未満になっており、記録は廃棄している」と答弁するなど、国会で繰り返し「記録は廃棄した」などと説明していました。 このため財務省は、当時、理財局が交渉記録の存在を把握していながら、局のトップが記録は廃棄したと説明を繰り返していたことについて、事実関係を調べています。 交渉記録は数百ページにのぼ
衆院本会議前に陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題について記者団の質問に答え、議場に向かう稲田朋美元防衛相=国会内で2018年4月3日、川田雅浩撮影 識者らからは批判が相次ぐ 陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報について、稲田朋美防衛相(当時)が国会で「残っていないと確認した」と答弁した翌月の昨年3月には陸自が存在を確認していたことが4日、ようやく明らかになった。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題の教訓があったにもかかわらず、防衛省が部隊の日報が見つかったことを発表した今月2日の段階でも1年前に見つかっていたことは言及されず、識者らからは批判が相次いだ。 情報公開のあり方に詳しいNPO法人・情報公開クリアリングハウス(東京都新宿区)の三木由希子理事長は「小野寺五典防衛相が2日に発表した時点でも、事実関係の情報が大臣に届いていなかったなんて、組織として問題が
(上)穀田氏が独自入手した文書。検討の状況として「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配備」などの文言がある(下)開示文書ではページが欠落していた 米軍キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどの沖縄県内の米軍基地を恒常的に自衛隊と共同使用し、陸自隊員を常駐させるとの日米の計画を盛り込んだ防衛省作成の文書が2パターン存在し、共同使用などの計画が隠ぺいされた疑いがあることが30日、分かった。穀田恵二衆院議員(共産)が同日の衆院外務委員会で指摘した。 外務委で答弁した山本朋広防衛副大臣は開示された文書の存在は認めたが、穀田氏が独自入手した文書については「対外的に公開している文書ではないので真贋(しんがん)を含めて答えを差し控えたい」と明言を避けた。 穀田氏は独自入手した文書と比べ、市民の情報公開請求で開示された同名文書にはページの欠落やレイアウト変更があるとして「森友問題と
森友学園に関する決裁文書の改ざんをめぐり、野党6党は合同ヒアリングを開き、加計学園の獣医学部新設をめぐる今治市の文書も書き換えられたのではないかと指摘しました。 ところが、この問題が一部で報道された去年3月ごろに書き換えられたあとの文書では、内容は開示されたものの1ページに減っています。また、会合に参加した人数が書き換え前の文書では14人だったのに対して、書き換え後は5人分が削除されています。 野党の議員が「参加者が削られているのは加計学園の関係者ではないか。今治市に対し、議事要旨を直してくれと指示していないか」と内閣府の関与を指摘したのに対し、「今治市の責任で作成された文書だ」と内閣府の担当者は述べ、書き換えは今治市が判断したと回答しました。 書き換えの理由について、今治市は「内閣府から議事要旨を確認するよう求められ、内容を精査した結果、聞き取り間違いやニュアンスの間違いを正した」と説明
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