「日本中が有罪と信じているこの事件で、どうして裁判所だけが無罪を言い渡せるのか」。 1981年のロス疑惑銃撃事件に関連した殴打事件で、殺人未遂罪に問われた三浦和義元社長(自殺)の控訴審を担当した元裁判官が、当時の裁判長(故人)の評議における発言を公表した。 元裁判官は、木谷明弁護士(78)。昨年8月に発売された法律専門誌「判例時報」に記載した。 裁判所法は、裁判官は評議の秘密を守らなければならないとしている。裁判員とは異なり違反しても罰則はないが、評議の内容が公表されるのは極めて異例だ。 木谷弁護士は取材に「マスコミによる捜査機関からの一方的な情報に基づく犯人視報道の問題と、それに裁判所までが汚染されてはならないということを伝えたかった」と意図を説明した。 三浦元社長の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士は「事実だとすれば、証拠と法が定めた手続きに従って事実認定をするべき裁判官としてあ