◇識者「独自取材、萎縮させる」 NHKが熊本地震発生を受けて開いた災害対策本部会議で、本部長を務める籾井勝人(もみい・かつと)会長が「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と指示していたことが22日、関係者の話で分かった。識者は「事実なら、報道現場に萎縮効果をもたらす発言だ」と指摘している。 会議は20日朝、NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれた。関係者によると、籾井会長は会議の最後に発言。「食料などは地元自治体に配分の力が伴わないなどの問題があったが、自衛隊が入ってきて届くようになってきているので、そうした状況も含めて物資の供給などをきめ細かく報じてもらいたい」とも述べた。出席した理事や局長らから異論は出なかったという。 議事録は局内のネット回線を通じて共有され、NHK内には「会長の個人的見解を放送に反映させようと
裁判官から「原発事故の責任は誰にありますか?」と聞かれ、「げ、原発事故の責任は、自民党にあります……」と蚊の鳴くような声で答える甘利明氏。この時も傍聴席の失笑を買っていた。 2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の刑事責任を問うため、2月29日に検察審査会が旧東電役員の勝俣恒久氏(75)ら3人を、業務上過失致死傷罪で強制起訴に踏み切った。 東京地裁での裁判の争点は、被告である東電役員が「原発事故を予測できたか」だ。事故が予測不能と証明されれば、刑事責任は問われず、3人は無罪になる可能性があるということだ。 しかし、今を去ること10年前、大震災による原発事故の被害予測が第一次安倍内閣で質疑されていた。共産党の吉井英勝氏が作成した「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」(以下、質問主意書)だ。 吉井氏はこれを2006
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