ハチャメチャな都政私物化 ここにきて石原慎太郎・元東京都知事の周辺がにわかに騒がしくなってきた。問題が次々噴出する豊洲新市場の建設にゴーサインを出した責任者であることに加え、メディアの注目を一身にあつめる“小池劇場”効果によるものなのはあらためて記すまでもなく、大手週刊誌やテレビの情報番組なども石原都政の責任を問いはじめている(そのトーンは相変わらず生ぬるいが)。 率直に言って私は、何をいまさら……といった感慨を抱く。あるいは、ようやくか……という気分とも言える。 石原都政が問題だらけだったのは、当の石原氏が都知事在任中、ごく一部の新聞や雑誌が熱心に追及した。私も、その一人だった。半年ほどの集中取材を重ね、いまはなき『月刊現代』誌に連載ルポを発表したこともあった。その実態は、公私混同が徹底指弾された舛添要一・前都知事の所業が可愛く思えるほどハチャメチャな都政私物化だった。 なのに当時、大半