フォックスコンの名でも知られる鴻海精密工業はなぜ、低迷するテレビメーカー、シャープの株式を10%取得して日本に対する最大の賭けに出るのか? シャープ株の取得に個人のお金まで出す鴻海の創業者兼CEO(最高経営責任者)の郭台銘氏は、賢く立ち回っているのだ。 世界最大の電機メーカー(そしてアップル製品の主要組立業者)である鴻海は、シャープのテレビ技術を必要としている。鴻海は今回の提携で合意された、液晶パネルを製造する堺工場の共同経営を通じてシャープのテレビ技術を直接得られる。 確かに、大型ディスプレーの供給が過剰で需要が減少しているために、堺工場は生産能力の半分のペースで稼働している。だが、郭氏にとっては、これは長期的な防衛策だ。 アップル依存からの脱却 鴻海は「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」を生産することで、売上高の4割をアップルに依存している。だが、iPhone