「少年少女が軍国主義に染まったのは若い世代に重点的に宣伝活動やプロパガンダを展開していたから」という面もあると思う。が、山中恒さんをはじめとした当時の現役少国民の人の証言を読むと、〈少国民に対する圧倒的な暴力による支配〉という面も強く感じる。ヒロイズムだけでは死への動員は難しい…
来春から「特別の教科」となる中学校道徳の教科書検定で、8社の教科書が合格した。生徒が「思いやり」や「愛国心」などの項目を、数値や記号を使って自己評価する欄を掲載した教科書もあり、専門家から疑問の声が出ている。 8社中5社は巻末などに、生徒が数値や記号で「自己評価」する欄を設けた。広済堂あかつきは「自分自身を振り返って」と題して、学習指導要領が求める「節度、節制」や「国を愛する態度」といった22項目について、5段階で自己評価する内容。日本教科書も「身につけたい22の心」を4レベルで自己評価する一覧表を載せた。 教育出版は22項目と、その内容を紹介した教材名と並べて「心かがやき度」を星1~3個で示す手法。東京書籍と日本文教出版は項目別ではないが、A~Dや丸をつけて生徒が振り返る欄を作った。 道徳の教科化に伴って生徒は教員から評価を受けるが、数値評価ではなく、記述式。中身も「内容項目ごとではなく
細田博之・前衆院議長が死去 1990年初当選で11選 「そんなに大病ではない」「多少よたよたしていますけど、まだ議員としての活動はできる」先月には12期目目指し立候補表明も 体調不良のため先月、衆議院議長を辞任した自民党の細田博之氏が亡くなったことが分かりました。79歳でし…
衆議院選挙に注目が集まる今、知ってほしい法案がある。自民党が国会に提出しようとしている「家庭教育支援法案」である。 すでに同党の文部科学部会は法案を了承し、早ければ次の国会に提出される可能性がある。小池百合子氏も推進派に名を連ねているので、選挙の争点としては注目されていない。 しかし、法案の内容は、国家が「上から目線」で家庭に介入と指導を行うというもの。憲法改正だけでなく、この法案も「国のあり方」を大きく変える問題として議論されるべきだ。 問題点を探るには、5年前に大阪市で撤回された条例案が参考になる。そこから考えてみよう。 「伝統的子育て法」で発達障害を予防? 2012年5月1日、大阪維新の会・大阪市議団は「家庭教育支援条例案」を発表。そこには次の内容が含まれていた。 【前文より】 ・かつて子育ては、社会から温かく厳しい「眼差し」に支えられていた。 ・今は、伝統的子育て法が伝承されず、父
安倍政権が、終戦直後に「排除・失効」とされた教育勅語について「教材として用いることまでは否定されない」と閣議決定したことは記憶に新しい。その影響なのか。 5月上旬、埼玉県のある公立小学校のPTA総会で、1枚の文書が配られた。コピーが繰り返されたせいかひどく読みにくい。かろうじて、「家庭心得」というタイトルが読み取れた。 冒頭にこうある。 「学校は、一家族の状態を存すべし、教師は父母の如く、謹厳にして慈愛なるべし、生徒は子女の如く、恭敬にして従順なるべし」 22項目に及ぶ保護者への注意には、あいさつの習慣をつけさせるなど現代に通じるものも多いが、学校教育の目的を、 「専ら忠君愛國孝悌にして、着實なる人物を養成する」 と記す。これは、明治天皇が1890年に国民に授けた「教育勅語」の精神に重なる。 教科の筆頭は「修身」 子どもがこの小学校に通うある保護者は、動揺を隠せない。 「どう考えても時代錯
「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用に関する声明について 2017-05-08 学会事務局からのお知らせ 「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用に関する声明について 教育勅語を道徳の教材とすることを可能とする政府の見解が示されたことについて、理事会は、教育史学会として学術的な立場から専門的な見解を社会に発信することが必要であることを一致して認め、以下の声明文を作成し、文部科学大臣、内閣官房長官および各都道府県・政令指定都市教育委員会教育長宛に送付しました。 なお、この問題に関する公開シンポジウムの開催も検討しております。 2017年5月8日 代表理事 米田俊彦 2017年5月8日 「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用に関する声明 教育史学会理事会 政府は、2017年3月31日の閣議決定による答弁書において、憲法・教育基本法に「反しないような形で教育に関する勅語を教材として用
「パン屋」は「和菓子屋」に、「アスレチック」は「和楽器店」に――3月24日に発表された小学生向け道徳教科書の検定結果に、ネットが騒然としている。国や郷土を愛する心を育む上で不適切とされ、変更になったというものだ。朝日新聞などが報じ、ネットでは「戦前かよ」「さっぱり意味が分からない」など、批判と驚きの声が相次いでいる。 いったい何がどうなっているのか。キャリコネニュースでは、文部科学省初等中等教育局の教科書課に取材を申し込んだところ、担当者からこうした声が返ってきた。 「色々なことが言われていますが、文科省がパン屋を和菓子屋に修正するよう指示した訳ではありません。修正箇所はあくまでも出版社の判断に基づくものです」 パン屋が相応しくないのではなく、書籍全体で「郷土愛」に不足があったと主張 道徳が新たに教科化されるにあたり、文科省も出版社も、手探り状態であることが伺えます。 小学校の道徳は201
高橋源一郎 @takagengen この前、「方丈記」を現代語に訳したのだが、実は、古典の現代語訳は、個人的に、しょっちゅうやっている。人知れずだが。というのも、普通に古典を読んだり、あるいは、いわゆる「現代語訳」を読んでいてもピンと来ないことが多いからだ。なんか、そういう意味じゃないんじゃないかなあ。そう思える。 2017-03-15 14:38:52 高橋源一郎 @takagengen たとえば、「朕惟フ」と言うと、ふつう「私は思う」と訳す。もちろん間違っていない。でも、なんか違う。「朕」を使えるのは、天皇ただひとり。同時代で、「朕惟フ」を読んだ人は、「私は思う」とは受けとらなかったんじゃないかな。正確だけれど「正しくない」訳、そんな気がする。 2017-03-15 14:40:47 高橋源一郎 @takagengen というようなことを、昨晩、ここ何年か連載している「論語」全訳の途中
先日、本サイトでは、自民党が「政治的中立」の名のもとに教員を厳罰、理念の法制化などを進めていることを報じた。これはあきらかに、戦争に反対することをはじめとする平和教育を狙い撃ちするものだが、その一方で、こんなニュースが話題を呼んでいる。 それは、あの有名な「愛国幼稚園」が新設する小学校の名誉会長を、なんと安倍首相の妻・昭恵氏が務めるという問題だ。 この「愛国幼稚園」というのは、大阪・淀川区にある塚本幼稚園幼児教育学園のこと。塚本幼稚園では、幼稚園児に「教育勅語」や「五箇条の御誓文」を暗唱させるほか、伊勢神宮への参拝や自衛隊の記念式典で園児らが演奏したり、日の丸と旭日旗を振らせるなど、露骨なまでの“愛国教育”をおこなうことで知られている。 当然、こうした教育方針に賛同する極右は後を絶たず、日本のこころを大切にする党の中山斉彬や西村眞悟、田母神俊雄、竹田恒泰といった“ネトウヨの神”たちも同園を
先日、本サイトでは、自民党がホームページで「子供たちを戦場に送るな」と言う教員を取り締まる“密告フォーム”を設置していたことを伝えたが、どうやら安倍政権はまったく反省の色もなく、“御用新聞”を使ってこの戦前ばりの密告社会を推し進めていくらしい。 念のためおさらいしておくと、問題の“密告フォーム”は、7月に自民党のホームページに設けられた「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なるタイトルのページのことだ。 このなかで自民党は、〈「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる〉と書き、〈偏向教育〉だとして通報させる“密告”のための入力フォームを設置したのだ。しかもそこで「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」などと具体的な情報を記入するよう求めるなど、完全に教育を統制しようとしているのが丸見えだ。 つまりこの国の政府与党は、教員が「子供たちを戦場に送るな
自民党が党公式ホームページ(HP)で、教育現場での「政治的中立を逸脱するような不適切な事例」を募るネットアンケートを始めた。18、19歳に選挙権が拡大されたことを受け、「主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れ」があることを調査理由に挙げている。ネット上では「この調査こそ教育への政治的介入」と批判の声も出ている。 自民党HPは、調査の呼びかけで「教育現場の中には『教育の政治的中立はありえない』と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいることも事実」と断定。「高校等で行われる模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育を行うことで、特定のイデオロギーに染まった結論が導き出される」などと主張し、「不適切な事例」をアンケート形式で情報提供するよう呼びかけている。 HPには当初、教育現場で「子供たちを戦場に送るな」と主張する教員がいる
宮城県教育委員会が、校外での集会に参加して発言した県立高校教諭に対し、参加前に「政権批判の言葉に気をつけるように」と注意していたことが分かった。県高校・障害児学校教職員組合は6日、「思想・良心の自由や言論・表現の自由を踏みにじる」として県教委に抗議した。 集会の主催団体や同組合によると、教諭は5… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
国立大学法人・奈良教育大付属中学校(奈良市)の入学・卒業式で、国歌斉唱が行われていないことが1日、学校などへの取材で分かった。式典では生徒らを着席させた上で「君が代」の曲のみを流していた。国は平成11(1999)年に国旗国歌法を制定し、学習指導要領でも国旗掲揚と国歌斉唱の指導を明記しているが、同校は過去十数年間にわたり、入学・卒業式での国歌斉唱を実施していない。教員養成機関でもある教育大のあり方として議論を呼びそうだ。 約700人出席の卒業式で… 学校側は産経新聞の取材に「式は生徒が企画、準備するものとして定着しており、開式後に座って(国歌を)聴く形で続いてきた」と説明。「今後はきちんとした形に改めたい」とし、8日の入学式では国歌斉唱を行う考えを示している。 関係者によると、今年3月11日に行われた卒業式には約700人が出席。開式後に全員で起立、礼をして「着席」の号令で全員が席に座り、スピ
安倍政権は、「大学の自治」の要をなす教授会の権限をなくし、学長の権限を強化する学校教育法・国立大学法人法改定案を国会に提出しました。5月中旬にも審議入りする構えです。「日本の大学と民主主義は重大な危機にある」と大学関係者から激しい反対の声が上がっています。 (土井誠 党学術・文化委員会事務局次長) 大学自治壊す 教授会が審議機関から学長“諮問機関”に変質 大学は13世紀に欧州で生まれ、世界各国で高等教育機関として発展しました。その歴史の中で、国家権力の干渉から学問研究と教育の自由を守るために「大学の自治」を形成してきました。これは世界共通の原則です。 日本では、憲法第23条に「学問の自由は、これを保障する」と定められ、「大学の自治」の法的根拠となっています。 学校教育法は、これを具体化し、「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない」(第93条)と定めています。 「大
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