2008年のリーマン・ショックで株価は急落した (c)朝日新聞社 サミットで安倍首相が用意した「参考データ」をもとに世界経済がリーマン・ショック前に似た危機的状況と主張したことが、問題になっている。 「リーマン・ショック前に似た危機」との説明を、経済の専門家も冷ややかに聞いた。スイス銀行出身の経済アナリスト、豊島逸夫氏は呆れて言う。 「唐突です。それほどの状況なのに、サミットはのんびりと日本流おもてなし。切迫していれば、寸暇を惜しんで話し合うはずです。米紙の報道は、リーマン前との話は議論に値せずといった論調。安倍氏がアベノミクスのためにサミットを利用した点を批判し、『ハイジャック』『歌舞伎を演じた』と報じています」 「危機」の説明に使ったA4判4枚の資料は、新興国の経済成長率などを示したグラフや表が並ぶ。メディアには日本語版が配られた。ただ、専門家から「インチキ」との声があがる。 例えば、